ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
3:人口の増加こそ、町の発展に必要不可欠……それは解ってるんだよ!
前書き
登場人物が増えます。
皆が大好きなヒゲのオジ様です。
(メルキド)
リュカSIDE
三日三晩掘り続けて、ようやく水を引き込む事に成功。
棍棒を3本消費した甲斐があって、俺の目の前でピリンが気持ちよさそうに顔を洗っている。
本当はこの場で泥の様に眠りたいのだけれど、美女が見てるから格好付けて大丈夫なフリをしちゃう健気な俺。
「凄いねリュカは。どんどんメルキドを作っていっちゃうんだもん」
「なぁに、まだ寝床と作業部屋……それとこの水場を造っただけだよ。本当の意味での復興はこれからさ☆」
気を抜くと眠りそうなのに、美女の褒め言葉に爽やかスマイルで返答する俺。
「そうよね、復興はこれから……でねリュカ、私に提案があるの」
「何かなピリン?」
こ、今度は何だ!? 何を造らされるんだ!? 眠ってはダメなのか?
「あのね、やっぱり町造りには人手が必要だと思うの」
そりゃそうだ……
「それでね、私ここに来る途中……人を見かけたの」
ここに来る途中って事は、俺と出会う前って事かな?
「その時はここで町造りしてるなんて思わなかったから、その人に声もかけないで通り過ぎちゃったんだけど、ちゃんと誘ったら一緒に町造りを手伝ってくれるかもしれないんじゃないかと思うの。だからねリュカ、あの山の向こうまで行って、その人を誘ってきてよ」
そう言ってピリンが指差したのは、俺が復活した穴蔵よりも遙か遠くに聳える山脈だった。
まぁ山脈と言う程の高さは無いが、丘と言うには高すぎる山並み。
三徹不眠男に、あの山を越えろと美女が言う。
流石に断りたい!
「今地図を書くから待っててね」
そう言ってピリンは、作業部屋の設計図が書かれた紙の裏に、拙い手付きで拠点と山と目的地ら辺……そして、山の迂回路を書き示す。
迂回路と言う事は、山越えルートより緩やかではあるだろうが、遠回りになる事は確定事項。
ルート選択は一任されたが、“取り敢えず休む”という選択肢は与えて貰えなかった。
……分かりましたよ、行きますよぉ。
檜の棒より高威力な棍棒を手に、起伏の緩やかな迂回路を突き進む。
途中、人が居たであろう形跡があり、焚き火と藁のベッドを発見する。
正直、サボって寝ちゃおうかと考えたんだけど、徹夜してたら夜中にゴーストって言う幽霊のモンスターが拠点内に入り込んで襲いかかってきたので、ピリンを長時間一人に出来ないとの思いがあり、サボる事も出来ない俺が居る。
なので真面目に探索中。
人影は視界に入らないけども、何処かしらか気配は感じる。
するとスライムやドラキーが集ってる土山を発見。
何だか判らんが興味本位で土山に近付くと……
「た、助けて……」
と、人の声が!?
慌てて周囲のモンスターを蹴散らし、土山の土を棍棒で払い除ける。
そこに埋まっていたのは人間。
大きな本を持ったヒゲがむさ苦しいオッサン。
俺と目が合うなり……
「うおぉぉ、何処の誰かは知らぬが、よくぞ助けてくれた。礼を言おう」
と尊大なご挨拶。
もう一回埋めるか?
「いやぁ……モンスターに襲われて、逃げ惑っていたら穴に落ちてな……身を守る為に土を自分に被せたのだが、出られなくなってしまったのだよ。わっはっはっはっ」
いや、面白くないし。
「して、おヌシは誰かな? 我が輩に用があるのかな?」
「個人的な意見で言えば、お前に用件なんて無いんだけど……山の向こうで町を復興させてるんだよ、俺。だから手伝う気があるか聞きたかったんだ。ルビスに嫌々やらされてるから、無理強いはしないよ。どうする?」
「な、何と!? この世界でおヌシは町を復興させてるのか……して、町の名は?」
「え……あ、あぁ……メルキド……だけど……」
グイグイ食いついてくる。顔を近づけるな!
「何とメルキドとな!!??」
「あれ、ダメ? メルキドって名前はダメですか?」
名前を聞いて大声を出される。ウザいよ、コイツ。
「ダメなわけない! 我が輩はメルキドを納めていたロロニアの末裔であるロロンド! 我が輩の持つこの本こそ、最も栄えたメルキドの事を書き残したメルキド録! メルキドの町を復興させるのであれば、我が輩とメルキド録は必要不可欠!」
「いや、メルキド録さえあればお前要らなくね?」
ウザいオッサンに冷たく接し、大事に抱えてる本に手を伸ばす。
「バカを申すな馬鹿者! このメルキド録は難解な文字で書かれており、我が輩の様な博識な者にしか読み解けない代物なのだ!」
凄ー怒られた。
流石に大事にしてる本だけ奪って帰るなんてしないけど、俺との温度差に気付いて欲しいんだよね。
とは言え、町の復興に並々ならぬ情熱を持つロロンドを、新生メルキドへ連れて帰る事になった。
人手が必要なのは解ってるんだけど、ピリンとの甘い生活に邪魔者が入るのは嫌だなぁ……
行きは人(ロロンド)を探すのに意識が行ってて気が付かなかったけど、ここら辺の木の根元にはキノコが多数生えている。
そのままじゃ食べられそうにないけど、調理すれば良い食材になりそうなので、帰りの途次採取しまくる。
だが早くメルキドに行きたいロロンドには俺の行動が苛つくらしい。
「おヌシはキメラの翼を持ってないのか?」
「キメラの翼? 使用すれば瞬間移動出来るって代物か?」
そんな便利アイテムあるの!?
「その通り。我が輩の持つメルキド録に製造法が書いてあった」
「教えろよ、その製造法を!」
ルーラさえ使えれば問題ないんだけど、ルビスのアホが魔法の設定を忘れたから……
「うむ、教えるのは構わぬがキメラの翼が如何な効果を持っているか説明しておこう」
偉そうにヒゲを生やした、偉そうなオッサンが、偉そうにキメラの翼を騙りながら、偉そうに俺の前を歩く。
ルーラと同じだろうに……と思っていたが、少しばかり違うらしい。
まず大きな違いは“一方通行”と言う事だ。
キメラの羽を5個集めて、それを作業台で加工しキメラの翼にすると、加工した場所を記憶するらしく、その場所にしか瞬間移動出来ない。
つまり一度行った場所に自由に行き来出来るのでは無く、瞬時に拠点へ帰る事が出来るだけの代物と言う事だ。
更には、4~5人であれば身体の一部に触れているだけで、1つのキメラの翼で移動出来るらしい。
それでも便利なアイテムである事は事実。
大至急作りたい意思を伝えると、キメラの群生地をピリンの地図(ロロンド探索用の手書き地図)に、追加する形で書き込んでくれた。
その場所ってのが、拠点を越えた先の山脈地帯だったりする。
大急ぎでロロンドを拠点に連れて行くと、ピリンとの挨拶もそこそこにキメラの群生地へダッシュする。
まぁお互い子供じゃないんだから、勝手に自己紹介とかして知り合いになるだろう。
あのロロンドも、偉そうではあったが悪い奴じゃなさそうだし、大丈夫だと信じよう。
さて、やって参りましたキメラの群生地。
早速棍棒を振り回してキメラ狩りっす。
キメラ1匹につきキメラのはねは1本しか手に入らない為、大量にキメラの翼が欲しい俺は、違法なんじゃないかと思える様な乱獲模様を繰り広げる。
時折モンスターの卵なるアイテムを落とすキメラが居り、子を宿した雌キメラを殺してる様で嫌悪感に苛まれる。
それでもキメラの翼は欲しいから、寝る間も惜しんでキメラ狩り!
キメラの羽を50本くらい入手した所で、近辺にキメラの姿が見当たらなくなる。
山の上に目をやると、そこには数匹のキメラの姿が……
寝不足を感じさせない身のこなしで小高い山に登るのはイケメンな俺。
肉体だけは若返ってるから、身のこなしも軽やかなのさ。
山の上に上がると、極悪非道なキメラの乱獲再開。
更にキメラの羽を20本追加したころ、目の前の1匹が山の下(拠点とは反対方向)に逃げ出した。
もう十分採取したと思うモノの、逃げられると追いたくなるのは虚しい性。
深追いは危険だと生前の父さんに教えられていたのに、愚かなイケメンは深追いを止められない。
そして、何か柔らかいモノを踏んづけ、激しく転倒してしまうイケメン。
イケメンは何をやっても似合うはず……そう思いながらも、踏んづけてしまったモノを確認する。
うん。先人の教えには従った方が良いって教訓だよね。
何と踏んづけたモノとは、大きな緑色のドラゴンの尻尾だったよ(笑)
いや~ん……とっても怒ってらっしゃる、このドラゴンさん!
リュカSIDE END
後書き
素材集めで徘徊してたら、突然ドラゴンと遭遇してしまいボロ負けした経験のある私です。
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