ソードアート・オンライン ~story of Liebe~
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第1話
朝、誰にも起こされることもなく普通に起き上がる。階段を降りてリビングに行くと母親が仕事に行く準備をしていた。
「あ、蒼空。おはよう。ごめんね入学式なのに……今日仕事が入ってて」
「いいよ母さん、忙しいもんね」
母親は忙しいことが多く帰りが遅いのが当たり前になっている。父親はいないわけではないがいないようなものだ。海外でIT系の仕事をしているため帰ってくるのは毎年2、3回程度。家にいることはほとんどない。
「ありがとう。今日も帰り遅いと思うから申し訳ないけど晩御飯任せるわ」
「分かったよ、行ってらっしゃい」
母親は家から出て仕事に行った。時刻は7時になったばかりだった。
時計を見て慌てて朝の支度をしてから飯を作り始める。こうやって飯を作り始めたのは小学校5、6年の頃だった気がする。
飯を食い終えると7時半を過ぎていた。「行ってきます」と言いながら外に出ると
「行ってきま~す!」
雲一つない綺麗な空の下で元気な声が響いた。
「私友達待たせているから先行ってるね」
そして二人のうち一人の少女が走ってくるのが見えた。先に来たのは姉の藍子だった。そして俺の横を通り過ぎるとき止まって「おはよう蒼空くん、妹よろしくね」と言ってすぐ去っていった。
「蒼空おっはよー!」
と次に妹の木綿季が飛びついてきた。
ええい、朝から騒がしい
「朝から会うなんて奇遇だね!」
「学校行っているときはほぼ毎日会っているだろ」
「冷たいなぁ蒼空は」
「ほら、早く行くぞ」
「おー!」
片手を挙げて言う。なんでそんな元気なの?
この元気なおてんば娘は紺野木綿季。俺の小さいころからの幼馴染で基本的に元気。さっき走っていったのが姉の紺野藍子。しっかりもので面倒見がいい人だ。二人は双子だが性格は全然違う。
なんでこんなに違うんだろうね。
「……なんか変なこと考えているでしょ?」
「いいや別に」
なんて感のいいやつなんだ。
そんな風に喋りながら歩いていた。
「ところでさ、クラスどこになるか確認した?」
「いいやまだだけど?もう出されてるの?」
「出されてるらしいよ。気になるね!」
「いや、別に先生が良ければどこでもいい」
「えぇ!?そこは『木綿季と一緒なクラスがいいな』とか言えばいいのに素直じゃn「うっさい」いたぁ!?」
調子に乗り始めたのでデコピンしときました。
「学校着いたらクラス確認しに行くぞ」
「……はい」
なんだかんだ喋っているうちに学校に着いた。クラスを書いてある紙が貼られている掲示板の周りに多くの人が集まっていた。
それにしても凄い人だかりだな……。見に行く気にもなれん。
「あ、あそこに書いてあるのかな!?行こうよ蒼空!」
お前はバカなのか?
「お前はバカなのか?」
「な、バカとはなにさバカとは!?」
「あれま、つい声に出ちまったぜ。てへ★」
「うわ、うっざぁー……」
「まぁ、行くなら俺の分も見てきて」
「え、一緒に行かないの?」
あんな密集地に連れていく気なのこの子?俺をいじめる気なの?
「俺あんまり人多いところ好きじゃないし見てきてくれ」
「じゃあ、今日のお昼代よろしくね!」
と言って走っていく
なんで俺がお前の昼飯代奢らなきゃいけないんだよ……
はぁとため息ついてると木綿季が戻ってきた。
「なんだ、意外と戻ってくるのが早いな」
「近くにクラス見た友達いたから聞いてみたら答えてくれた」
「そうか。じゃあ、今日の昼飯代はナシだな」
「えぇ~!なんでさ!」
「ズルしたからだ」
ケチとか文句言ってるけどお構いなし
「結局どこのクラスになるんだよ」
「えっと、Aクラスだよ」
この学校は部活による成績、進学による成績もほどほどによく文武両道がしっかりできる学校として人気なのである。
学校の教訓は質実剛健らしく、中身が充実し心身ともにたくましくという意味だ。
また、スカラーシップ制度として成績優秀者は学費を安くするらしい。これは1年ごとに決めるので3年間安くするには常に成績上位でなくてはならない。
そしてそのスカラーシップ制度を受けれた人はAクラスになる。
「つまり制度受かったんだな」
「これで伯母さんの苦労を減らせるよ」
木綿季はある病気で両親ともに亡くしていて、今の育て親は伯母さんになっており学費や食費を出してくれているそうだ。
伯母さんは子供をほしがっていたが中々生むことができなかったらしく、『子供ができたみたいね』と喜んで育て親を引き受けてくれたらしい。
「多分藍子さんの方も大丈夫だろ」
「まぁ、姉ちゃん頭いいからね」
藍子さんは別の学校に進学したらしく(理由は友達が多いからとかなんとか)、そこのスカラーシップ制度を狙っているらしい。
「後でメールしとこ」
「おい、早くクラス行かないと遅れるぞ」
「は~い」
そして俺たちは自分のクラスへ向かった。
クラスに着くと沢山の生徒がいた。大体40人くらいだろう。
「知らないやつばっかりだな」
「あ、座席表が書いてあるよ。蒼空のとなりになってないかなぁ」
「いやいや、そんなわけ」
そんな簡単に思い通りになるはずがないだろ
「あっれ~おっかしいなぁ……」
俺席間違えたかな?
「全然おかしくないですよ蒼空さん」
と隣に座る木綿季が自慢げな顔で言ってくる。
この顔、殴りたい。
その後に担任が入ってきた。それと同時に生徒たちが席に着き、全員座ると話始めた。
「えー、生徒みんな改めて入学おめでとう。今日からこのクラスの担任になった……」
と話始めた。それからは定番の自己紹介が始まった。
「紺野木綿季です!好きなことは……ご飯食べることかなぁ、えへへ」
周りから笑い声が出始めた。
こいつは一気にアホな子になったな……
「あ、体動かすことも好きです!将来の夢は決めてないけど誰かの役に立つことしたいと思っています。みんなよろしくね~」
と元気に終わらせた。
あのお菓子のように最後まで元気たっぷりだな。
「じゃあ、最後の自己紹介やろうか」
うわ、なんかプレッシャーかかるな……となりのやつはにやにやしてるし。
こら、その顔止めなさい。
「えー、篠崎蒼空です。好きなことは機械を触るか本を読むことです」
となりの木綿季の表情が変わる。
その残念な子を見るような顔止めてくれるかな?
「趣味は料理をすること、かな。将来の夢は……医者になることです。よろしくお願いいたします」
将来の夢を言った瞬間、木綿季が驚いた表情をした。
なんか俺へんなこと言ったか?
自己紹介も入学式も終わってからの帰り道。木綿季と昼飯を食べているときのことだった。
「そういえばお前もう人に囲まれてたな。無理して俺と帰らなくてもよかったのに」
入学式が終わってから木綿季の周りには沢山の人が集まり会話をしていた。俺が帰る途端にその輪を出て俺を追いかけてきた。
「だって一緒に帰らないとお昼奢ってもらえないじゃん!」
「奢る気さらさらねーよ」
「そんなぁ~……」
木綿季はがっくしと肩を落とす。
「ところで、なんで俺が将来の夢を言ったとき驚いた顔をしていたんだ?」
「……気づいてたの?」
「まぁ、一応」
木綿季は少し間を置いてから話し始めた。
「いや、蒼空にしては意外な夢だなぁと思って。……蒼空は約束忘れてるだろうし」
「言いたいことがあるならはっきりといいな」
「いや、なんでもないよ!それよりそろそろ帰ろ!お昼代よろしくね~」
と言って店の外に出ていく木綿季。
さっきの話とか昼飯代とかさ、なんで勝手に話を進めるのかなあいつは。
「ったく、しょうがねーな」
俺が忘れてるだって?そんなわけないだろ
お金を払って店の前で待つ木綿季のところに行く。
「俺は忘れた事なんて一度もないぞ」
「え、どしたの急に?」
「なんでもない、帰るぞ」
木綿季を置いて先に歩き出す。
なんであんなこと言ったんだろうな。
「ちょっと待ってよ~!」
これから先、忘れることはないだろうな。木綿季が忘れるまでは……ね。
後書き
下手かもしれませんが頑張ります。
次はキャラクター説明します。
誤字脱字あるかもしれませんが意見などで言ってもらえると嬉しいです。
温かく見守ってください笑
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