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アインクラッド篇
断章 南十字の追憶
捜索
「……いないって、どうして!?」
「分からないけど……書き置きもあったし……。」
「見せて!」
「ふぇ!?あ、うん、これよ。」
姉貴は一枚の髪を取り出した。
『お兄様、お姉様へ
私は、とある事情があって、お姉様達の元から離れなければなりません。大好きなお兄様、お姉様から離れるのは大変辛く、心苦しいのですがこれしかないのです。こうしている間も渇いて渇いて。私はどうにかなってしまいそうです。
そうです、渇くんです。何かは分かりません。でも、本当にどうしようもなく渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇いて渇くんです。
それでは、どうかお兄様、お姉様は健やかでありますよう。
天川真奈 アマナより』
読み終えたときには、指先が震えていた。
「……アマギ、大丈夫?顔色悪いわよ?」
「……姉貴、落ち着いて聞いてくれ。アマナは………アマナはPKをやった可能性がある。」
sight三人称
三時間後
「皆さん、今回の会議は攻略に関するものではありません。」
新興勢力ながら高い実力をもつギルド、血盟騎士団。その副長、アスナという少女の言葉から、その会議は始まった。
「ご存知の方も多いでしょうが、昨夜遅く、迷宮区でPKが発生しました。襲われたのは《軍》のパーティー。一人を残して全滅しました。」
少し間を置いて続ける。
「既に《軍》は独自に動いているようですが、我々もこの件に対して、一時攻略を止めてまでも対処すべきだと考えます。」
異議は上がらなかった。
「相手は、手練れのパーティーを一人で壊滅させる実力者です。ですから捜索は二パーティー単位で、内一人は高レベルの索敵スキル持ちで行いたいと思います。」
これにも、当然だった。
「また、今回の捜索は志願で行いたいと思います。無理強いはしません。志願する方はこの場で挙手をお願いします。」
次々に手が挙がる。その中に、彼らはいなかった。
sightアマギ
何処だーー何処にいる!?
俺は走りながらそれしか考えていなかった。隣を走る姉貴も似たようなものだろう。場所は二十四層迷宮区、現れるモンスターは強引なラッシュで瞬殺しながら、全力で駆け抜ける。
「アマナ!おい!何処にいる!?」
「何があったの!出て来て?お願い!」
俺達は等しく焦燥に駆られていた。今頃他の攻略組の連中も動き出しているだろう。《軍》の奴等はもう動いているかもしれない。何としても、彼らより速く、妹を見つけなくては。妹の事は誰よりも信じているが、それでも、あの手紙が頭の中で警鐘を鳴らす。
「アマギ………もし、アマナが本当に…………。」
「姉貴、取り敢えず見つけるのが先だ。考えるのは後でいい。」
自分でも分かっていた。それは問題を先送りしているだけだと。自分がその先を考えたくないだけなんだと。
「クソッ………どうなってやがる……!!」
無駄だと知りつつも、毒づかずにはいられなかった。
後書き
アマナちゃん、完全に病んでました…………。狂ってるのが正しいでしょうか?まぁ似たようなもんでしょう。
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