レインボークラウン
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第三百十六話
第三百十六話 造った塩は
塩を確実に造ることが出来る様になった、それで亜美はそのことが嬉しくて錬金術のその実験を続けた。だが。
気付くとだ、その塩達がだった。
「一杯造ったな」
「はい、実に」
「かなりの量になりましたね」
「実験を続けた結果」
「相当なものになりましたね」
使い魔達も言う。
「これはです」
「かなりの量ですから」
「一体どうしましょう」
「捨てるのも勿体ないですし」
「捨てることはないわ」
亜美もこう言う。
「折角造ったのにな」
「その通りですね、では」
「どうされますか」
「お母ちゃんとこに持ってくわ」
亜美はその塩を見つつ言った。
「そうしてな」
「お料理に、ですか」
「使われますか」
「お塩はお塩やろ」
それならというのだ。
「別にそれでもええやろ」
「確かに、お塩ですから」
「それでもいいですね」
「別にお料理に使えへんでも」
それでもいうのだ。
「魔法でも使うし」
「あっても困らない」
「そういうことですね」
「そや、お塩は何でも使えるし」
「ではこのお塩の山も」
「捨てずにですね」
「まずはお母ちゃんとこに持っていこな」
こう言ってだ、実際にだった。
亜美はその塩をビニールの中に入れて母に差し出した、すると母は亜美にだった。
その塩を少し舐めてからだ、こう言った。
「これならええわ」
「お料理に使える?」
「まあ使えるわ」
実際に舐めてみての言葉だ。
「丁度お塩切らしてるし」
「使うん?」
「そうさせてもらうわ、ただ普段はお塩あるさかい」
それでというのだ。
「今度からは魔法に使うんやで」
「わかったわ」
亜美は母の言葉に頷いた、そして造った塩は今度からは魔法に使うことにした。そのことも決めたのだった。
第三百十六話 完
2016・2・13
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