Ｂｌｕｅ　Ｒｏｓｅ

「本末転倒だからね」
「わかってるならいいよ」
「ええ、じゃあトースト食べて」　
　そしてとだ、優子はそのマーガリンを塗ったトーストを食べつつ言った。
「オムレツに野菜ジュース飲んで」
「それで出勤だね」
「そうするわ、それにしても最近優花は朝食も」
　今度はその話もするのだった。
「味付けが変わったわね」
「そっちも？」
「全体的に薄味で」
　そして、というのだ。
「メニューも健康に気をつけてる」
「そんな感じなんだ」
「そう思うわ」
　ハムエッグも食べつつ言うのだった。
「何かね」
「そうかな」
「まあ健康志向はいいことよ、味付けや焼き加減のレベルも上がってるし」
　このことも言うのだった。
「医食同源だしね」
「漢方の言葉だよね」
「現代医学でもそうよ」　
　食事が健康に大きく関係することはというのだ。
「それはね」
「まず食べるもの」
「それがいいとね」
「健康にもなるんだね」
「そう、だからね」
「僕の献立はいいんだね」
「そうよ」
　優子は弟ににこりと笑って答えた。
「いいと思うわ」
「じゃあこれからもこうしたの作っていくから」
「お願いするわね」
「特に姉さんは」
　その医食同源の言葉を言ってくれた姉にだ、優花はこう返した。
「忙しいお仕事だから」
「お医者さんだからっていうのね」
「健康にいいものを作っていくわね」
「頼むわね、ビタミンとかカルシウムとかね」
「あと鉄分もだよね」
「そう、何でもね」
　それこそとだ、優子も言う。
「必要なのよ」
「カロリーもある程度は」
「ええ、必要よ」
「カロリーはあまり摂り過ぎると太るけれど」
　このことは優花も認識していて言う。
「少なくてもね」
「よくないのよ」
「太り過ぎもよくないけれど」
「痩せ過ぎもね」
　そちらもというのだ。
「よくないから」
「だからだね」
「そう、適度よ」
　カロリー摂取はというのだ。
「それがいいのよ」
「カロリーについては」
「あまり摂らないと元気も出ないから」
「充分に働けないよね」
「ましてや私はジムで汗も流すから」
「健康の為にね」
「その分もカロリーを消耗してるから」
　だからというのだ。