転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1278話
『サツキミドリ2号へ到着しました。これよりナデシコの船員は既定の行動に入って下さい。尚、サツキミドリ2号に上陸する方も多いと思いますが、くれぐれも問題行動を起こさないようにして下さい。また、サツキミドリ2号に半舷休息で上陸する場合は、きちんと自分の部署に届けを出してから上陸して下さい。もし届けを出さずに上陸する場合、減俸等の処罰が下されるそうです』
部屋の中でナデシコ艦内の売店で買った雑誌を眺めていると、不意にそんな通信が入る。
当然その声の主は、ブリッジ3人娘の1人であり元声優という肩書きを持つメグミのものだ。
確かに声優をやっていただけあって、どこか透き通るような声だよな。
シェリルのような、歌う為の透き通るような声とはまた別の魅力を持つ声。
声だけでどうこうと思う者もいるかもしれないが、出撃するパイロットにとってこういう風な声というのは生きる希望となる事すらある。
その辺を考えると、やはりメグミをスカウトしてきたプロスペクターは出来る男って奴なんだろうな。
メグミ自身、声優としての人気は結構あったらしいし。
それはともかく……俺の場合は上陸する時ってどうすればいいんだ?
上司は……いない。パイロットという意味ではテンカワがいるが、向こうは半分コックだし。
ちなみにナデシコの専有パイロットであるヤマダは、未だに傷が治りきっていないらしく医務室で入院中だ。
一度見舞いに行ったきりなんだよな。
一応同じパイロットなのは事実なんだが、どうにも暑苦しい性格が俺と合わない。
それと、俺に過剰なまでの対抗心を持っているのが厄介極まりない。
俺に対する対抗心、またはライバル心というだけならイザークという前例があるし、そこまで気にはしないんだが……ただ、ヤマダの場合は実力が伴ってないんだよな。それと、人の話を聞かないで突っ走るとか。
……うん? 特徴だけを抜き出してみると、イザークと似ている部分も多いな。実力はともかく。
特に人の話を聞かないってのは、シャドウミラーに所属した当初はそんな感じだった。
今は大分落ち着いてきているし、オウカと付き合う事になって更に落ち着くだろうが。
『アクセル、今いい?』
何となくヤマダからイザークについて考えが逸れていっていると、不意にコミュニケが起動する。
そこに映し出されのはエリナ。
まぁ、そうだよな。明確に機動兵器の部隊の隊長という役職が決まっている訳じゃない以上、俺がサツキミドリ2号でどうすればいいのかってのを相談したりする相手はエリナに決まってるか。
「ああ、問題ない。で、何だ? サツキミドリ2号についてか?」
『ええ。早速で悪いんだけど、アクセルにはミサイルの試し撃ちをして貰いたいの。構わないわよね?』
ここで構わないか? と聞くんじゃなくて、構わないわよね? と聞いてくる辺り、エリナだよな。
いやまぁ、特に用事は……ああ、ハルカやルリと一緒にサツキミドリ2号に出掛けるって約束はしてたか。
ただ、サツキミドリ2号にはある程度の日数いるって話だし……その辺を考えれば、今日到着したからすぐにって訳じゃなくてもいいか。
「ああ、構わない。それで俺はどうすればいい?」
『そうね、取りあえずミロンガ改をナデシコの格納庫から運び出す準備をしておいて頂戴。こっちの準備が出来たらすぐに呼ぶから、そうしたら早速テストしましょう。まぁ、ミサイル自体は連合軍とかで使っているからノウハウの類があるけど、規格の方がどうなるのか……一応調べたものを送ってあるから大丈夫だとは思うんだけど』
「ネルガルの技術力は信頼してるよ」
ナデシコのような戦艦を作り上げ、エステバリスのような機体も作り上げたんだ。
当然その技術力は高い筈だし、ミサイルの規格を合わせる程度の事は容易くやってのけるだろう。
『そう? そう言って貰えると私としても悪い気はしないわね』
ネルガルが褒められたのが嬉しかったのか、いつも冷静なエリナが唇の端だけを曲げ、微笑を見せる。
こういう光景を見れば、やっぱりエリナも凜とした美人なんだよな。
『うん? どうしたの? 何か聞きたい事でも?』
黙って俺がエリナの顔を見ていたのに気が付いたのだろう。そう尋ねてくる。
「いや、具体的にどのくらいナデシコはここにいるのかと思ってな」
取りあえず誤魔化す……って訳でもないが、ちょっと気になっていた事を尋ねてみる。
ナデシコ世界の時間的に、12月も中旬だ。その辺を考えると、年を越す前には火星に向かって出発した方がいいような気がする。
……また連合軍が無茶な要求をしてこないとも限らないしな。
『恐らく今年一杯……下手をしたら来年にずれ込む、いえ、寧ろその可能性の方が高いでしょうね』
「何でだ? ミサイルの件はともかくとして、補給物資を積み込んで、ムネタケ達を引き渡すくらいしかする事がないだろ?」
なら年内には出発出来るのでは? そんな俺の言葉に、エリナは首を横に振る。
『ここで配属されるパイロットとの連携訓練とかもあるし、それと出来ればミロンガ改の出撃を荷物搬入口以外からも出来るようにしたいのよ』
「あー……それはちょっと……いや、かなり難しいんじゃないか?」
ナデシコというのは、あくまでもエステバリス運用艦である以上、どうしても重力カタパルトによる射出口はエステバリスの大きさを基本としている。
少しくらいの大きさの違いならともかく、3倍以上だとさすがに難しい筈だ。
『ええ、難しいというのは分かっているわ。けど、取りあえずあり合わせでも何でもいいからどうにかしないと、これから火星なんて敵のど真ん中に向かうのに、わざわざ毎回荷物搬入口から出撃させるわけにもいかないでしょ? ナデシコにはディストーションフィールドがあると言っても、何が起こるか分からないんだから』
「まぁ、そうだろうな」
ミロンガ改みたいに幾つものバリアがあれば話は別かもしれないが、ナデシコの場合はエリナが口にしたようにディストーションフィールドしかバリアがない。
しかもそのディストーションフィールドも、ビームや重力波砲の類には強いがミサイルなんかの実弾には弱いという欠点――それでも完全に防げない訳ではないが――を持っている。
そう考えると、出撃の度に荷物搬入口からミロンガ改が出撃するというのは、出来れば避けたいのが事実だろう。
「けど、どうするんだ? ミロンガ改の出撃については、以前も何度か検討したんだろ? それで結局今のようになってる訳で……」
もっとも、何だかんだと地球での戦闘は殆どなかったからこそ、ズルズルとこうしてやって来たんだろうけど。
『その辺はサツキミドリ2号にいる技術者やナデシコのウリバタケとかと話すことになると思うけど、今のところはナデシコの格納庫付近にコンテナのようなものをくっつけて、そこにミロンガ改を収納。アクセルが出撃する場合は格納庫からそのコンテナの中に移動して……といった感じになる予定ね』
そんなエリナの呟きに、だろうな……という思いを抱く。
実際問題、本格的にナデシコの格納庫からミロンガ改を出撃出来るようにさせるとなれば設計段階から弄らざるを得ず、数ヶ月……下手をすれば 年単位の時間が掛かってしまう事になる。
だとすれば、今エリナが言ったようにミロンガ改を乗せたコンテナを外付けにしてしまうってのが一番手っ取り早いだろう。
……まぁ、問題としてはナデシコの機動性や運動性が、コンテナの分若干落ちるだろうという事か。
それでもミロンガ改を十分に運用出来るのとどっちがいいかと言われれば、ミロンガ改の方を選んだんだろう。
今の木星蜥蜴を相手にするくらいなら、荷物搬入口からの出撃でも特に問題はないと思うんだけどな。
ただ……それは、あくまでも今の、という限定だ。
この先木星蜥蜴が新型機を出してこないとは限らないし、もし向こうがそんな手段を取るのであれば、ナデシコとしても相応の対処をする必要があるという事か。
「分かった。取りあえず暫くこのサツキミドリ2号にいなければいけないって事だな。幾ら生活環境が整っていても、ずっと戦艦の中にいるというのは精神的にあまりよくないだろうし。俺としては特に異論はない」
『そう』
短い返事だったが、その言葉に安堵が混ざっているように感じられたのは俺の気のせいではないだろう。
一応契約を結んでるんだし、その辺はあまり心配しなくてもいいと思うんだけどな。
「じゃ、取りあえず俺はミロンガ改の方に向かうから、ミサイルの方の準備を頼む。迎えには誰が来るんだ?」
『私よ。色々と忙しいから、少し時間が掛かるかもしれないけど……一応ミロンガ改の件はナデシコ以外の人達にはなるべく情報を広めたくないのよ。まぁ、あそこまで色々と騒動を起こしたんだから、今更遅いかもしれないけど……』
肩を竦めるエリナは、色々と疲れているように見える。
実際、疲れてはいるんだろうけど。
副操舵士としてハルカに負けたくないって事でかなり勉強しているらしいし、その上で今回みたいにネルガルの会長秘書として動く必要性も出てくる。
特にミロンガ改に関しては、さっきの話を聞く限り出来るだけ秘密にしておきたいというのが分かる。
つまり、知っている者達だけで事を運ぶ必要がある訳だ。
……プロスペクターとかゴートもいると思うんだけどな。
実はネルガルも一枚岩じゃないとか? ……当然だろうな。俺が調べた限りではネルガルってのはかなり巨大な複合企業だ。人が多く集まれば当然派閥も大きくなる。
特に先代のネルガル会長は色々と悪い噂の絶えない人物だったらしく、図書館でこの世界の事を調べた時にもかなりの頻度でその辺の話が記事になっていた。
「あまり根を詰めるなよ。休む時にきちんと休まないと、身体を壊すぞ」
『……そうね。でも、忙しいのは今だけだもの。ナデシコがサツキミドリ2号を出発して火星に向かってしまえば、今よりもぐっと楽になるわ。だから、アクセルもその辺の協力をお願いね』
そこまで言うと、また格納庫でと言って通信が切れる。
通信が切れたのを確認すると、俺も格納庫へと向かって進む。
……さて、ミサイルを頼んだのはいいけど、どんなミサイルが来るんだろうな。
この世界でミサイルは結構発展してるし、結構期待してもいいのか?
そんな風に考えながら格納庫へと到着すると……
「ええいっ、うっせぇっ! しつけえんだよ!」
そんな怒号が聞こえてくる。
えーと、何だ?
声の聞こえてきた方へと視線を向けると、そこには3人の女の姿があった。
その中でも、緑のショートカットの女がウリバタケを怒鳴りつけている。
誰だ? 今までナデシコの中では見た事のない顔だけど。
いや、勿論ナデシコにいる全員の顔を覚えている訳じゃないけど、あそこまで目立つ3人組なら、ハルカ辺りが何か話題を振ってきてもおかしくない。
緑のショートカットの女は気の強そうな顔立ちをしているけど、凜々しいといった顔立ちの女。男もそうだが、年下の女にキャーキャー言われそうな感じだ。
眼鏡を掛けた茶髪の女。こっちは緑のショートカットの女とは違い、人懐っこいような顔立ちをしている。当然美人。
黒の長髪の女。恐らく3人の中で最も年上だろう人物。こちらも当然のように美人ではあるが、どことなく暗い雰囲気を放っている。
全員、それなりの訓練を受けたような身体の動かし方だな。そうなると、多分サツキミドリ2号からナデシコに乗ってくるエステバリスのパイロットか?
「なぁ、あれは何の騒ぎだ?」
近くを通りかかった整備員へと声を掛けると、その整備員は肩を竦めて口を開く。
「ああ、あの3人はサツキミドリ2号からナデシコに配属になるパイロットらしいですよ」
「やっぱりか。……で、それはいいけど、何だってウリバタケが怒鳴られてるんだ?」
しかも、怒鳴られているウリバタケの顔には笑みが浮かんでおり、とてもではないが険悪な雰囲気ではない。
「あー……ま、ウリバタケ班長の事ですし、多分口説こうとしたんでしょ。それともセクハラしたかな? ウリバタケ班長も、女好きですからね」
いつもの事ですと言いながら、整備員の男は去って行く。
サツキミドリ2号に到着したという事もあって、色々と忙しいんだろう。
エステバリスのデータとかも収集するって話だし。……戦闘はサセボシティとチューリップ戦しかないんだけど、それでもネルガルにとっては重要らしい。
そんな風に考えていると、不意に3人の女のうちの1人、緑のショートカットの女が俺の姿を見つけると、真っ直ぐこっちへと向かってくる。
「おう、お前がアクセル・アルマーって奴か?」
2人の女を引き連れて俺の前にやって来た緑のショートカットの女は、俺に向かってそう尋ねるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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