SAO〜赤色の誓い〜
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プロローグ
前書き
初めまして、スナヒトと申します。
本日から、ソードアート・オンラインの二次創作を投稿させていただきます。
至らない点は多々あるかと思いますが、何卒、暖かい目で見守って頂けると、幸いです。
VRMMORPG。
この言葉を聞くと、まず何を思い浮かべるだろうか?
本屋のライトノベルの棚にある、変なおっさんが表紙の小説だろうか?
それとも、何かのジャンルの名前と思うだろうか?
VRMMORPG。
これを聞いて、俺が真っ先に思いだすのは、2年前のあの興奮だ。
忘れもしない、あの日、とあるゲームタイトルが、世間一般に公表された。
SAO……ソードアート・オンライン。
MMORPGには必須と思われていた魔法要素を大胆にもカットし、代わりに『ソードスキル』なる、言わば必殺技の様な物が大量に用意されている、己の手で、足で、世界を冒険する。
VRMMORPGと言うゲームジャンルの、記念すべき一作目となるゲームだ。
もちろん、俺もその時ばかりはキャラが壊れ、大興奮したものだ。
相方の、とある少女に苦笑いされても、その時の俺は気にしなかった。
そして、意外にも乗り気な相方と共に、ソードアート・オンライン……通称SAOの代用ハードであるナーブギアを買いに行ったり、相方と遊んだりと、結構充実した毎日を送っていた。
しかし、神様は少しばかりイジワルだった。
相方である彼女はSAOを買えた。
……その店の、最後の一本というギリギリで。
俺は、彼女の後ろに並んでいた為、SAOを買うことが出来なかった。
もちろん俺は悔しかった。
あれほど何かに興奮したのは久々だったし、相方の彼女と一緒にオンラインゲームと言うのも乙だと思っていたからだ。
だが、現実は現実。
俺は、俺よりも悔しがっている彼女を何とかなだめ、またソフトが入荷したら、その時こそは一緒にやろうと約束し、SAO製品版の、正式サービス開始の日時になった。
彼女は、この時ばかりは笑みを浮かべ、1時間ほどでログアウトすると言い残し、SAOの中へと旅立った。
俺は、彼女の頭を優しく撫でながら、それを見送り、1時間ほど彼女を眺めて、時間を潰していた。
だけど……彼女は帰ってこなかった。
いや、帰ってこれなかったんだ。
なかなかログアウトしない彼女を俺は心配したが、無理矢理ナーブギアを外すのは、流石にダメだ。
彼女の事だ。一旦夢中になると、時間を忘れてしまう彼女の事だ。
俺は無理矢理心を落ち着かせ、テレビを着け……約3年ぶりに、絶句と言う物を味わった。
「SAOを購入したご家族がいらっしゃる皆様は、決してナーブギアを外さないで下さい!
既に200名以上もの死者が出ています!
繰り返します、SAOを購入したご家族が……」
状況が、よく理解出来なかった。
ただ、分かっているのは、彼女の頭からナーブギアを外すと、彼女は死ぬ、と言う事だけだった。
「……また、かよ……」
気がつくと、そんな声が漏れていた。
まただ。
また彼女が、俺の手の中からこぼれ落ちてしまった。
俺は、涙を浮かべながら、テレビをずっと眺めていた。
それから、どれくらいの時間が経っただろうか?
玄関のチャイムが鳴り、我に帰った俺は、溢れていたままの涙を拭い、玄関へと向かった。
扉を開けると、そこには……懐かしい、あいつが立っていた。
それから1時間ほど経ち、混乱に見舞われている仮想世界に……SAO内に、1つの変化があった。
それは、殆どの人には気づかれなかった。
だけど、確かにそれは、大きな変化だった。
その瞬間、仮想世界に、一人の少年が降り立った……。
後書き
さて、いろいろ説明不足ですが、話が進むにつれ、少年とその相方である少女に何があったのか、分かっていく予定なので、どうか暖かい目で、少年と少女の物語をお楽しみ下さい。
では最後に、この場を借りて、1つ、とある方たちへ、メッセージを送らさせていただきます。
あの日から、今日で5年が経ちました。
未だに、愛する人が行方不明の方もいらっしゃるでしょう。
未だに、あの日の恐怖が抜け切れない方もいらっしゃるでしょう。
それでも、決して希望だけは捨てないで下さい。
私は、あなた方の心の痛みが分かりません。
あの日を体験していないからです。
ですが、私はあなた方を、私に出来る形で応援しています。
なので、どうか、必死に足掻き続けてください。
……では、次回からもよろしくお願いいたします。
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