戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第四十九話 井上中尉!和歌山でファミコン勝負!!その四
「とにかくでごわす」
「ああした世界の様に」
「戦いますね」
「そうするでごわす、では悠木大将」
西郷はあらためて瞬に顔を向けて言った。
「今回はでごわす」
「はい、そうした雑誌の様にですね」
「戦ってもらうでごわす」
「ではすぐに井上中尉の下に参ります」
「そしてファミコンを知るでぎわす」
まさにゲームのはじまりと言っていいゲーム機をというのだ。
「名作も多いでごわすよ」
「ソフトにはですね」
「是非知るでごわす」
戦いの前にというのだ、こうしてだった。
瞬は京都四条のある店に行ってだった。
そしてだ、その店でファミコンに励んでいる井上、丸眼鏡をかけた面長で学者の様な風貌の陸軍衆の軍服を着た男に声をかけた。
「井上中尉、宜しいでしょうか」
「これは閣下」
井上は瞬の姿を見てすぐにストップボタンを押して立ち上がりその場で瞬に対して陸軍衆の敬礼で応えた。
「ようこそ」
「はい」
瞬も敬礼で応えた。
「今回の勝負に向けてです」
「まずはですね」
「ファミコンを知りたいと思い」
瞬は井上に素直に話した。
「参上しました」
「左様ですか」
「プレイステーションは知っていますが」
「ファミコンは、ですね」
「したことがありません」
やはり素直に言う瞬だった。
「ですから」
「事情はわかりました」
澄んだ整った声でだ、井上は瞬に答えた。
「では僭越ながら私めがです」
「ご教授頂けますか」
「閣下にファミコンのことをです」
まさにそれのことをというのだ。
「指南させて頂きます」
「宜しくお願いします」
こうしてファミコンをしてみる瞬だった、ドンキーコングにデビルワールド、マリオブラザースと懐かしいゲームをしていった。
勝負のことは尚智と尚武も聞いていた、そして。
そのファミコンを家の物置から引っ張り出してやりながら話していた。
「こうしてやってみたらな」
「ああ、面白いな」
「ファミコンいいな」
「これはこれでいいぜ」
二人はグラディウスをしながら話す。
「このコントーローラーがな」
「妙にいいな」
「小さくて薄いけれどな」
「手に馴染んでな」
それでというのだ。
「いい感じだぜ」
「この感触くるな」
「今のゲーム機のそれよりずっと小さくて薄くても」
「それがかえっていいぜ」
「しかもゲームもいいぜ」
「今から見ると画面も音楽もチャチだけれどな」
当時の技術ではそれが限界だったのだ。
しかしだ、その古臭いと言っていいゲームがだ。
「これがな」
「今のゲームより面白いかもな」
「必死に作ったことがわかるしな」
「これいいぜ」
「病みつきになるぜ」
「当時の子供が夢中になったのもわかるぜ」
その面白さを知ったからこその言葉だ。
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