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役職?召喚魔術師ですがなにか?

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アストレア・ファミリア来襲

「さて、どうするよ…」

「ええ、どうしましょうか…」

ソーマ・ファミリアの談話室。
あの大規模取り締まりにて、かなりの団員が脱退することになったわけだが、今の現状になってしまうことを視野にいれていなかったために、ソーマ・ファミリアの構成員は40から4人に減ってしまったのだ。10分の1である。
さらに言えば、4人のうち2人がサポーター。それ以外が冒険者である。
これには俺とリリを含んだ数であり、正直絶望的である。

「そも、神酒を飲みたいがために入ったようなもの。
俺は神酒を飲むために努力は惜しまないつもりだ」

そう言ったのはチャンドラ・イヒトさん。
ドワーフの男性でレベル2。
オラリオには神酒を飲むために来たらしいが、神酒を抱え込むザニスが邪魔で仕方無かったらしい。

「まぁ、それしかないんですけども」

「でも良いんでしょうか?ソーマ様は多少僕らに興味を示して下さいましたが、それでも酒作りに夢中ですよ?」

最後の一人、ヒューマンのレベル1、ケビン・マクライト君。
貰える恩恵はどのファミリアでも同じな為、たまたま見つけたソーマ様に入れて貰ったらしい。
特に冒険者に向いていない訳ではないため、冒険者とサポーターを両立している器用貧乏さんだ。

「示さないよりはましだろうよ。
まぁ明日からはこのメンバーでダンジョンに潜るわけなんだけど、何か要望とかある?」

「特にこれといってありませんが、タケルさんはザニスを倒したんですよね?」

いや、まぁ倒したのは俺だけども…ぶっちゃけ卑怯な手だったからな。

「なぁタケルよ。お前んがリーダーで良いんではないか?」

「そうですよ!良いよね、リリちゃん!」

「ええ、問題はありませんね。
晴れて恩恵をお持ちになられましたし、はじめの頃のように常識を破壊していくのが多少なりとも軽減されるでしょうから」

何かリリの言葉に影が含まれているように感じるが、良いだろう!

「高校生活3年間連続生徒会長の俺に任せろ!」

「コウコウ…?」
「セイト、カイ、チョウ?」

伝わりませんよね、知ってました。
さて、リーダーってのは団長の立場と何ら変わらない。
行動に責任がついてくるし、信用だって得なきゃやっていけない立場だ。
今まで追放された奴等が起こした問題のせいで、近隣の方々から畏れ逃避される状態だ。

「取り合えずザニスらが起こした問題って何があるんだ?」

「ふむ…まずはあれだろう…」

その1。
恐喝、強猥、窃盗を下の団員に命じて行わせてた。

「あれを聞いたときは腸がにくり返るほどだったな」

「そうですね…リリが対象にならなくて安堵しましたが、実質迷惑をかけてしまったことも否めません…」

「つーかそれって世間一般からしたら犯罪組織じゃん。
これ信用回復難しくね?」

「そうなりますね…」

その2
ダンジョン内にて、敵対派閥への故意的怪物進呈(パスパレード)

「へ?それって他の人間をMPKしてるってことか!?
駄目だろうそれだけは!つーかこの間のアストレア・ファミリアの件がそれだってことはないだろな!」

「まさにそれですね」

「ちょっとザニスのところにいってサンダーボルト落としてこよう」

「まてまて落ち着け!」
「そうですよ!そんなことしたらギルドに睨まれちゃいますって!」

「睨まれるだけで済むんでしょうか…?」

その3
公共施設の破壊及び、商品の横流し。

「公共施設ってなに?」

「主にお店や建物の破壊ですね。
商品に至っては神酒も含まれていたとか」

「何だと!?許せんザニス!
今からギルドに行って…放さんかケビン!」
「駄目ですって!只でさえ底辺な信用がそこをぶち抜いて取り返し不可能になっちゃいますよぉ!」

「…確かに」

取り合えずわかったことは、年数かけて信用を回復させようってことか。
しかしやたらとやらかしてたんだなアイツら。
これってもう経営どころの話じゃないだろ…。

「取り合えず大きいのはこれくらいだの」

「大きい?小さいのがあるみたいな言い方ですね」

「む?まぁどこにでもある話だよ。
サポーターの差別、種族の優劣、レベルの格差。
それら全部を取り上げて、今までのソーマ・ファミリアが出来とった」

厄介な…この分じゃ人員勧誘もしずらいってことに他ならない。

「取り合えず今日は俺とリリが集めたお金でご飯を食べに行こう。
んで、明日からはダンジョンの探索。一応10層を目処に切り上げるから頑張っ”ドゴォォン!”……へ?」

締めのところで扉が吹き飛んだ。
いや、何を行ってるのか自分でも分かりづらいけど、俺達の座っているテーブルを横切って真っ直ぐ飛んで行ったんだよ。…推進エンジンでも付いてたのかな?

怪物進呈(パスパレード)のお礼だ!」

「貴様らには死より無惨な苦痛を与えてやる!」

そう言って入ってきたのは何時かの団長さんと、リュー・リオンさんだった。

「そうですか…そう言うこと…だったんですね…」

私は、幻滅していた。
我々アストレア・ファミリアの危機に颯爽と現れ、救い出してくれた彼は、我々を陥れたソーマ・ファミリアとグルだったのだ。
この場には四人しか居ないが、どうせ何処かで悪事を働いているに違いない。

「他の構成員は何処にもいませんでした」

「そうですか」

報告に来てくれた同僚に返事をし、彼を、睨み付けた。




リオンさんが怖い。
この一言につきた。
何故だか突入してきた…いや、理由は分かってるんだけども。
兎に角突入してきたアストレアの方々が、何故か俺を中心に冷たいオメメを向けてくる。

「えーっと、こんばんわ?」

「だまれ、喋るな」

両断。マジで怖いんだけど。
隣を見ればリリが俯いて震えている。

「まさか、まんまと騙されたぞ。
大方恩を売って何かしようとしていたのだろうが、こうして露見してしまえばどうしようもあるまい」

団長さんや?とてつもない勘違いをしてらっしゃいませんか?
私、何も企んでおりませんよ?

「いや、だからですね「喋るな、空気が汚れる」……」

俺、ホントに何かしたかなぁ?
正直に言えばこれほど理不尽なことはないと思うんだけどどうだろう?
こちとら善意で助けたって言うのに、信用が一瞬で消え去るってこう言うことなんだね…。

「今までの暴挙の数々、ここで年貢の納め時だ」

今までもなにも、全然関与してないんですがね?

「我々アストレア・ファミリアは―――」

「魔法、思い出のブランコ…召喚。青眼(ブルーアイズ)白龍(ホワイトドラゴン)

”ガァアアアッ!”

アストレアの団長さんが言い終わる前に、ブルーアイズを召喚して黙らせる。
アストレアの面々は直ぐに臨戦態勢をとったが、幾人かはブルーアイズの威圧に触れ、ガクブル状態となっている。

「なぁ…」

「「「!?」」」

ちょっとばかしイライラしていた俺は、底冷えする声量で声をかける。
団長さん以下数名は、何を言うかと緊張している様子だ。
だから俺は―――

「ゲームしようぜ…」
ここらで遊戯王の特典を活用することにしようと思う。


 
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