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戦国異伝

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第二百四十八話 魔の島その二

「見付け出せばそれでいい」
「ど、どういうことか」
「我等が見付けだして近寄れば」
 それで、というのだ。
「相手はその場所から逃げ出す、そしてだ」
「そこをってことか」
 煉獄は風魔の言わんとしていることを察して言葉を返した。
「上様がな」
「そうだ、兵を出されてな」
「戦になるってことか」
「それが最後の戦になる」
 風魔は強い声で言った。
「間違いなくな」
「そうなるか、いよいよ」
「あの者達との戦がな」
「そうなって欲しいな、是非な」
「泰平になればね」
 萌が明るく言う。
「私もう遊んで暮らすよ」
「遊んでか」
「うん、色々な遊びをしてね」
 そうしてというのだ。
「毎日そうして過ごすよ」
「働かないんか」
「だってね」
 ここで萌が言うことはというと。
「戦が終わったら忍はやることないでしょ」
「そうか?」
「うん、だからだよ」
「そうでもない」
 その萌に言ったのは風魔だった。
「やはりだ」
「働くの?」
「何かとある、本朝は泰平でもだ」
 その中はというのだ。
「それでもだ」
「まだ戦があるの」
「本朝の外でな。だからだ」
「私達もなの」
「まだ働くことがある」
 そうだというのだ。
「どうしてもな」
「何だ、そうなの」
「無論だ、遊んで暮らすつもりだったのか」
「泰平になったらね」
「全く。何という者だ」
「こいつはこうだからな」
 煉獄は笑って呆れる風魔に言った。
「根っからの遊び人なんだよ」
「もういい歳なのにか」
「歳は取ったんだがな」
「背丈はともかくとしてか」
 かなり小柄だ、それこそ子供の頃とあまり変わらない。萌は童顔なままなので外見は子供の頃とあまり変わらないと言える。
「中身もか」
「子供のままなんだよ」
「やれやれだな」
「ああ、しかしな」
「忍術の方はか」
「わし等の中でも指折りなんだよ」
 一騎当千の者揃いの飛騨者の中でもというのだ。
「相当に強いからな」
「棟梁の御主よりもか」
「五分と五分だな」 
 それ位になるというのだ。
「それ位だな」
「そうか、では相当だな」
「御主にも負けぬぞ」
「そうやもな。しかしだ」
 あらためてだ、風魔は言った。 
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