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ショーウィンドー

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第五章

「告白してもね」
「何もならない」
「成功するものもしない」
「そういうことよね」
「ええ、皆とこのことをお話もしたけれど」
 それでもというのだ。
「本当にね」
「お互いに知ってから」
「そのうえで、よね」
「交際を進めていく」
「それがいいわよね」
「確かにその通りだから」
 それでというのだ。
「私もああしたのよ」
「そうなのね、けれどね」
「奇抜な方法でいったわね」
「まさかマネキンのふりをして相手の人の前に出るなんて」
「目立つ服を着てショーウィンドーの中に入って」
「毎朝毎夕そうするなんて」
「どうして相手に見て意識してもらえるか」
 そのことを考えてとだ、アンネリは答えた。
「そう考えるとね」
「あの方法がなのね」
「いいって思ったのね」
「マネキンに化けることが」
「それでなのよ」
 ああしたというのだ。
「私もね、そしてね」
「それであんたに声をかけるきっかけになって」
「無事今に至った」
「そうなったのね」
「そう、恋愛は畑よ」
 それになるというのだ。
「畑は種を蒔かないとね」
「まずはその種を蒔くこと」
「そしてその種がマネキンだったのね」
「その演技をすることだったのね」
「そういうことになるわね、そしてね」 
 アンネリはコーヒーを飲みながら笑顔で話した。
「今実ったのよ」
「その種が育って」
「そうなったってことね」
「そうよ、じゃあその育った実をね」
 それをともだ、アンネリは話した。
「これからどんどん大きくしていくわ」
「ええ、頑張ってね」
「これからもね」
「その実に栄養をやっていって」
「そうしてね」
 友人達もそのアンネリに笑顔で励ましの言葉を送った。そして彼女は実際にだった、ユッシとの恋愛をさらによいものにさせていった。今度はマネキンにはならなかったが。


ショーウィンドー   完


                       2015・11・17 
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