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戦国異伝

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第二百四十五話 夜においてその十三

「決まるぞ」
「左様ですな」
「それでは」
「では夜明けに」
 丹羽も言って来た。
「攻めますな」
「そうするぞ」
「あちらも動きますな」
「間違いなくな」
 夜明けに、というのだ。
「そうしてくるぞ」
「やはりそうですか」
「我等もそうでな」
「では上様」
 羽柴が余裕を以て言った、ここで。
「もう今宵は寝ましょうぞ」
「そのつもりじゃ、わしもな」
「そして翌朝ですな」
「飯はじゃ」
 それはというと。
「こうした時の常でな」
「暗いうちにですな」
「食う」
 そうするというのだ。
「そしてじゃ」
「はい、夜明けと共に」
「攻める、朝飯はしっかりと食え」
 戦の前にというのだ。
「皆な」
「さすれば、では陸と海で」
 明智も言って来た。
「攻めてですな」
「相手に使わせるのじゃ」
「妖術を」
「そしてその時こそじゃ」
 魔界衆の者達が妖術を仕掛けてきたその時がというのだ。
「決まる時じゃ」
「左様ですな」
「ではな」
「はい、酒はこれで止めて」
「寝るとしようぞ」
「では」
 皆信長の言葉に応えてだった、今はゆっくりと寝た。そうして夜のまだ暗いうちに起きて戦に備えるのだった。


第二百四十五話   完


                           2015・9・26 
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