転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1257話
寝て起きて、食事をして、TVを見て、シャワーに入って、また寝て……という風に、何と言えばいいのか、典型的な休日の父親みたいな感じで過ごしていると、時間が流れるのは早かった。
いや、寝てる時間が結構多かったのを考えると、時間の流れが早いってのは正確じゃない気もするけど。
ともあれ、そんな風に時間を過ごして日付が変わって暫くが経った頃……ようやく誰かがこっちに近づいてくる気配を感じた。
気配の数は3つ。
プロスペクター、ゴート、そしてエリナとかいう女だろう。
日付が変わる頃にやって来るって話だったと思うんだが、もうとっくに日付は変わってるぞ。
気配遮断A+でも使って、驚かせるか? ……ないな。
俺の持っているスキルの中でもあまり使ってはいないが、普通に使う分には色々と便利な代物だ。
……まぁ、人の目を通さない機械とかには全くの無意味だが。
それでも、気配を殺して相手から完全に認識されなくなるというのは、いざという時に切り札になる。
それは、このナデシコ世界のように技術が発達している世界であってもそう変わらない。
だとすれば、わざわざそんな切り札を人の目に触れさせる必要ないだろう。
そう判断し、TVを眺めながら気配がこっちに近づいてくるのを待っていると……やがてノックの音が聞こえ、俺の返事と共に扉が開かれる。
「アクセルさん、失礼します。いや、随分とお待たせして申し訳ありませんでした」
いつものように笑みを浮かべて中に入ってくるプロスペクターをベッドから起き上がって迎える。
その後ろから入って来たのは、予想通りにゴート。
……毎回俺の部屋に来る時に連れ回されて、色んな意味でこいつも大変そうだな。
ただ、ハルカが来た時はゴートが来なかったんだが……いや、その辺はネルガルにとっての重要さに掛かってくるのか。
ともあれ、そんなゴートの後に入って来たのは、黒髪の女。
外見年齢で言えば、今の20代の俺と同い年くらい。間違いなく美人だが、気の強そうな美人だ。
耳元が隠れるくらいのショートカットで、綺麗に左右に分けられている髪型が印象深い。
また、身体つきの方もデキる女らしくハルカに負けない破壊力を持っているように見えた。
ただまぁ、こうして見た感じだと生真面目そうな印象もあって、男女関係に疎そうな気はする。
「貴方がアクセル・アルマーよね? 初めまして、ネルガルから貴方のサポート兼ナデシコの副操舵士として派遣されたエリナ・キンジョウ・ウォンよ」
笑みを浮かべて手を差し出してくるが、その笑みは俺に向けられているようには見えない。
恐らく作り笑いなのだろう。
もっとも、俺と友好的に接する為にはしょうがないのかもしれないが。
差し出された手を握り返しながら、俺も笑みを作って口を開く。
「ああ、よろしく頼む。何て呼べばいい? エリナ? キンジョウ? ウォン?」
「エリナでいいわよ。私もアクセルって呼ぶから。それで早速だけどこの部屋を出ましょうか。アクセルの部屋はきちんと用意しておいたわ」
「へぇ。随分と用意がいいな」
「予定していたよりも遅れてきたのは、それだけの理由があったのよ。……もっとも、こっちの方で忙しかったのは事実だけど」
「だろうな。ネルガルってのは大きい会社なんだろうし。寧ろ、そんな大企業の会長秘書がわざわざ俺のサポートとして来るとは思ってなかったけど」
「それだけ貴方が興味深いという事よ」
笑みを浮かべたままだが、その目はとてもではないが友好的な雰囲気ではない。
それこそ、ちょっと油断をすれば一気に食い殺してきそうな気すらする。
まぁ、それはあくまでも比喩であり、本当にエリナが俺をどうこうしようとはしないだろうが。
そもそも、見た感じ身体を鍛えている様子はない。
いや、普通の人間としてであれば、運動不足にならない程度に身体を動かしてはいるのだろう。
そうでもないと、これだけのボディラインの維持は出来ない筈だ。
だが、それはあくまでも普通の人間としてだ。
立ち居振る舞いを見れば分かるが、戦闘訓練を受けた様子は一切ない。
……正直、戦艦に乗るのにそれはどうかと思わないでもないが。
「別の意味で言ってくれれば俺も嬉しかったんだけどな。エリナが興味深いって言ってるのは、ミロンガ改の方だろ?」
「さて、どうかしら。……ああ、それとこれを渡しておくわね」
俺の話を誤魔化すようにしながら、何かをこちらに差し出す。
それは……
「腕時計?」
勿論ただの腕時計って訳じゃないだろう。実際、プロスペクターやゴート、エリナも身につけているのだから。
「そ。コミュニケーター。通称コミュニケよ。腕時計型の通信機みたいなもので、TVも見られるわ」
「へぇ」
便利なような、そうでもないような。
特に俺の場合、時々身体を白炎にするからな。
下手をすれば……いや、間違いなくコミュニケを付けた状態で白炎化すれば、壊れてしまうだろう。
身につけるのは良いけど、色々と気をつけないといけないのは間違いない。
ま、それでもナデシコに乗る上で必要なのは間違いないんだろうから、ありがたく貰っておくけど。
勿論何らかの仕掛けとかはしてあると考えるべきだろうな。
盗聴器か、内蔵された爆弾か、実はベルトの部分から毒針が出るようになっているとか。無難な線でGPSとかの発信器とかか?
結局は付けないと不審がられるし、付けた方がいいか。
渡されたコミュニケを左腕へと付ける。
……身体を白炎にする時、左腕だけはそうしないようにしないとな。
「使い方はそう難しくないわ。これを……」
それから10分程、エリナによってコミュニケの使い方を教わる。
プロスペクターもそれに付き合うんだから、何だかんだで付き合いがいい。
「さて、これでいいでしょ。じゃあさっきも言ったけど、アクセルの部屋に案内させて貰うわ。ご苦労様」
最後のねぎらいの言葉は、俺ではなくプロスペクターとゴートに向けてのもの。
それを聞いたゴートは小さく頭を下げ、プロスペクターは笑みを浮かべて口を開く。
「いえいえ。アクセルさんの件はネルガルとして色々と必要な事でしたからね。お役に立てたようで何よりです。では、私はまだ色々とやる事があるのでこれで失礼しますが、何かありましたら連絡を下さい」
「ええ、お願い」
「では、アクセルさんも明日からよろしくお願いしますね」
「……よろしく頼む」
プロスペクターとゴートの2人はそう告げ、部屋から出て行く。
それを見送ったエリナは、俺の方へと視線を向ける。
「さ、じゃあ私達も行きましょうか。いつまでもこんな殺風景な部屋にいたくはないでしょ?」
「殺風景って訳じゃないと思うが……まぁ、自分の部屋を貰えるんなら、それはそれでいいよな。頼む」
「ええ」
こうして、俺は1日を過ごした部屋を出て行く。
もし数ヶ月とか過ごした部屋なら色々と思うところとかがあるかもしれないが、俺の場合は1日だったしな。そんな事を思うような余韻はないまま、エリナに連れられてナデシコの通路を移動する。
「アクセルの部屋は、一応他の皆とは違って少しだけだけどいい部屋よ」
「さすが会長秘書って言えばいいのか?」
「さて、どうかしら」
まぁ、正確には俺を監視しやすくするって目的があるのは間違いないんだろうけど。
自由に行動出来ないってのは、ちょっと面倒な気もするが……そもそも、この世界であまり能力を使うような事はなさそうだしな。
それに何と言っても、いざとなればニーズヘッグのシステムXNでいつでも帰る事が出来るという安全が確保されているのがいい。
そうして通路を進んでいると、やがてエリナは歩みを止める。
「はい、ここ。ちなみに私の部屋は隣になるから、何かあったら気軽に言ってきて頂戴」
「何だ、俺の監視役なんだし一緒の部屋じゃないのか?」
「ばっ! ……馬鹿言わないで。男と女が同じ部屋で暮らすなんて、そんなのその……同棲じゃない。それに、監視役じゃなくてサポート役よ。勘違いしないで」
一緒の部屋というのが、余程破壊力があったのだろう。エリナは意志の強そうな表情を真っ赤に染める。
それでも反射的に怒鳴らなかったのは、恐らく必死に我慢したといったところか。
うん、予想通りそっち関係には弱いっぽいな。
ハルカと違ってあまりそっち関係のネタは振らない方が良さそうだ。
いや、すぐに赤くなるのが美人系のエリナに可愛いという要素を与えているのも事実だから、そっちでからかってみるのも面白いかもしれないけど。
「……ちょっと、何か妙な事を考えてない?」
そんな俺の内心を読んだ訳ではないだろうが、エリナが俺に鋭い視線を向けてきた。
「いやいや、そんな事はない。それよりどうするんだ? これからの事を話したいんじゃないか?」
「まぁ、いいわ。取りあえずそういう事にしておいて上げる。それでこれからの事だったわね。私の部屋……は、まだちょっと荷物が散らかっているから、アクセルの部屋に入れて貰える?」
「へぇ? いいのか? こんな夜中にノコノコと男の部屋にやってきて」
「なっ!? あ、あのねぇっ! 言っておくけど、ナデシコでは不純異性交遊は禁止なんですからね!」
不純異性交遊って……また、随分と古めかしい言葉を。
けど……
「それって無理じゃないか?」
思わず、正直に呟く。
「何がよ?」
「いや、だから不純異性交遊……ぶっちゃけ、セック……」
「言わなくても分かるから、いいわよ! それより、何で無茶なの!?」
「このナデシコ、機動戦艦っていうくらいなんだから、当然戦場に出向くんだろ?」
「それは否定しないわ」
「つまり、多くの男女が生死を共にする訳だ。それも何度となく。そんな状況の中なんだから、当然お互いに相手の事を想うようになっていくのは不思議じゃない……というか、至極自然な事だ。そうなれば当然キスをしたり、露骨な表現を避けると夜を共にして肌を重ねたりって事をするようになる。それを止めるってのは普通に考えて難しいぞ?」
古来より、戦闘を生き残った男が暖かな柔肌を求めるというのはおかしな話じゃない。
いや、この時代だと女もか。
命懸けの戦いを潜り抜けていくんだから、それだけお互いの関係が深くなっていくというのは当然だろう。
それに……
「エリナみたいに、そっち関係の経験がない奴程、あっさりと男に引っ掛かりそうな気がするし」
「あのねぇっ! いい! あんた、自分の立場が分かってるの!?」
図星を突かれた為か、再び頬を赤く染めるエリナ。
こうやってすぐに反応するから、からかいやすいんだよな。
いや、言ってるのは事実だけどな。
少し話してみた感じ、エリナは典型的に生真面目な……そう、委員長タイプとでも呼ぶべき性格をしている。
ああ、ちなみにこの委員長タイプってのは、当然あやかの事じゃない。
あやかの場合、恋愛に積極的だし。
ああいうのは委員長タイプではあっても例外だと考えていいだろう。
ともあれ、だ。エリナみたいに生真面目なタイプは、何かあればすぐにコロッと男に引っ掛かりそうな気がする。
「実際、男と付き合った経験とかあるのか?」
「ないわよ! ……じゃなくて、何で私が会ったばかりのアクセルと恋愛について話をしないといけないのよ! ほら、いいから部屋の中に入る! こんなところを誰か他の人に見られたりしたら、それこそ変な誤解をされかねないわ」
「ネルガルの会長秘書が、怪しげな男に誑し込まれてるって?」
「い・い・か・ら・は・い・り・な・さ・い!」
下らない軽口に構っていられないとでも言いたげに、一言ずつ強く言葉に出しながら俺を部屋の中に連れ込んでいく。
勿論エリナの部屋ではなく、俺の部屋だ。
中に入ると、そこにあるのは正直さっきまでいた部屋と殆ど変わらないように見える。
ただ、幾らか部屋の家具とかは上の品質になっているような、なっていないような……そんな感じ。
ただ、部屋の広さだけはさっきの部屋よりも広い。
「何だ、別にさっきと殆ど変わらないじゃないか」
「それはそうでしょ。だってアクセルは何も荷物を持ってないんだから。あ、でも明確に違うのはお風呂ね。さっきまでアクセルがいた部屋にはシャワーしかなかったけど、ここはきちんとお風呂があるわ。勿論そんなに大きくはないけど」
「それは結構嬉しいな」
そう告げ、俺はベッドへと腰を下ろす。
「……言っておくけど、変な真似をしたら大声を出すからね」
ベッドに座ったのがエリナにとっては意味深な出来事だったのか、牽制するようにそう告げると、自分は机の近くにある椅子へと腰を下ろす。
そして俺の方へと椅子を向けると、そのまま足を組む。
いや、変な真似云々って言うけど、そうやって短いスカートで足を組むと挑発しているようにしか見えないんだが。
ストッキングを履いているが、人によってはそっちの方がそそられるって事もあるんだし。
この辺、無意識にやっている辺り色々と隙が多いというか、なんというか……
「さ、まずはこれからの事について話しましょうか」
エリナは笑みを浮かべ、そう告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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