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シーザーが東方の世界に転生!?

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04 愛が重い…。



あれから数千年が過ぎた。どうやら、ここの住人は妖怪の出す“穢れ”という物に触れなかったら永遠に老いないらしい。なんとも羨ましい。そして、俺もそれに近い存在になってしまった。ここに住み始めて、兵士としての始めての訓練でロープに登ってたら頭から地面に落ちた。それなのに、頭が少し痛いくらいで死ななかった。それに、こう数千年もここに来た当時のままだ。

「いろいろあったな…。」

数千年の間にはいろいろあった。神の子供が産まれる時に立ち会ったり、街に侵入しようとする妖怪達をボコしたりといろいろあった。それより、何よりも…

「どうしたの?シーザー。」

「あぁ…。何でも無い。」

俺にも彼女が出来た。初めて妖怪と戦った時、助けたあの少女兵士と正式に交際するようになった。名前はサキ。家事全般をこなせ、人格も良いのだが、ただ一つ欠点がある。それは…

「あ、そうだ。何でメール読んでくれないの?」

「ッッ!」

「何か隠し事してるの?私達、恋人なんだよ?それなのに…なんでなの?オシエテシーザー…。」

ゾクッ

途轍もなく愛が重い。俺と恋人になって彼女は兵士を引退して家事に専念してくれるが…今日のメール履歴、見るか?

メール数:584件
着信:92件

スクロールしても…

サキ
サキ
サキ
サキ
月夜見様
サキ
サキ 

恋愛ってこんなに疲れる物なのか?あ、月夜見様から一件あった。

差出人:月夜見様
件名:お会いできませんか?

もし、お暇なら今夜の8時30分に
二人きりでお会いできませんか?
少しお話したい事があるので。
お待ちしています。

P.S  出来れば様付けはやめてくれ
ませんか?なんか他人行儀みたいで
話辛いので。

マジか。今の時刻は8時ちょうど。こいつから逃げるにはかなり時間がかかりそうだ。

「少し、今から用事があるn「他の女の所?」月夜見様の所だy「月夜見様と【ピー】や【放送禁止用語】とか、【この文章は大変過激な為ゴミ箱にシュートされました】するんでしょう!?」くっ…!そんな事は無ェ!」

ダキッ

「え?」

「俺はお前だけを愛している。そんな事する訳無いだろ!」

「ふ、ふぇ~」///

サキは顔を真っ赤にして倒れた。こいつは攻めは得意だが、守りは皆無に等しい。

「よし、行くか。」

ここから月夜見様の居るビルまで徒歩で10分程度だ。走って行けばそれなりに余裕だろう。

「行って来るぞ。」 

ーーーーーーーーーーーー

ガチャッ

「来ましたか…。」

月夜見様は部屋で椅子に腰掛けていた。

「掛けてください…。」

「はい。」

俺は反対にある椅子に座る。月夜見様は何やら真剣な顔をしていた。

「ここに貴方を呼んだのは…これについてです…。」

バサッ

厚い紙の束が目の前の机に置かれる。それの表面にはこう書いてあった。

:月面移住計画

「やはり…!」

「五十年前からそれは計画されていました。これは貴方達、兵士にも関わる大事な事です…。」

最近、穢れが増えて来ている。この事には俺も薄々勘付いていた。街の周りの妖怪が消えた事から、妖怪達は一点に集まっているのだろうか。

「俺も…妖怪達と戦うんですね?」

「はい…。兵士全員が総出で妖怪と戦闘します…。」

「そうですか…。」

俺もここの兵士だ。戦う覚悟は出来ている。俺達がここまで訓練してきたのはこれの為だったのかもしれない。

「計画はいつ実行ですか?」

「一週間後です…。」

「それなら、今の内に訓練しといた方がいいですね…。失礼します。」

「はい…では…。」

バタン

それなら、戦うまでだ。どうせ俺は一度死んだ身。死ぬのは怖くない。だからこそ、ここの人達に恩返しをしたいんだ。

移住計画実行まで…あと7日


続く

 
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