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中の人

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2部分:第二章


第二章

 若い男女が拍手で迎えた。女性にも人気があるのだ。
 それでだ。彼女達も言うのだった。
「うわあ、本当に奇麗だし」
「あれで高校生ってないわよ」
「理想的な美人っていうか」
「ああいう人が担任だったらね」
「もう最高よ」
 彼女達も夢を見ていた。明らかにだ。
 そうしてだ。その言葉が出されるのを待っていた。実里は奇麗な脚が見える淡い色のミニスカートと上着だった。その彼女は席に着くとだ。
 いきなりだ。お菓子を出してきた。そしてだった。
 おもむろに食べだした。それを見てだ。誰もが唖然とした。
「えっ、お菓子!?」
「チョコレート菓子!?」
「何でそれ食べてるんだ!?」
「これトークショーだよな」
「何でそれで食べてるんだ?」
「ちょっと実里ちゃん」
 驚くファン達をよそにだ。主演の娘、彼女より一つ年下のアイドルの彼女が優しい笑顔で話してきた。
「今は休憩時間じゃないから」
「あっ、そうなの」
「そうよ。だからお菓子は後でね」
「えっ、けど」 
 しかし実里は何故?という顔になってだ。そのアイドルに言うのだった。
「まだトークショーはじまってないんじゃないの?」
「はじまってるわよ。だからね」
「お菓子駄目なの」
「そう、我慢してね」
「うん、じゃあ」
 こうしてだった。実里はお菓子をしまった。それを見てだ。
 ファン達はそれぞれの目をこすった。そうして言うのだった。
「嘘、だよなあ」
「あれって演技だよな」
「何か慣れた感じだけれどな」
「まあ演技だよ」
「そうだよな」
 彼等はこう言い合い自分達で納得してだった。
 しかしだ。そのトークショーではだ。彼女はだ。
 他の俳優達がトークをしているのにだ。何故か食べ物の話をしそうして関係ない話をしていた。ファン達はそれに唖然としっぱなしだった。
「だから演技だよな」
「そうに決まってるだろ」
「あれじゃあ正真正銘のあれじゃないか」
「だよな。あんなに知的な役ばっかりなんだぜ」
「絶対に演技だって」
 そう思うようにしていた。しかしだ。
 またアイドルの娘がだ。苦笑いで実里に言ってきたのだった。
「だから。今は休憩時間じゃないから」
「ええと。トーク?」
「そうそう。何か実里ちゃんも収録中に色々あったじゃない」
「あったの?」
 きょとんとした顔でだ。実里はその娘に問い返した。
「特になかったと思うけれど」
「ほら、あの時よ。第一話の収録の時海だったじゃない」
「あっ、木にザリガニいたわよね」
 こんなことを言うのだった。
「背中に貝殻背負ってる。大きいザリガニだったわね」
「それザリガニか!?」
 誰もがそれを聞いた瞬間に思った。
「違うだろ。ヤシガニだろ」
「っていうかザリガニとヤシガニを間違える!?」
「あんなの小学生でもわかるだろ」
「まさかこの人」
「だよな。若しかして」
「本当にあれなのか!?」
「あれなのか!?」
 あえてあれと言った。誰もが。
「それもかなりの」
「ひょっとして」
 しかもだ。それを裏付けるかの様にだ。実里は言うのだった。
 
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