戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第四十八話 石川少佐!ポエムはいいぞ!!その二
「その二人は」
「あれっ、シェークスピア濃いか?」
「デュマもそうか?」
「別に濃くないだろ」
「普通だろ」
「濃いでしょ、特にシェークスピアはね」
イギリスを代表するこの戯作家の作品はというのだ。
「何かと」
「まあ台詞の言い回しが独特らしいな」
「日本語訳読んだ限りだけれどな」
「やたら大袈裟でシニカルな表現で」
「あと人間の美醜をはっきり書くからな」
「感情描写が強くて」
「確かに個性は強いな」
「そうでしょ、それがね」
まさにと言う瞬だった。
「濃いのよ」
「あの人のそうした書き方がか」
「濃いっていうんだな」
「デュマもね」
アレクサンドル=デュマ、所謂大デュマもというのだ。
「結構作品の傾向はっきりしてるでしょ」
「結構大活劇か」
「大立ち回りめいたの好きか?」
「格好いい主人公書くの好きか」
「ダルタニャンとか岩窟王とかな」
「それに歴史上の実在人物を巧みに出して」
三銃士等である、主人公のダルタニャンもそうであるし三銃士もそれぞれモデルになった人物が存在している。
「派手な作品にしてるわね」
「そういえばそうか」
「あの人の作品もそうした個性でな」
「濃いか」
「そうなるか」
「私はそう思うわ、とにかくね」
また言う瞬だった。
「あんた達が読みたいっていう本はね」
「まあはっきりしてるか」
「濃いか」
「そういえばそうか」
「そうなるかもな」
二人も納得して話す。
そしてだ、二人でこうも言うのだった。
「じゃあもっと薄い本読むか」
「個性がな」
「オーソドックスな、な」
「普通の作風にするか」
「そうした作家さんの本にするか」
「それじゃあな」
ここで二人が挙げた作家はというと。
「谷崎潤一郎か」
「永井荷風か」
「ちょっと瘋癲老人日記読むか」
「荷風だと地下世界にあるっていう裏本いいかもな」
「何処が個性薄いの?」
瞬はその二人の作家についても言った。
「谷崎とか荷風の」
「うっ、この二人もか」
「この二人も個性強いか」
「むしろシェークスピアやデュマよりもよ」
さらにいうのだ、
「個性強いでしょ」
「耽美な」
「それが駄目か」
「二人共ね」
「あの耽美がいいんだけれどな」
「芸術だろ」
「芸術は芸術でもよ」
それでもとだ、また言う瞬だった。
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