ドリトル先生北海道に行く
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第五幕その四
「阪神はね」
「滅多に優勝しないね」
チーチーははっきりと言いました。
「あのチームは」
「そうなんだよね、優勝しそうでも」
「急に調子落とすんだよね」
ジップもこのことを指摘しました。
「大体九月になったら」
「うん、毎年ね」
「絶対に安心と思ったら」
ホワイティも阪神のそのことを言います。
「信じられない展開になるんだよね」
「十三ゲーム差をひっくり返されたこともあるよ」
「そんなの普通ないよ」
「まずね」
チープサイドの家族も呆れています。
「阪神だけだよ」
「そんな展開になるのは」
「うん、最終戦で甲子園で巨人に惨敗したこともあったよ」
「そこで勝ったら優勝だったんだね」
ダブダブはこのことを察しました。
「その試合で負けて巨人が優勝したのかな」
「そうなったんだ」
「漫画か小説ね」
ポリネシアも呆れるお話でした。
「よくそんな負け方出来るわ」
「そんなことは阪神だけしかないよ」
「それこそね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「あのチームは本当にね」
「奇跡みたいなことばかり起こるよね」
「負けることについてはね」
先生もこう言うしかありませんでした。
「あのチームは奇跡のドラマを起こすよ」
「それっていいことじゃないよね」
王子はここまで聞いて唸りました。
「どう考えても」
「うん、だから毎年ファンの人は大変だよ」
「先生はその阪神ファンになったし」
「王子も嫌いじゃないよね」
「華があるからね」
だからと答えた王子でした。
「阪神はいいチームだよ」
「そうだよね」
「けれど何でそんな負け方ばかりするのかな」
首を傾げさせても言う王子でした。
「毎年毎年」
「取り憑かれてるとか?」
「それもとびきり性質の悪いのに」
「だから阪神毎年そうなるんじゃないの?」
「滅多に優勝出来ないんじゃ」
「そうかもね」
王子もそのことを否定しませんでした。
「あのチームだと有り得るね」
「ううん、クライマックスに出ても大抵負けるし」
トミーも阪神は嫌いでないのでこう言います、好きでも残念に思う感じで。
「ここぞっていう時に弱いんだよね」
「多分日本のプロ野球のチームで一番だよ」
勝負弱いというのです。
「あのチームはね」
「そのチームを応援していたら」
「もう大変だね」
「それ先生達だけれど」
「まあ私達も嫌いじゃないし」
「毎年がっかりするよね」
「それでも応援するんだよね」
先生は少し苦笑いになって言いました。
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