エイリアン
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1部分:第一章
第一章
エイリアン
宇宙の遥か彼方でだ。彼はこう指示を受けていた。
「いいか、ネンデルカ=グリーザよ」
「はい」
髪は金髪で目は黒い。顔は彫が浅く鼻が低い。服は銀色のブレザーに似た上着にズボンだ。靴も銀色でネクタイも同じだ。その格好の彼がだ。
肘を畳んだ敬礼をしてだ。自分の前に立つ男に応えるのだった。
「これから地球に入りですね」
「そうだ。地球人を見てくれ」
ぞの男はグリーザに対して告げる。
「どういった者達かな」
「これまで調べたところでは外見は我々とですね」
「そうだ、殆ど違いがない」
男もそうだと彼に述べる。この彼は金色でセットにしている。やはり髪は金髪で目は黒い。そしてその顔の彫は低く鼻も低いものだ。
その彼がだ。こうグリーザに述べる。
「その彼等を調査してだ」
「逐一ですね」
「噂ではかなり好戦的だという」
男は危惧する顔になり述べた。
「そしてだ」
「はい、さらにでしたね」
「残虐だとも言う。若しそうした者達が宇宙に出れば大変なことになる」
「だから今のうちに調べてですね」
「対策を講じたい。それではだ」
「わかりました」
グリーザは再び敬礼をして男に応えた。
「今から地球に潜伏し調査をはじめます」
「頼んだぞ」
こうしてだった。彼は地球に潜伏したのだった。その場所はというと。
日本のだ。大阪という町だ。その町の調査も事前にしたうえで潜伏したのである。
大阪の天下茶屋という場所のアパートに入りだ。彼はその大阪で好まれている服を着た。それはラフなジーンズに豹柄の上着だ。その派手な柄の上着を着てみてだ。彼は畳の上で首を傾げさせて言うのだった。
「これが地球の服か。随分変わっているな」
そう思いながらも外に出てだ。仕事に向かう。潜伏しかつ生活費を手に入れ地球、地球人の調査の為にだ。仕事に就いたのである。
仕事はうどん屋だった。うどん屋に入ると白い服の親父に言われた。
「じゃあ今日も宜しくな」
「はい、わかりました」
敬礼と共に応える。しかしだった。
親父は彼のその敬礼を見てだ。苦笑いと共に言うのだった。
「おい、名前は」
「トム=スタンカといいます」
「そうだよな。で、スタンカさんよ」
「何でしょうか」
「確かアメリカ海軍にいたっていってたけれどな」
経歴はそうしたことにしているのだ。地球に潜伏する為であるのは言うまでもない。
「その敬礼は止めてくれよ」
「では地球の礼で、ですね」
「頭下げてくれるだけでいいから」
親父は実際に頭を下げる動作をして彼に話す。
「こうしてな。それだけでいいからな」
「それでいいのですか」
「ああ、いいぜ」
笑みでだ。親父は彼に話す。
「それじゃあいつも通りな」
「はい、うどんを茹でてですね」
「調理してくれよ。しかしな」
「しかし?」
「あんたアメリカ人なのにうどん茹でるの上手な」
地球潜伏にあたって地球というよりか大阪の文化を学んでだ。そうしたことも身に着けたのである。もっとも色々と学び抜けたこともある様だが。
「見所あるぜ。日本が好きか」
「はい、まあ」
事実を隠して答える彼だった。
「ですからここにいます」
「そうか。日本語も上手いし頑張りなよ」
「そうさせてもらいます」
こうしたやり取りをしつつだ。彼はうどんを茹でる。そうしてだ。
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