俺と一色の御近所付き合い
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第1話 久しぶりの会話
2人とも落ち着きリビングの方でテーブルに対面で座る。
八幡「つまり、酔っ払って1つ上の階に行ってたまたま鍵が開いててそのまま入ってほぼ記憶のないままベットで寝たという訳だな」
いろは「は、はい…」
八幡「はぁ…なんて言うか……何も取ってねぇよな?」
いろは「あ、当たり前じゃないですか!仮にも自分の部屋だと勘違いしたんですよ!」
八幡「まったくもって威張るところでは無いがな」
いろは「そ、そもそも先輩が鍵をかけ忘れるから悪いんです!」
八幡「ぅ、そこを突かれると痛いが…って待てなに責任転嫁しようとしてんだ?」
いろは「ぅ…」
八幡「まあいいや、良かったな俺のところで」
いろは「は? 何ですか口説いてるんですか? 流れでそういう事言うのちょっと無いんで無理ですごめんなさい」
八幡「久しぶりに振られたな、それにしても久しぶりだな一色」
いろは「そうですね、先輩が卒業してから1度もあってませんでしたし、連絡もありませんでしたから。てっきり亡くなったのかと」
八幡「おいおかしいだろ、流石に死んだらどっかに連絡行くだろ」
いろは「でも先輩友達いないじゃないですか」
八幡「…そうだったな」
いろは「でもよくここまで気づきませんでしたよね、同じアパートで1階違いなだけなのに」
八幡「ある意味偶然何じゃねぇの」
いろは「それでその…話を戻しますとやっぱりちょっとは私が悪いじゃないですかぁ?」
八幡「いやちょっとじゃ無くてほとんどお前が悪いけどな、あとあざとい何を企んでやがる」
いろは「もぉ、最後まで聞いてくださいよぉ。それでですね代わりといっては何ですが今度私が先輩にご飯作ってあげます」
八幡「は?」
いろは「だって見たところ先輩あんまり料理してませんよね?そこら辺にコンビニとかのお弁当とかカップラーメンとかのゴミがありますし」
八幡「まあ…そうだが」
いろは「なのでたまには私が料理しに来ますよ。今回のお詫びという事で」
八幡「お、おう…お前料理出来たのか?」
いろは「失礼な! 私だってそれなりに出来るんですよ? これでもしっかりと一人暮らし出来てますからね」ドヤッ
八幡「でも良いのか?」
いろは「そこで先輩です!」
八幡「は? 何」
いろは「やっぱりぃ、先輩にもちょっとは非があるじゃないですかぁ?」
八幡「(まーた何かあざとくしてきたな、ほんと何を企んでやがる)まあちょっとはな」
いろは「私が料理するんで先輩は材料買ってきて下さい」
八幡「……」
いろは「どうしました? まさかお金無いとか」
八幡「いや違うわ、流石に材料買う程度はあるわ。いやなんつーか、お前の事だから今度何か買ってくださいとかいって何か割と高額なもの請求してくるのかと…もしくは『寝顔見たんで責任取って下さい』とか」
いろは「何ですか口説いてるんですか? 久しぶりにあって遠まわしに口説いてるんですか? もっと距離を縮めてからにして下さいごめんなさい」
八幡「またかよ」
いろは「とにかく明日お仕事終わりにでも材料買ってきて下さい、それで家に着いたら連絡くれれば行くので」
八幡「おう、何か悪いな」
いろは「いえ、一応お詫びですから」
いろは「それに…久しぶりに先輩にも会えましたし…」ボソ
八幡「あ?」
いろは「何でもないです。それで先輩まだ私の連絡先とか持ってます?」
八幡「ああ、お前が変えてなければあるが」
いろは「ならそれに連絡お願いしますね。それではおやすみなさいです」
八幡「ああ、おやすみ。気をつけろよ」
いろは「気をつけろって、1階降りるだけですからね」クスッ
八幡「そうだったな」
いろは「それではまた明日」
ドアバタン
八幡「まさかここに来て知り合いに会うとは思わなかったな」
まず知り合いが少ないから奇跡にも近いけどな。
そしてその日はすぐにシャワーを浴び明日早めに仕事に行くために眠ることにした。
八幡「……明日は残業出来ないな」
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