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ドリトル先生北海道に行く

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第二幕その五

 列車は思ったより早くてです、夕方にはもうかなり進んでいました。先生は皆に微笑んでこう言いました。
「この貨物列車は新幹線程速くはないけれどね」
「それでもだよね」
「かなり速いよね」
「何かこの速さだとね」
「函館まですぐだね」
「うん、すぐだよ」
 実際にそうだというのでした。
「函館までね」
「何か日本の列車って速いね」
「そうだよね」
「もう風みたいだよ」
「新幹線はその中でも特にだけれど」
「この貨物列車もそうで」
「全体的に速いね」
 動物の皆も言います。
「これなら本当にね」
「すぐに函館だね」
「じゃあもうね」
「景色を楽しんでいる間に」
「着くよ」
 その函館にというのです。
「明日の朝にはね」
「一日位?」
「それ位?」
「正確には一日かからないね」
 二十四時間もというのです。
「明日の朝早く、日の出位だからね」
「函館に着くのは」
「それ位なんだ」
「だからね」
 時間を正確に考えると、というのです。
「一日かっていうとね」
「厳密に言うとだね」
「そうでもない」
「そうなんだ」
「明日の朝早くに函館に着いたら」
 トミーも言います。
「まずはホテルに入ってですね」
「うん、そうしてね」
「函館での観光ですね」
「まずは五稜郭に行こう」
 先生はトミーに行く場所のリクエストを出しました。
「あそこにね」
「五稜郭ですか」
「そう、戊辰戦争の頃のものでね」
「確かお城ですよね」
「そうだよ、幕府軍が最後に立て篭ったお城なんだ」
 先生はトミーに五稜郭のことをお話しました。
「日本には珍しい近代式建築様式のね」
「欧州によくある」
「そう、砲撃戦を想定したね」
「それがあるんですね」
「僕は歴史学も学んでいるからね」
 その中に日本の歴史もあるのです。
「それで興味があってね」
「まずは五稜郭ですね」
「そこに行きたいんだ」
「わかりました」
 トミーは先生のお願いに笑顔で応えました。
「じゃあまずはです」
「行っていいんだね」
「先生だけじゃないですよ」
 トミーは笑顔のまま言うのでした。
「勿論僕達もです」
「一緒に来てくれるんだね」
「さっき言ったじゃない」
「そうそう」
 動物の皆も言います。 
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