スクマーン
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第五章
「お祭りの時のね」
「あっ、お祭りの」
「その時の」
「見せていいかな」
「お願いしていいかな」
これが日本の友人達の返事だった。
「それじゃあ」
「是非」
「わかったよ、じゃあね」
ニコラエは彼等の返事を聞いてだ、そのうえでだった。
その写真を見せた、そこにはカテリナを含めた十人位の少女達が笑顔で並んで映っていた。
皆明るい笑顔だ、そしてある服を着ていた。
白の袖の広いブラウスに首はビーズの赤や緑、青と様々な色のネックレスを三つも四つもかけていて。
黒いノースリープのドレスをブラウスの上から着ている。くるぶしの辺りまでありそのくるぶしの方には赤に水色、青、黄色、ピンクの色が横に並んで飾られその上下は赤いラインとなっている。
みどりんエプロンには赤い花と草が黒のラインの中にあり白い帯や黒や金色、赤の糸でイスラム風の模様が入っている。
頭は黒い布で帽子の様に覆い赤い花を飾っている。靴は茶色で色々な色のラインも入っている。
日本の友人達はその服を見てだ、目を瞠って言った。
「うわ、奇麗」
「東欧って感じで」
「女の子達も可愛くて」
「お花が素敵」
「いい服ね」
「スラブだよな」
「スクマーンっていうんだ」
ニコラエは彼等に服の名前を話した。
「このノースリープのドレスはね」
「へえ、スクマーンっていうんだ」
「そうした名前なの」
「ブルガリアの民族衣装だよ」
こうも話した。
「これはね」
「ブルガリアの」
「そうなの」
「我が国は沢山の国と国境を接していて」
そのブルガリアのことも話した。
「トルコに統治されていたこともあって」
「色々な文化の影響を受けていて」
「それで」
「こうした服なんだ」
こう説明した。
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