ソードアート・オンライン ~story of Liebe~
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第3話
六月に入ると気温が上がりじめじめとした空間が漂う。
そのせいで教室内の気温が上がり生徒の気力を奪っていく。
「あっつ~、まだエアコン入らないのかよ・・・」
この時期はお昼時にしか入らないようにしているらしい。
頼むからエアコン入れてくれないかな、暑さで死ぬ・・・
なんでまだ梅雨なのにこんなに暑いんだ今日・・・?
「・・・あっつ~・・・」
未だに隣の席の木綿季はあまりの暑さにぐったりしていた。
「おーい、木綿季さーん?」
「・・・ん~」
「大丈夫ですか~?」
「・・・の~」
「体調悪そうだし今日のデザートはn「すごく元気だよボク!」暑苦しいなお前・・・」
食い物で元気になるのかよ・・・
「まぁ、今日は暑いし帰りに冷たいもん食っていくか」
「え、ホント!?ホントに!?約束だよ!」
「ホントだっつーの」
「わぁーいやったぁ!!」
はしゃぐな余計暑く感じる・・・
それから放課後。
約束を果たすため木綿季と街中に来ていた。夕方のこの時間は学生等が多くそこそこ混雑していた。
俺人が多いところ歩くの嫌なんだけど。まぁ、好きな人なんていないか。
「で、どこの店に入るんだ?」
「まだ決めてない☆」
あ、こっち来て探そうと思ってたのか。なら俺も探すか・・・。
しかし、あたりを見渡してみるがどこがいいのか全然分からない。
こういうのは女子に任せておけばいいもんだよな?
「おい、どこに行くか決め・・・あれ?」
さっきいた場所に木綿季の姿がなく多くの人が歩いてるだけだった。
「俺を放置して店探しか!?それとも・・・いや、それはないと信じたいが・・・」
まさかな・・・とりあえず探さないとな。
「あれおっかしいなぁ・・・確かここら辺て聞いたはずなんだけど・・・?」
木綿季は店を探すためにすたすたと街の中を歩いていた。クラスメイトから聞いた話とケータイを頼りに探し回る。
「ねぇ蒼空?ここの位置ってわか・・・あれ?」
蒼空がいない?あれ?どうして・・・
「あー!もしかしてボク、探すのに夢中で蒼空のこと置いてきちゃった!?うわー怒られちゃうよ・・・」
えーっと蒼空に連絡を・・・ってあれ?ボク蒼空の連絡先知ってたっけ?あれれー?
頭を抱えながらオロオロしていると知らない人達が声をかけてきた
「あ、ねぇ?君今一人なの?今暇なら俺たちと遊ばない?いい店知ってるんだ」
「え、あの~・・・どちら様ですか?」
「俺たち通りすがりの高校生だよ。で、どうなの?今から遊ばない?」
え、高校生・・・?なんでボクを・・・?
「えっと・・・人とはぐれてしまっただけで暇じゃないんです・・・すみません失礼します・・・」
これで諦めてくれるよね・・・?えっ!?
高校生組は立ち去ろうとする木綿季の腕を掴み引き戻した。そして人気のないところに連れて行こうとする。
「何言ってんの?どうせその人探すまで暇なんだろ?んなこと言わずに遊ぼうぜ?」
怖い・・・怖いよ・・・。だ、誰か助けて・・・?
周り高校生数人が木綿季を笑みを浮かべながら囲みこみ、周囲の視界を塞ぐ。通路を歩く人は自分は巻き添えになりたくないためか見て見ぬふりをする。赤の他人を怪我をしてまで助ける人なんて実際いないのかもしれない。だが、助けを求めている人が、赤の他人でなかったら?その人が友達だったら?ましてやそれ以上の存在だったら助けずにいられるだろうか?
「おい、てめぇら何してやがる?」
いや、助けずにいられないだろう
「あ?邪魔しないでくれる?」
「おいクソガキが何の用だ?」
篠崎蒼空は見捨てたりはしない。そういう性分だからだ。
「そいつ、俺の連れだから返してくれないか?」
「そうか、なら今返してやるとはならねーんだよバカが!」
数人のうちの一人が襲い掛かってくる。その男は長身で大きな体をしているため、一発当たればひとたまりもないだろう。
「やっぱりそうなっちゃいますか?なら仕方ない」
だが一発当たればの話だ。蒼空は殴りかかってくる男を避け、隙のできた男のみぞおちに一発重い一撃を与えた。
「こうなったら実力行使だ!お前ら全員相手してやる!」
怒気を加えて言うと残りの高校生達は怯え始めた。
「おい、あいつが一発でやられるとかこの状況やばいって!?」
「チッ、仕方ねぇ。あのデカブツ連れてずらかるぞ」
と言って木綿季を放置しそのまま大男を抱きかかえながら路地に消えていった。すぐに木綿季の元に駆け寄って様子を伺う。
「木綿季!!よかった、怪我とかはないみたいだな・・・」
「・・・・なさい」
「?どしたユウk「ごめんなさい!!」ちょ、おい!」
突然謝りながら木綿季が抱き着いてきた。
こりゃ、相当怖かったんだな。無理もないか、あんな男数人に囲まれてたら誰だってこうなる。
「もう大丈夫だし、怪我がなくてよかった。次からは気を付けろよ?」
「うん、ありがとう・・・蒼空」
そりゃ怖かったからこんなに大人しくなるのはわかるけどなんかすげーグッとくるものがあるんですけど。たまにはこういう木綿季を見るのも悪くないな。
「・・・なに笑ってんのさ」
「いや、こういう木綿季も珍しいなと思ってな」
さっきの行動を思い出したのか木綿季の顔が赤くなり始めた。
「う、うるさいよ!?と、とにかく時間もあれだからアイス!アイス食べに行こう!?」
「はぁ!?さっきみたいな状況になったってのにまだアイス食べる気があるのか!?」
「アイスでも食べないとやっていけないの!!ほら、行くよ!!」
「おい、そんな強引に引っ張るな!分かったから!行くから!」
それにしても、気が楽になったのか?木綿季が笑ったような・・・
二人は急ぎ足でお店に向かった。
それからの帰り道。
外は急に雨が降り始めて、蒼空と木綿季は急いで家に帰っていた。
「お前がアイスを6個も7個も食べるから雨が降ってきたじゃないか!」
「なんでアイス食べたボクのせいになるのさ!?大体そんなにアイス食べてないからね!?」
元々そんなに遠いわけでもないため愚痴を言い合いながら走っていると少し近めの蒼空の家に着いた。
「俺の家だから俺が入るのは分かるけど、なんでお前まで入ってんの?」
「いいじゃん、雨宿りぐらいさせてくれても」
「お前の家は俺の家のすぐ近くじゃん!?無理にこっち入る必要ないよね!?」
「蒼空はケチだなぁ」
ケチとかそういう問題じゃなくてね?お前今の状態分かってんの?土砂降りの雨のせいで服が濡れて透けてるんだぜ?そんな奴と一緒にいたら・・・
「ん?ボクなんかおかし・・・い?」
顔が赤くなったってことは気づいたっぽい。不味いな・・・下着とか見えてるし・・・
「わわっ!?見ちゃだめだよ蒼空!?」
「み、見てない!見てないからな!?」
「む~・・・ホントは見たでしょ?」
「・・・少しだk「蒼空のバカー!」いったー!!」
木綿季は蒼空をカバンで叩いてお風呂場に逃げていった。そして、顔だけだしていた。
「・・・着替え用意しといてくれる?」
「あー、はいはい。しときますよっと」
「覗かないでね?」
「あいあい、覗きません」
「・・・少しくらい興味もっても「なんか言ったか?」なんでもないよーだバーカ!」
なんだよあいつ・・・そんなにバカバカ言われると傷つくぞ・・・
それから木綿季は俺の出した着替えを来てリビングに来た。
「なんかもっとマシなのなかったの?」
「悪かったな俺の昔の服でよ!」
「しょうがない、許してあげる」
と笑いながら言ってくる。服は多少大きいがないよりはマシだ。
「服はもう少しで乾くはずだから待っててくれ」
「はーい」
木綿季は勝手にお菓子を持ちだして食べながらテレビをつけ始めた。
こいつはどんな神経してんだ・・・一応人の家だぞ。
「あ、蒼空。新しいゲームのCMやってるよ」
「あー、SAO(ソードアートオンライン)か。確か11月頃に出るはずだぞ」
「蒼空はやっぱり送られてくるの?」
「多分な?」
俺の父親はIT系の企業に勤めているためこういったゲーム関係の人とも幅広い関係を持っている。最新のナーヴギアと呼ばれる五感すべてをリンクさせるといった機械も送ってきた。今回も送ってくる可能性は高いだろう。
「でも、毎回木綿季の分も送ってくるだろ?心配しなくても貰えると思うぞ?」
「なんか申し訳ないね」
何故か知らないが木綿季の分も送ってくる。これの理由はあれだ。俺と遊んでやってくれっていう気遣いだろう。
「まぁ、申し訳ないと思うなら少しは礼儀というものを「あ、βテスター募集中だって!」聞けよ話!」
「なにさ~人が今真剣にテレビ見てるっていうのに」
「・・・もういいよ。で、βテスター気になるのか?」
「まぁ、最新のフルダイブ技術だしね。早くやってみたいっていうのはあるかな」
「なら、行くか。βテスター」
「・・・え?ええ!?行けるの!?行きたい!」
「近い近い。分かったから」
実はβテスターは前から気になっていたからすでに予約しておいた。木綿季の分もしておかないと「なんでボクの分ないの!?」とか言われそうなのでとりあえずしておいた。よかったぁしておいて。
「夏休み中にあるから宿題早めに終わらせとけよ」
「うん!ありがと!やっぱり持つべきものは幼なじみだね蒼空!」
「いや、関係ないと思うぞそれ・・・」
楽し気な会話は雨が止むまで続いた。
しかし、この楽し気な日常が一変してしまうとは今は誰も思わなかっただろう。
後書き
そろそろアインクラッドにいけ・・・るのかな?
頑張ります!
それにしても主人公パネェな・・・
意見などありましたらお願いします。
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