とある地下の暗密組織(フォートレス)
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第1話
ep.007 『赤く染まる幼い少女編 5』
「何をしてるんですか、立前さん?」
やっと魔王さまが終わる。
「なんか、こんな感じの方が再開した時に良いかなと思ったんだけど、叶くんにはあまり効果がなかったみたいだね。・・・・・・、あ。」
言い換えて、
「効果はいまひとつのようだ。」
マントをたたみ、普通の格好になった立前に一言。
「で、何で立前さんがここにいるんですか?」
昔の知り合いだ。彼女の事は、一番よく知っている人間なのかもしれない。
立前の顔がやたらと笑顔に、
「私、今ここの実験物になってるんだっ☆」
あまりにも衝撃だった。言葉が出ない。
「あと、私人間じゃなくなったからヨロシクね。」
「あ、ええ。」
「・・・・、エエエエエエェェェェェェエエエーーーーーーーーーッ!!?」
やっと思考が追いつく。衝撃すぎた。
(へぇ~。 何か面白いことになってきたねぇ~。)
「い、いや立前さん。 今なんて言いました、人間じゃなくなったっ!?」
夢絶は考えずに、がむしゃらに口を動かす。考えていることをすべて吐き出してているような状況だ。
「てことは、何ですかっ? なんちゃって感覚で人外になったんですかっ!?」
この人が突然に何かをすることがあるのは昔からだが、その毎度毎度に驚かさせられる。
「まあ、人外っていうのか、半人だね。英語だと、hybrid humanかな?」
続ける。
「今の私は、半分が機械なんだよ。 ほぉ~ら。」
そう言って、服をまくり上げる。
すると、まるでタトゥーの様な黒い文字がへその隣辺りにあるのが見えた。
「『シ 302』それが今の私の商品名なんだ。」
グサリと刺さる。
『今の』、その言葉が刺さった。それは俺と彼女の過去の話だから、今回は話さないでおくが、またいつか話す機会が来るだろう。
だが、この人物には引っかかることだ。
「今の? カナ☆リン、どういう事?」
(あぁ、めんどくさい。)
「自分で調べろ、情報屋。」
「オケー」
こういう軽さが、たまに怖い。
「で。」
と、立前が話を無理矢理戻す。
「さっき言ったけど私、人間じゃなくなって『ハイブリットアンドロイド』になったからよろしくね。叶くん。」
服を正しながら言う。
この人はこの人で、自由すぎる。
(ああ、)
夢絶は思う。
(どうしてこうも、俺の周りの年上の女性はこうめんどくさくて、話すのも疲れるようなのしかいないんだ。)
「それでね、やっぱりこういうカラダになったからにはね、何かとあるじゃない?」
(いや、知らねぇよ!)
と、心の中だけでのツッコミ。
さらに続け、
「最近だと改修とか、実験とか・・・・・・・、実験とか実験とかっ!」
何かを恨んでいるような雰囲気が言葉から伝わってくる。
「まあ、最近は結構楽になってきたんだけどもね。」
またがらりと雰囲気が変わり、軽くなった。
「それにさっきだって、『昔の同僚でもやれるんだろうな?』とか言ってきやがって。」
今度はかわいく見せたいのか、プンスカと怒り出した。
「それがやれなきゃ殺人を商売になんか出来ないのにねっ?」
慌てふためき
「ちょ、ちょ―っと待ってくれ立前さん。」
夢絶が警戒モードに移行する。
「どういう事ですか?」
「ん、どういう? 現在も実験は行われているの。」
君と私で。
「島崎 向子さんだけは、規格外。 まさかこの実験に暗部が絡んでくるとは、思ってはいたけど今回は例外だね。」
と、仁王立ち。
「叶くん、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・戦お。」
この部屋は全面真っ白。見る限りJAIM製のものはない。
それもそうだろう。彼女が言った限りだと、彼女が能力者という事になる。能力が使えるのなら、こちらにも勝ち目はあるだろうが、もしも彼女が遠隔攻撃を可能とする能力だったら、こちらに勝ち目はないかもしれない。
知ってた。この人はこういう人だ。
「戦えばいいんでしょう。・・・、あんたの事だ。」
身構え、片足を引き呼吸を整える。
「タイマンしかしてくれないんだろっ!」
「おい!」
連れに言う。
「何ぃ~、カナ☆リン?」
「絶対に、邪魔すんなよ。」
笑顔な回答。
「オォ~ケェ~、手は出さないよぉ~。」
戦闘開始。
両者歩幅約20歩の距離。近寄りがたいし、話から察するに彼女はアンドロイド化してしまっている。
「面白くねぇ、全く。」
ぼそりと口から出た。
直後、体が前に動き出した。地面を能力込みで思い切り踏み込む。その踏み込みは反作用して夢絶を上に、前に押し出した。
上空。彼女の視線はずっと夢絶の顔に向けて。
彼女も腰をひねり、跳躍の態勢。
夢絶が天井に吹き飛んだ。
真っ白色の天井に亀裂が入り、礫が落ちている。
全くに何が起こったか分からない。彼女が跳躍の態勢をとった瞬間に吹き飛ばされた。彼女は飛んで来なかった。
彼女は遠隔攻撃が出来るのか?
そう夢絶は思う。
落ちる。
今度は、見極めに徹しよう。
彼女が構える。今度は此方に走ってくるような体制。
「がんばれ、がんばれ。」
そう言って来る。そして、足を動かし始める。
迅速に夢絶の目の前まで来る。それまで20メートルほどあった距離をコンマ5秒でやってきた。
その時、ありえないことが起きた。
彼女が一瞬、目の前で止まったのだ。まるで一時停止したように、瞬間で。
同時に右耳から破裂する音。
その瞬間後、彼女は全く違う態勢で再生される。左足で綺麗な上段蹴りを、右耳から打ち、左耳に打ち貫くように。
吹き飛ばされ、瀕死。能力の質が超えられていたのか。
それはない。彼女は、自分をアンドロイドだと言った。能力を使えるのは、能力者だけだ。
それに、彼女は能力開発を受けて無い。
走馬灯ではないが、脳は普段の何十倍もの思考をしている。死ぬ直前だと思っているからだ。人間は死ぬ直前に脳が活性化するという。ゆえに走馬灯という言葉があるのだ。
地面に落ちる。吹き飛ばされてから着地までに56回現状何が起こったのかを考えた。結論は、解からない。
分からない。
「叶くん、」
立前が身体をそらし、視線をそらしながら言う。
「おつかれ。 実験の結果が出た。」
一体何を言っているのか分からない。
「今回は、私の勝ちみたいだね。 また近々会うと思うから、・・・・・・・・・またね。」
後書き
今回は、古参の方もこのサイトから見始められた方も衝撃だったと思います。
だ っ た と 思 い ま す !
<告知>
また、この際『フェニックス/不死鳥』さんと正式にコラボ(?)な事をしようと思っています。
これも衝撃だと思います。
こ れ も 衝 撃 だ と 思 い ま す !
参考
内容は、『フェニックス/不死鳥』さんの二次創作作品、『とある科学の裏側世界』のキャラクター達と、本二次創作作品『とある地下の暗密組織』のキャラ達でのコメディ&バトルになっております。
更新はまだですが、決定しだい報告させて頂きます!
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