転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1268話
チューリップの残骸が海中へと落ちていくのを見て、思った事は1つ。
「勿体ないな」
その一言だった。
いや、チューリップの残骸が勿体ないと言ってる訳ではない。
勿論その残骸も調べれば色々と得られるものはあるだろうから、それはそれで勿体ないんだが、そうではなくチューリップそのものが勿体ないんだよな。
正直、俺がこの世界で得ようと思っている最大の目的の1つがあのチューリップだ。
メギロートやイルメヤといった無人機を運用する上で、これ以上ない程相応しい艦なんだよな。
出来れば無傷で入手しておきたかった。
いや、実はチューリップの中に生き物がいたりすれば空間倉庫に収納するのは無理だったんだろうが……ただ、木星蜥蜴で分かっているのは無人機のみで構成されてるって事なんだから、その辺は心配いらないか。
まぁ、チューリップは惜しかったが、それはそれとして……
ミロンガ改の映像モニタに映し出されているナデシコへと視線を向ける。
まさか、あそこまでの攻撃力があったとはな。
正直、ナデシコの攻撃力を侮っていたとしか言いようがない。
チューリップを内部から破壊したのは、俺にも……そしてシャドウミラーの実働班であれば誰でも見覚えのある黒いビームのようなもの。
それは即ち、重力波砲……重力関係の武装であるのは間違いない。
どうやらチューリップ以外にもこの世界で得られる技術というのは結構多そうだな。
あの重力波砲は、かなりの威力を持っていた。
少なくても、ミロンガ改のビームマシンガン、ビームサーベル、エナジーウィングの刃状のエネルギー放出といった武器に比べてかなりの高い威力を持つのは間違いない。
S-11ミサイルなら同じくらいの威力を持つか? ……いや、あの威力を考えれば、S-11ミサイルよりも攻撃力は上のように思える。
エステバリスは攻撃力が低く、性能としてはそれ程高くなかった。
その辺を心配していたんだが、何の事はない。単純に攻撃力は基本的にナデシコが担う形になっていた訳だ。
……俺に取っては珍しい形での艦と機体の運用だが、それはそれでありなのか?
実際問題、エステバリスというのはナデシコの艦載機というよりは細かい防御を担う機体……というのが正しいのかもしれない。
そう考えれば、ナデシコから離れなければ動力切れがないというシステムにも納得出来る。
まぁ、対空砲火がないのは正直どうかと思うけど。
俺が知ってる限りだと、母艦の攻撃力が高いというのは変わらないが、それでもここまで圧倒的に機体の方に攻撃力を持たせないというのは珍しい。
もっとも、エステバリスを開発したのは民間企業のネルガルだ。コストとか、そっち関係も大きく関わってくるのは間違いないだろう。
それに、木星蜥蜴というのは基本的にバッタやジョロといった小型の無人機が主戦力だ。
それに対抗するのなら、エステバリスで十分という考えなんだろう。
そして、チューリップのような大物に対してはナデシコの重力波砲で十分、と。
運用の幅は色々と問題あるだろうが、対木星蜥蜴という限定で考えればそれ程悪くない選択なのは間違いない。
『アクセルさん、戻ってきて下さい。ここを離脱します』
ナデシコのメグミから通信が入る。
「ここを離れる? ……いいのか? 連合軍との交渉はどうなったんだ?」
『その件に関しては後で説明をするそうです。ただ、ここにいる必要はもうなくなったという事ですから、連合軍とぶつかる可能性を考えると、出来るだけ早く離れた方がいいと』
「まぁ、そう言うんならいいけど……取りあえず分かった。ナデシコに帰還する。荷物搬入口を開けてくれ」
テスラ・ドライブを使ってナデシコへと向かう。
近くにはまだ連合軍の戦艦が何隻かいたが、それでもこっちに何か手を出してくるような様子はない。
どうやらまともに戦ってしまえば勝ち目がないとして、こっちを好きに行かせるらしい。
それ以外にも向こうの提督はうちの艦長の父親だったという関係もあるし、その辺で娘に嫌われたくない親心ってのもあったんだろう。
あの通信内容を聞く限り、相当の親バカだったし。
寧ろ、テンカワの事を知ったら思いきり狙ってきそうな気がしないでもない。
ましてやお嬢さんを下さい的な事を言えば、それこそ反応弾……うん? ああ、何か似ているところがあると思ったら、オズマと似てるのか。
妹と娘という違いはあるけど、どことなく印象が被る。
そう考えると、アルトも大変だよな。ランカと付き合うとなると、オズマをずっと気にしないといけないだろうし。
そんな風に考えながらナデシコの近くへと到着すると、それに合わせて荷物搬入口が開く。
こうして考えると、やっぱり荷物搬入口からしか出撃出来ないってのは痛い。
今みたいに敵を倒した後なら別に問題はないんだろうが、出撃する時はどうしようもない程にピンチになるんだから。
荷物搬入口だけあって開くのもそれなりに時間が掛かるし、その隙に攻撃をされればナデシコ内部に甚大な被害が出るのは間違いない。
俺がナデシコに乗って活動する以上、その辺はよく考えないといけないだろうな。
ともあれ、今はこのままここにいてもしょうがない。
ミロンガ改の出撃については、後でウリバタケや艦長、副長辺りに考えて貰えばいいだろ。
本来ならパイロットからも意見を聞きたいところなんだが、ヤマダは俺を敵視……いや、ライバル視か? ともあれ、友好的な雰囲気じゃないから、相談してもいい返事を貰えそうにない。
もう1人のパイロットでもあるテンカワは、ウェイトを置いているのがコックの為か、戦闘に関してはあまり建設的な意見を貰えそうにない。
うーん……そうだな、ゴート辺りなら元軍属っぽいし、結構いい意見を貰えるか?
プロスペクターの方にもコスト的な面で話を聞く必要はあるだろうけど。
そんな風に考えながら格納庫へと向かうと、早速ウリバタケ率いる整備班がテンカワの機体を整備していた。
それは問題ない。問題なのは、もう1機……ヤマダの乗っていたエステバリスの方だった。
エステバリスの本体はコックピットであり、機体そのものは幾らでも替えが効く、服のようなものだ。
だからこそ、機体が幾ら壊されてもパイロットに大した被害はない。……まぁ、プロスペクターは悲鳴を上げるだろうが。
そのヤマダの機体のエステバリスだが、肝心のコックピットが損傷を受けている。
それも軽いダメージとか、そんなのではない。見ただけでかなり酷いダメージだと分かる程の損傷。
おい、まさか俺にああだこうだと言ってきた時、もうコックピットの中身はあんな感じだったのか?
映像モニタに映し出されていたのは顔だけだから全体は分からなかったが。
ともあれ、もしあの状態で俺と話をしていたのだとすれば、その時点でヤマダ本人もかなり大きな怪我をしていたのは間違いない。
我慢強い……と言うか、意地だな。
ミロンガ改を格納庫の所定の位置へと戻す。
もっとも所定の位置と言っても、実際にはエステバリスの運用を前提して作られたナデシコだ。格納庫のど真ん中に置けば邪魔以外のなにものでもない。
よって、ミロンガ改が待機しておく場所というのは、出来るだけ邪魔にならない場所……格納庫の端となる。
うん、今のナデシコの主戦力は間違いなくミロンガ改だってのに、微妙に納得がいかない部分がないでもない。
ま、その辺はしょうがないという事で、乗降ワイヤーで下に降りる。
面倒臭いよな、これも。
ホワイトスターでなら、混沌精霊としての力で普通に飛んでコックピットに出入りしていたんだが。
今言ってもしょうがない事ではあるが。
ともあれ、床に降り立つと真っ直ぐにヤマダのコックピットが置かれている場所へと向かう。
そこにいたのは、嬉しいような、残念なような、呆れたような、怒っているような、悲しいような……何と言うか、微妙な表情を浮かべた整備員の面々。
テンカワは……と探すと、こちらの姿もすぐに発見出来た。
ヤマダのコックピットの近くで安堵の表情を浮かべているテンカワへと近づき、声を掛ける。
「どうやら無事だったみたいだな」
「アクセル……うん、何とかな。そっちこそ、よくあの状況から無傷で帰ってきたな。俺の機体は結構ダメージを受けてるし、ガイの機体も……」
そう言いながら、ヤマダの機体へと視線を向けるテンカワ。
ガイ? と一瞬戸惑ったが、すぐにそれがヤマダの事を言っているのだと思い出す。
そう言えば魂の名前がどうとか言ってたよな。
俺は完全に覚えやすいヤマダで認識したが。
「ヤマダか。かなりボコボコにやられてたからな。……大体、海上での戦いになるってのに、何だって陸戦フレームで出撃したんだ? それも、テンカワとヤマダの2人共」
「あ……それは……ちょっと急いでいたから、成り行きで」
「……成り行き?」
こういう時にオズマだったら『ノリでほざいてんじゃねぇっ!』とか言って殴るんだろうな。
「いやまぁ、お前やヤマダがどういうつもりでパイロットをやってるのかは分からないが、お遊びでパイロットをやっていれば……死ぬぞ?」
一瞬……ほんの一瞬だけ殺気を出す。
「ひぃっ! ……え? あれ? 今一瞬何か……」
殺気を感じたのは一瞬だった為だろう。テンカワはその一瞬で怯えたような視線を俺の方へと向けるが、すぐに何で自分がそんなに恐怖を感じているのかが分からないといった表情を浮かべる。
そんなテンカワの様子を流し、聞きたかった事を口にする。
「それで、ヤマダは? あの整備班の様子を見れば、死んだ訳じゃないのは確からしいが」
幾らナデシコのクルーでも、人が死んで安堵や嬉しいといった表情を浮かべたりはしないだろう。
「え? あ、ああ……ガイなら元々骨折していた足を更に骨折、それもかなり重傷らしい。他にも腕とか肋とか、何ヶ所も骨折はしてるらしいけど……」
「けど?」
何故か途中で言葉を句切ったテンカワの様子に疑問を覚え、言葉を促す。
そんな俺の言葉に、テンカワは苦笑をしながら言葉を続ける。
「そこまで身体中を骨折しても、背骨とか頭蓋骨とか、命に関わる場所の骨折はなかったんだってさ。それと後遺症が残りやすい腰の骨も骨折はなかったって」
「へぇ。随分としぶといな」
「全く。何であそこまでしぶといんだろうな」
ヤマダに対しての憎まれ口を口にしているのは、やはり重傷ではあっても命に別状がないというのははっきりしているからだろう。
「暑苦しいのを死神も嫌ったんじゃねえのか?」
そんな風に俺とテンカワの話に割り込んできたのは、ウリバタケ。
どこか疲れた表情でいながらも、悲壮感がないのはやっぱりテンカワと同じような理由なんだろう。
「ま、そうだろうな。実際問題ここまで機体を……どころか、コックピットを破壊されて、それでも重傷ながら生きてるってのは凄いな」
「ああ。正直、俺もヤマダの機体が格納庫に戻ってきた時は、もう駄目かと思った。まさか、あの状況でも生きてるなんざ、どこまでも運のいい奴だ。……その運の良さの代わりに、俺達がこれから地獄を見るんだが」
ウリバタケの視線が向けられたヤマダの機体は、どこからどう見てもスクラップだ。
正直、これを修理しろと言うのなら、普通に新しい機体を用意した方がいいような気がする。
もっとも、エステバリスってのはネルガルで開発されたばかりの新型機だ。
どうしてもその分コストは高くなり、プロスペクターの胃を直撃することになるだろう。
「……あ、そ、そうだ。なぁ、アクセル。ガイの見舞いに行かないか?」
テンカワが話題を強引に逸らして告げてくる。
そうか、テンカワの機体もヤマダ程ではないにしろ大きなダメージを受けてるのは事実だ。
その辺を考えると、この場にはあまり長居をしたくないのか。
ま、折角助けたんだし、ヤマダの顔を見るのもいいかもな。
……向こうはライバル視している俺に見舞われても面白くないかもしれないが。
「おーおー、行ってこい。ただ、アクセルは少ししたら戻ってきてくれよ。ミロンガ改の整備とかしておきたいし」
「分かった。……まぁ、損傷は受けていないから、そこまで細かい整備はいらないと思うけどな」
「ばっきゃろう! 確かにお前の機体はバリアを装備しているから攻撃は殆ど当たってないかもしれないが、あんな無茶な操縦してるんだ。関節部分の消耗度が物凄い事になってる筈だぞ!」
……ああ、そうか。ミロンガ改の詳細は教えてないもんな。
俺の操縦技術を最大限に発揮すれば、当然その代償は機体にも……特に関節部分にいく。
それが理由で、グロウセイヴァーからニーズヘッグに乗り換えたんだし。
ただ、今の俺の機体にはTGCジョイントとPS装甲という2つの技術のおかげで、関節部分の損耗は以前程じゃない。
「分かったよ。じゃあ、取りあえず後でな」
「ああ。こっちも最初はエステバリスの方をどうにかしないといけないから、そうしてくれや」
「頼む。じゃあ、行くかテンカワ」
「分かった。……お見舞いの品って何がいいかな。やっぱりゲキ・ガンガーの何か?」
「その辺は任せるよ」
そう言いながら、俺とテンカワは格納庫を出て行くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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