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ゴブリンになった・・・・・死ねってこと?

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一日目~四日目

一日目

俺の名は鈴木健吾。彼女無し=25歳で平凡なフリーターである。世間一般的に就職できていない俺は負け組に属されるだろう。家族では親や兄妹達の視線が痛いが、俺はニートよりはマシだろうと反論している。家族も俺の言い分に対してある程度は納得してくれているが、早く真面な職種につけと言われてるので、そこは俺も反論の余地もない。

いつものようにバイトが終わって、余った時間をMMORPGを二、三時間ほどプレイして俺は就寝する。これが俺の現在のライフスタイルだ。早く、次の休日はまだかなと思いながら寝た俺だが、次に目覚める……と言ってもまだ睡魔の方が強いので、ウトウトとして視線を合わせると醜い緑色の生物を発見する。

所謂、ファンタジー世界の定番ともいえるゴブリンだなと理解した途端に俺は睡魔に負けてまた寝るのであった。

二日目

次に目を覚ますと俺は絶望する。だって俺の目の前に寝ている醜い緑色の赤ん坊は、ゴブリンなのだから。そしてどうやら俺もゴブリンになってしまったようだ。

おい、まてや!俺がいったい何をした!確かに俺は、大学卒業後に就活に失敗してフリーターになってしまった負け組の人間だけど、俺は特に世間様に迷惑をかけるような暮らしはした覚えはない。MMORPGを趣味とするただの一般人ですよ俺は!?それが何でファンタジー世界で最弱な部類に属されるゴブリンに転生する羽目になるのよ!俺に死ねって事かよ!!RPGでも定番の雑魚キャラに転生して何が特なんだよ。

神様を信じてるわけじゃないけど……俺はいったい何をしでかしたんですか?マジで教えてくださいよ……いや、本当に。はあ~。いくら現実逃避してもゴブリンに転生した事実は変わりはない。今は赤ん坊だし何も出来ないから寝よ。あ、言っておくけど現実逃避じゃないからね。そこ重要だよ。


三日目

起きてみると俺は小学生低学年ほどに成長しました。ゴブリンって成長速度が半端ないんだなと驚くばかりだ。まあ、意識あるのに何年も赤ん坊プレイは流石に抵抗感が半端ないからな。なお、俺の人間としての価値観はゴブリンとなった現在ではほぼ消滅している。

理由は知らないが、どうやら価値観は現在の種族であるゴブリンにほぼ傾いているのだろう。何しろ人間時代の思い出もさほど未練が感じられないからだ。他にも昨日も年上ゴブリンから食わされた芋虫を何の拒否感もなく食えるからだ。つうか飯として普通に認識している時点で可笑しいだろうと思うよ。

人間の時の俺なら絶対に食えなかっただろうが、今なら問題なく食えた。そして普通に体を動かしてみると、やっぱり最弱種族なのか前世の人間の時と比べて現在の肉体スペックは遥かに低いようだ。

そういえば一人……いや、今は既にゴブリンだから一コブと言うべきか。俺と同じ時期に生まれた一コブは、凄くはしゃいでいた。木の棒をブンブンと振り回したり、シャドーボクシングを始めたり、ダッシュしたりなど他の個体と比べて凄い個性的だなと思った。

俺はえらくはしゃいでいるなと思ってみていた。俺は年上ゴブリンから謎の芋虫を貰って食らい。今日は新しい体に慣れるように時間を費やして寝たのだった。

四日目


働かざるもの食うべからず。年上ゴブリン達の配給制度が終わりを迎えた。俺と同時期に生まれたゴブリン達も、この事を年上ゴブリン達から聞いて「え~」といった表情だが、年上ゴブリン達からすれば「自分の飯くらい自分で取れ」と言った感じなのだろう。

そういわれて、もう芋虫をタダで食えないと分かると同期のゴブリン達は狩りに出かけた。昨日騒いだゴブリンは同期の中で一番ガタイが良い個体を連れて狩りに出かけた。他の面々は個人で狩りにいったのに、なんか知らないが、あの騒がしいゴブリンには親近感がわくのはどうしてだ?謎だ。

そう思いながら俺は、外に出て適当に自分のサイズにあった木の棒を見つけてそれを装備して、獲物を見つけるように洞窟の外に出て森を探索。途中で木の実を見つけて、肉を食う前の腹ごしらえとして食った。悪くない味だと思う。

木の実を食べるために木に登って高い所にいた俺はある存在に気がつく。角を額に生やしたウサギ。俺はこいつをホーンラビットと名付ける。いま現在、俺が落下して頭を踏み砕く事が出来る距離にいたため、俺は躊躇なく飛び降りて、ホーンラビットの死角から首に向けて踏み抜いた。嫌な感触はしたが、ホーンラビット仕留める事に成功した。

出来れば直ぐにでも毛皮を剥いでぼろ布からチェンジしたいが、そういった装備を現在は所持してないので毛皮と骨ごと食らう事になった。

うん。毛皮が口の中にへばりつくのは嫌な感じはするが、久しぶりの肉に俺は感激した。芋虫もエビみたいな味がして食いごたえはあったが、生でもやっぱり肉だな。久しぶりの肉の味に感激して、無我夢中で食らうのだった。

角の方は食う事が出来ないので、木の棒よりましだと思う事にして俺の武器とすることにしよう。

[ゴブ八は一角獣の角(小)を手に入れた]

ん。変なアナウンスが流れたが、まあ気にしないでおこう。

それからもう一羽のホーンラビットを仕留める事に成功して、俺はその一羽を洞窟でじっくりと食う事にした。なお、俺がホーンラビットを洞窟に持ってきた事にあの騒がしいコブリンが驚いた表情をしていた。謎だ?

久しぶりに肉を食らう事が出来たので、俺としては満足だ。明日に備えて寝るとしよう。

 
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