転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1274話
第2防衛ラインまでもう少しという事で、ナデシコの後を追ってきたデルフィニウム部隊のパイロットを殺さずに無力化するという方法で殆どをどうにかしたのはいいんだが……今現在俺の視線の先にいるのは、何故かジュンが乗っていると思われるデルフィニウムを羽交い締めにしているテンカワのエステバリスという光景だった。
「あー……テンカワ? お前には確かナデシコを守るように頼んでおいた筈だけど、何でディストーションフィールドの外に出てるんだ?」
『何言ってるんだよ、そもそもディストーションフィールドの中にいたら、何も出来ないじゃないか』
いや、それは知っている。
それを承知の上でテンカワにはナデシコの側に残って貰ったのだから。
そもそも、IFSはあっても専門的な訓練を受けている訳じゃない以上、出来ればテンカワにはあまり戦場に出て欲しくないというのもある。
足手纏いになるというのもそうだが、まだテンカワはコックとパイロットのどちらを選ぶのかきちんと決めていない。
パイロットの方を重視するのであれば今からでも鍛えた方がいいのだろうが、コックになる場合、こう言っては何だが手が血に塗れているというような風になってしまうと、テンカワとしても色々と思うところがあるだろう。
そう考えての決断だったのだが……まさか、自分から出撃してくるとは思いもよらなかた。
ふと出撃前のやり取りを思い出す。
テンカワが好意を……それが明確な恋心か、それとも単純に大人の女への憧れなのかは分からないが、ともあれ好意を抱いているエリナに少し話し掛けられていた事を。
もしかして、あの件でエリナにいいところを見せようと思ったとか言わないよな?
まさか、まさかとは思うものの、テンカワの年齢はまだまだ青春真っ盛り。
それこそ、青い春と書いて青春と読むくらいなんだから、恋心や憧れが暴走したとしても不思議じゃない。
それと、俺への対抗心とか。
この場合の対抗心は、ヤマダと違って俺の操縦技術とかじゃなく、エリナの注意が俺へと向いている事だろう。
……実際は、ネルガルから俺のフォロー役兼監視役としての役目を与えられているからに過ぎないんだけどな。
「とにかく、ジュンの機体を押さえたのはいいものの、そこからどうするつもりだ? 引き返させるなら、とっとと機体の一部を破壊して小破にでもしてやれよ」
『ふざけるなっ! 僕は……僕は……ユリカを連合軍の敵にはしたくないんだ! 君達の思い通りにさせて堪るものか!』
俺とテンカワの機体で行われていた通信が、テンカワの機体を経由してジュンの機体に聞こえたのだろう。思い切り不服そうな声が聞こえてくる。
しょうがないと判断し、オープンチャンネルへと通信を変える。
「お前の望みと艦長の望みは違う。それを理解した上で、そうやってナデシコの邪魔をしているのか?」
『当然だ! 今のままだとユリカは地球の敵になる! そんな真似は僕が絶対にさせない!』
……いや、地球の敵になるのは艦長だけじゃなくてナデシコ全体。それも、連合軍が欲しているミロンガ改に乗っている俺の方がより集中的に敵扱いされるんだろうけど。
まぁ、ジュンにとっては殆ど関わってきたことのない俺より、自分の好きな女の心配をするのが当然か。
「テンカワ、任せた」
『ええっ! 俺かよ!?』
「いや、だってその機体を鹵獲したのはお前だろ? ならどうするのかお前が決めろ。機体を小破にしてそのまま放り出すなり、ナデシコに連れて行くなりな。ただ、時間がないぞ」
『残り、1分切りました』
俺達の通信を聞いていたのだろう。丁度タイミング良くルリがそう告げてくる。
「そういう事だ。……ああ、いや、でも軍事衛星から発射されるミサイルは俺がどうにかするんだから、お前は別に何かをする必要はないのか。それなら、どうとでも好きにしろ」
『おいっ、丸投げかよ!』
「勿論。そいつはお前が捕らえたんだから、お前がどうするのか決めるのが当然だろ。ま、どうしても放り出したくなったら、それこそブリッジにでも聞けばいいんじゃないか?」
そう告げると、テンカワが難しい表情を浮かべるのが分かる。
何だか自分の事を勝手に決めるなとジュンがギャーギャー騒いでいるようだが、捕虜の分際で何を言ってるんだって言いたいのは俺だけじゃない筈だ。
「それでブリッジ、俺はどうする? このままディストーションフィールドの前に移動してミサイルを無力化すればいいのか? それともディストーションフィールドの中で?」
『え? あ、その……外でお願いします! 今回みたいに何か不意のトラブルがあった場合、ディストーションフィールドの内側にいれば反応が遅れますので』
艦長の言葉に頷き、そのままテンカワのエステバリスとジュンのデルフィニウムをその場に残し、ついでにまだ何か話していたオープンチャンネルを切ってナデシコの前方へと向かう。
にしても、いつもはパイロットスーツを着ないで機体に乗っているだけに、このパイロットスーツ、邪魔だな。
出来れば脱ぎたい……が、まさかこの状況でパイロットスーツなしでミロンガ改を操縦しているのをブリッジに見せる訳にはいかないしな。
いずれシャドウミラーの正体が明らかになれば、こんな事を考える必要もなくなるんだが。
それにはまず、どこかにゲートを設置する必要がある。……どこに設置すればいいのかはまだ分からないが。
そんな風に考えながら、ミロンガ改はナデシコの前方へと到着する。
幸いまだ第2防衛ラインへと到着してはいなかったので、ふと気になってオープンチャンネルで背後の痴話喧嘩……痴話喧嘩? まぁ、似たようなもんだろうし、その痴話喧嘩の様子を窺う。
『まだユリカの騎士だってきちんと決まってる訳じゃないだろ。それは、別に俺だけの役目って訳じゃない』
『それも……ナデシコでは自由だって言いたいのか?』
『ああ。それに、何か勘違いしているようだけど、別に俺はユリカの事なんて……』
『え? もしかして君には他に?』
『どうなんだろうな。まだ俺自身はっきりとは分かんねえよ。その人だって他に気になる相手がいるみたいだし』
『そうか。……君も苦労してるんだな』
『お前の方が苦労していると思うけどな。ユリカとずっと一緒に行動してきたんだろ? あいつの行動に振り回されてばかりだったんじゃないか?』
『それは……でも、それが楽しかったのも事実なんだよ』
うん? 何だかいつの間にかすっかりと和解している。
こっちとしては嬉しい限りなんだが……何か、夕日の下の河原で殴り合って、やるな、お前もな的な展開のように思えなくもない。
ともあれ、こっちとしては後ろで妙な真似をされないで済むというのは助かる。
『アクセルさん。ミサイル、来ます』
相変わらずのルリの冷静極まりない……というか、感情が殆ど乗っていない声が響く。
その通信を聞き、映像モニタの方へと視線を向ける。
すると、そこにはやがて無数のミサイルが映し出された。
そのミサイルの数は、100発を優に超えている。
このミサイルだって無料じゃないだろうに。それをここまで大盤振る舞いするのは、それだけナデシコとミロンガ改を欲しているという事か。
いや、正確にはこっちの勝手を許したくないってのが正確なところか?
ともあれ、幾ら無数のミサイルを撃ってきても、一方向からだけであればこっちとしては全く問題ない。
ナデシコの進行方向にミロンガ改は存在し、そのままジャマーを起動。
すると次の瞬間には、こっちに向かっていた全てのミサイルがあらぬ方向へと逸れていく。
……100発を越えるミサイルの全てが逸れていくってのは、ある意味見物だな。
そうしてナデシコが進み続ける。
軍事衛星を操作しているのが誰なのかは分からないが、今の光景は余程意外だったのだろう。ナデシコが軍事衛星の近くを通っても、全く反応がなくなっていた。
もしかして、実は自動操作とかだったりしないだろうな?
いや、軍事衛星からのミサイルは、下手をすれば地上に降り注ぐ可能性もあるんだから、人が操作しているとは思うんだが。
『アクセルさん、また来ます』
ルリの声に視線を軍事衛星の方へと向けると、そこでは再びナデシコに向かってミサイルが発射されていた。
やっぱり自動操作とかじゃなくて、きちんと人が動かしているな。
軍事衛星がぼけっとしている間にナデシコが移動し、今回ミサイルで狙われたのはナデシコの横腹。
ルリの言葉に従い、ミロンガ改をナデシコの真横へと移動し、ジャマーを発動。
すると当然ミサイルはあらぬ方向へと飛んでいく。
考えるまでもなく、ジャマーを積んだミロンガ改って凶悪なまでの対ミサイル用兵器だよな。
ジャマーの範囲外へと着弾するようにミサイルを撃っても、ミロンガ改の機動性、運動性はミサイルの発射を確認してから移動しても十分に間に合う。
まぁ、全方位から一斉にミサイルを発射したりすれば話は別だが、少なくても今この状況では軍事衛星は1つしか存在していない。
「……うん?」
そこまで考え、ふと気が付く。
いつの間にかテンカワのエステバリスの姿がディストーションフィールドの外にはない。
それどころか、ジュンのデルフィニウムも姿を消している。
「ブリッジ、テンカワとジュンはどうした?」
『あの2人なら、既にナデシコの格納庫に収納済みです。テンカワさんのエステバリスは、またすぐに出撃するとの事です』
メグミの言葉に、微妙に納得してしまう。
なるほど。結局ジュンはナデシコに戻る事にした訳か。
そう言えばさっき少しだけ聞いたオープンチャンネルで話していた感じだと、あの2人は分かり合ってるように見えたしな。
『アクセルさん、ナデシコ後方に移動をお願いします』
「了解」
ルリからの指示に従い、ナデシコの後方へ。
ナデシコの移動速度を考えると、これ以降は後方からしかミサイルが撃たれるような事はないだろう。
そのままジャマーを起動してミサイルを破壊し、取りあえずすぐにナデシコが危険になるという事態は避けられた。
「ブリッジ、俺はどうすればいいんだ? このまま暫くナデシコの背後で軍事衛星から撃たれるミサイルをジャマーで妨害していればいいのか?」
『はい、そうしてくれると助かります』
微妙に嬉しそうな笑みを浮かべて告げる艦長。
さて、この嬉しさは何からやってきた嬉しさだろうな?
やっぱりテンカワが無事に戻ってきたからか? それともジュンがナデシコに戻ってきたからか?
……にしても、本当に今更だが、ジュンがいつ連合軍に戻ったのかと考えれば、多分この前のチューリップの騒動の時だ。
あの時、ナデシコ側の代表として向こうの戦艦に出向いたのだろう。
ただ唯一疑問だったのは、あのチューリップの件が終わってから今まで誰もジュンの存在を気にしなかった事。
影が薄いというのは分かっていたが……そこまでとは。
いや、それを言うなら俺も気が付かなかったんだけど。
そんな風に考えている間に、ナデシコは目標のバリア衛星へと到着する。
『ではアクセルさん、これから私はハッキングを開始しますので、その間ナデシコの防御をお任せします』
「任せろ。ミサイルくらいなら何とでもなる」
『助かります』
うん? 少し……ほんの少しだけだが表情が以前よりも和らいだか?
普通に見ているだけでは全く分からないだろう表情の変化。
霞との付き合いがあるからこそ、その辺を理解出来た……と言ってもいい。
ナデシコからのハッキングが開始されたのだろう。展開されているビックバリアが次第に点滅し始める。
……随分と早いな。
ハッキングってのは、今から始めます、はい出来ましたって感じで終わるようなものではないと思うんだが。
いや、ネギま世界の電子精霊とか使えば話は別かもしれないけど。
その力が欲しくて長谷川をシャドウミラーに勧誘してるんだし。
ともあれ、このハッキング速度はかなりのものだ。
それこそ、電子精霊に匹敵するかのような。
どうやら、俺がこの世界で欲する技術はこっち関係でもありそうだな。
「……またか」
再びこちらに放たれたミサイルに気が付き、ジャマーを使用してミサイルを逸らす。
あ。
逸れたミサイルの何発かがビックバリアにぶつかって爆発した。
まぁ、それでどうにかなる訳ではないだろうが、ちょっと予想外だったな。
ジャマーで逸れた場所がどこに飛んでいくのかというのは、こっちでどうにか出来るようなものじゃない。
その辺を考えれば、不可抗力というものだろう。
そのまま1分程。再びこっちに向かって放たれるミサイルはないまま、時が過ぎ……やがて地球を覆っていたビックバリアが、ナデシコのいる付近だけ消えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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