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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1283話

 模擬戦を終えてサツキミドリ2号に戻ってきた俺達を出迎えたのは、満面の笑みを浮かべたウリバタケだった。
 まぁ、何を期待してるのかは十分に分かる。
 ウリバタケが考えたミサイルの弾頭の件だろう。
 最初の模擬戦を終え、それから再度何度か模擬戦を繰り返した結果、最終的には俺の全勝という形で終わったのだが、それでも色々と見るべきところはあった。 
 その中の1つに、ウリバタケのミサイル弾頭があったのだが……
 満面の笑みを浮かべるのを止めて欲しい。
 テンカワ以外の全員の機嫌が悪いのだから。
 まぁ、当然全員自分の腕には自信があったんだろうけど、その自信を木っ端微塵に砕いてしまったからな。
 多少不機嫌になってしまってもしょうがない。
 普段は明るいヒカルでさえ、ぶっすーといった言葉が似合うくらいに頬を膨らませて不機嫌そうにしているし。
 リョーコの方は、触れば速攻で切れて暴れ出しそうな不機嫌具合。
 ヤマダは……うん、取りあえず正義の味方に憧れている男らしく、人に当たっていない点は褒めてもいいだろう。
 イズミは……こいつはどうなんだろうな。基本的に読めないので、何を考えているのか全く理解出来ない。
 それでもあの寒い駄洒落が出てこない辺り、多分ショックを受けてはいるんだろう。

「はいはい、パイロットの皆はそれぞれレポートを書いて提出して頂戴。ああ、それとアクセルはミサイルの件で待ちかねているらしいから、そっちもお願いね」

 エリナは不機嫌……という訳ではないが、若干微妙な表情だ。
 ミロンガ改が強いというのは、サセボシティでの戦闘映像やチューリップの時の戦いを見て知っていたのだろうが、それでもエステバリスを相手にしてあそこまで圧倒するとは思わなかったといったところか。
 エステバリスがネルガルで開発した代物だけに、素直に喜べないんだろう。
 ともあれ、パイロットは全員そんなエリナの声に従うようにして散らばっていく。
 俺も……と思ったところで、ウリバタケが真っ直ぐ近づいてくるのを見て足を止める。
 まぁ、ミサイルの件で報告しておけって言ってたしな。

「おう、アクセル。俺が開発した弾頭はどうだった? 役に立っただろ?」

 眼鏡をクイッと直しながら尋ねてくるウリバタケ。
 その口調には興奮が満ちており、自分の開発したミサイルが役に立ったというのを少しも疑っていない様子だ。
 いや、それは間違ってはいないんだが……

「そうだな、ネットで捕獲するのはかなり使えた。他にも小型ミサイルを内蔵している奴とか。ただ、使えないのも何個かあったぞ。特に煙幕のやつだ。本来ならミサイルが爆発して煙幕を撒き散らかすって予定だったんだろうが、全く煙幕が広がらなかった。おかげで狙い撃ちにされそうになった」

 多分、あの時が今回の模擬戦で最もピンチだったと思う。
 煙幕が広がるのを前提にして敵に突っ込もうとしていたのに煙幕が広がらなかったから、ラピットライフルの集中砲火を受ける羽目になった。
 エナジーウィングがなければ、多分被弾していたのは間違いない。

「あー……煙幕はもう少し研究が必要か。他は?」
「水をばら撒くってのもあったけど、あれはどう使えばいいんだ? 火事になっているところにでも撃ち込めってのか? 少なくても普通に戦闘している分には使い物にならないな」
「……なるほど」

 水のミサイルは最初から駄目だろうと判断していたから取りあえず撃ってみた感じで、煙幕の時のようにピンチになるような事はなかったが。

「それと、爆発力が高いのは今回模擬戦には間に合わなかったみたいだけど、開発はどうなっている?」
「ああ、そっちも結構進んでる」

 まぁ、爆発力が高いと言ってもS-11ミサイルには遠く及ばないんだが。それでもバッタやジョロといった相手を倒すのには丁度いい。
 それにチューリップにも口の中に突っ込んでやれば、母艦級の如く内部から破壊する事も可能……いや、そこまでの威力はないか。
 チューリップの大きさを考えると……なら、木星蜥蜴の戦艦のカトンボは? いや、こっちも威力不足な気がする。

「詳しい報告は後でレポートを書いて出すから、それを読んでくれ」
「あいよ。そっちの方も楽しみにしてるよ」

 一応報告を聞けて満足したのか、ウリバタケは去って行く。
 それを見送り、俺もパイロットスーツからネルガルの制服に着替えて、何か食べるかという事で食堂へと向かう。

「ちょっと、アクセル。あんた何したの?」

 食堂の中に入ると、俺の姿を見つけたハルカが即座にそう声を掛けてきた。
 ハルカの近くにはメグミやルリの姿もある。
 食堂でお茶をしていたといったところか。

「何って、何がだ?」
「ほら」

 ハルカの視線が向けられた先には、思い切り落ち込んだ様子のリョーコ、ヒカル、イズミ、ヤマダ4人の姿があった。
 まさに、どよーんと表現するのが相応しいだろう雰囲気を出している。
 テンカワは……と厨房へと視線を向けると、そこでは特にショックを受けた様子がないテンカワがコックとしての仕事をしているのが見えた。
 まぁ、以前はパイロットが足りないからテンカワに無理を強いていた感じだけど、今はリョーコ達がいるしな。
 ヤマダも復帰したし。
 ……いや、ヤマダの場合復帰したらリョーコ達の連携を崩すという意味で、寧ろ強さが落ちていると言うべきか?

「あー……ちょっと模擬戦をやってきたんだよ」
「あら、いないと思ったらそんな事をしてたのね」

 少し意外といった表情を浮かべるハルカ。
 恐らく何か用事があって俺の部屋にでも来たのだろう。それともコミュニケか? まぁ、模擬戦をやった宙域はネルガル以外の目から隠れる為にかなり離れた場所だったからな。
 コミュニケでも通信が届かなかったんだろう。
 ……そう言えば、コミュニケって具体的な通信距離はどのくらいなんだ?

「でも、模擬戦をやって何であんなに落ち込むんですか?」

 メグミの声が聞こえたのか、リョーコ達がこっちを睨んでくる。
 前々から思ってたが、メグミって結構キツイ事を言うよな。

「あたし達がボロ負けしたからだよ! 1回だけじゃなく、何回も模擬戦をやって攻撃を当てる事さえ出来なかったんだ」
「それは落ち込むわよねぇ」
「ご愁傷様です」

 しみじみと呟くハルカに続き、ルリが呟く。
 この2人、最近結構仲がいいんだよな。
 仲がいいというか、ハルカがルリの世話を焼いている感じか。
 ルリも嫌だったら嫌だときちんと言う性格をしているので、それでもまだ続いているって事は、ルリにとってハルカとの関係は決して悪いものではないんだろう。

「っ!? 大体だな、ヤマダが猪みてえに突っ込むから、そこから連携が崩れていくんだよ。元々エステバリスってのはエネルギー供給の関係上活動範囲は狭いんだから、連携を重視するのは当然だろ!」
「ぐっ、だから俺はヤマダじゃなくて、ダイゴウジ・ガイだ!」
「うるせえ。お前、本気で自分だけで突っ込んで行く癖を直さなきゃ……死ぬぞ」
「そうだねー。ああいう風に戦っていると、危ないのは確かよね」
「私の弾丸の先に生を見るのであれば、それは死の淵にいるべきもの。……死ぬわよ」
「うわっ、出たよいきなりシリアスモード。……ま、こいつの言ってる事も色々と理解出来ないだろうが、このままだと本気でお前は死ぬってだけ覚えておけ。それに……こう言っちゃあなんだけど、お前のエステバリスの操縦は決して上手くない。寧ろ平均より若干上くらいだ」
「ぐっ!」

 その言葉に、ヤマダも実感はあったのだろう。何か苦いもので呑み込んだかのように顔を顰める。
 まぁ、この平均ってのがどんな平均なのかは予想が付く。
 そもそも、まだエステバリスは開発されたばかりの新兵器だ。そのパイロットは当然リョーコ達のような腕のいい人材が多い。
 この世界のエースパイロットの平均以上というのは、十分に誇ってもいいと思う。
 そんな真面目な雰囲気が漂ってきているのでふざける訳にもいかず、俺はハルカの注文したフライドポテトへと手を伸ばす。
 それに少し咎める視線を向けたハルカだったが、それでも容認はしてくれたらしい。
 ……あ、でもこのフライドポテトあんまり美味くないな。この前のサツキミドリ2号のファーストフード店の方が美味かった。
 あのファーストフード店、本気でフライドポテトは美味かったんだよな。フライドポテトってそこまで調理で味が変わるようには思えないんだけど、本気でどんな調理をしてるのやら。
 このフライドポテトも、テンカワがさっきまで模擬戦でいなかったという事を考えると、恐らくホウメイが作ったものの筈。
 つまり、あのファーストフード店はチェーン店であるにも関わらず、ホウメイよりも美味いフライドポテトを作れるって事か?
 フライドポテトを食べながら考えていると、リョーコ達の方の話し合い……言い争い? の方も一段落したのか、ヤマダがうなだれているのが見える。
 まぁ、実際問題リョーコにあんな風に言われてもしょうがないんだよな。今回の模擬戦で、ヤマダが活躍した事なんて殆どなかったし。
 大抵が真っ先に突っ込んできて俺にやられて……って感じだった。こうして考えると、本気でいいところがないな。
 その辺をリョーコに突かれたんだと思う。
 もっとも、それは必要な忠告だろう。少なくても俺は今のヤマダと一緒に戦闘に参加したいとは思わない。
 シミュレータとかを見る限りだと決して腕が悪いって訳じゃないんだから、自分が自分がって感じじゃなくて、仲間のフォローを意識したり、自分がフォローに回るようになれば化けると思うんだけどな。
 周囲に漂っている暗い雰囲気を嫌ったのだろう。やがてハルカが話題を変えてくる。

「そう言えばもう少しでクリスマスじゃない。ナデシコでパーティをやるって話になってるんだけど、アクセルはどうする?」
「クリスマスパーティ? ……そうか、もうそんな時期か」

 元々ナデシコが宇宙に上がったのは12月になってから……具体的には中旬だ。
 その後サツキミドリ2号に到着して補給作業やら何やらで今まで時間が掛かっており、気が付けばクリスマスか。
 ちなみにナデシコの改造で最も時間が掛かっている場所がどこかと言えば、当然ナデシコに外付けするミロンガ改を収める為のコンテナだ。
 さすがにコンテナをただナデシコに乗せたりくっつけたりするだけって風にはいかないらしい。
 俺が混沌精霊だと知ってれば、それはそれでありだと思うんだけどな。

「そ。折角だし、ナデシコの中でパーッとクリスマスパーティをやるのよ。料理に関してはホウメイさんが腕を振るってくれるらしいわよ。ちなみに会場はここね」

 そう言い、フライドポテトでテーブルを指さす。……フライドポテトさす?

「そうだな、特にクリスマスに予定がある訳でもないし、参加かな」
「そう? ならメンバーに入れておくわね」
「……ハルカさん、嬉しそうですね」

 ポツリと小さく呟いたルリの声に、ハルカが一瞬動きを止める。

「や、やーね。そんな事ないわよ。ただ、折角パーティをやるんだから、どうせなら人が多い方が面白いでしょ? ルリルリだってそう思うわよね?」
「そうなんでしょうか? クリスマスパーティ、初めてなのでちょっと分かりません」

 殆ど表情を変えずに告げたルリだったが、それが寧ろハルカにとっては衝撃だったのだろう。そっとルリの頭を撫でる。

「そう。じゃあ、今年は一杯楽しみましょうね。……それで、貴方達はどうするの? クリスマスパーティ」

 リョーコ達の方へと視線を向けて告げるハルカだが、リョーコ達とハルカってこれが初顔合わせだったりするのか? 操舵士のハルカと、パイロットのリョーコだと顔を合わせる機会もそうそうないような気がするけど。
 でも、リョーコ達がナデシコに来てから既にある程度の日数は経っている。食堂とかで会っていても不思議じゃない、か。

「ああ? クリスマスパーティ? そんなん……」

 リョーコが何を言おうとしたのか理解したのだろう。ヒカルがそんなリョーコに慌てて言葉を被せる。

「そうだね、面白そうだから参加しようよ。ね、リョーコも。こうして落ち込んでてもしょうがないじゃない。それより嫌な事は忘れて、パーッと騒いだ方が絶対にいいって。根を詰め過ぎるよりも気分転換しよ。ね?」
「……ったく。わあーったよ。参加すればいいんだろ、参加すれば。で、あたしはともかく、そっちはどうなんだ?」
「ふふ、ふふふふ……クリスマスには苦しみます。……鯖じゃないけど、シメてあげるわ。ふふっ、ふふふふふふふふふふふふ」

 何だか不気味な笑い声を上げてるイズミに、リョーコはうわぁ、といった表情を浮かべる。
 それでもクリスマスパーティに参加するという意見は変わらなかったのか、溜息を吐いてから口を開く。

「ま、こうしてウジウジしててもしょーがねえ。それに、アクセルにボロ負けしたって事は、あたしより強い奴がいるって事なんだから、考えようによっては寧ろラッキーなんだよな。弱い奴を相手にしたって腕は上がらねえんだしよ」
「うんうん、そのポジティブさこそがリョーコだよねぇ……」
「へっ、あったりめえだろ。それと、おい、そこで落ち込んでるヤマダ! お前もパーティには参加しろよ」

 リョーコの言葉に、落ち込んでいるらしいヤマダはいつものように名前を訂正させるような事もなく、黙って頷くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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