役職?召喚魔術師ですがなにか?
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yesロリータnoタ―
何処かの酒場にて、
目の前に向かい合うように座る少女にお礼と称した食事をごちそうになっていた。
「冒険者様は何処のファミリアなんですか?」
何か最近こんな質問多いよね。
何でだろうね?何処にもいれてくれない俺に嫌みでも言いたいのかな?
「まず俺は冒険者じゃないしファミリアにも入ってないんだ」
「またまた、ご冗談を……え?ホントなんですか?」
俺の表情から読み取ったのか、少女は気まずそうに目をそらす。
つーかこんなに小さいのに確りしてるな、等と思いつつ、少女の名前を知らないことに気がついた。
「そういや、名前を聞いてなかったな。
俺は―――」
と、ここで思い出した。
よく考えたらリオンさんに名乗ってない事に。
「どうかしましたか?」
…まぁいいか。
「俺は大元 剛。タケルって呼んでくれたら良い。
君の名前は?」
「私はリリルカ・アーデと言います。ソーマ・ファミリアでサポーターをやらせていただいてます」
サポーター……補助役?
後方支援ってことなんだよな?回復とか援護とか、それってすげえな。
「私は―「すげぇ…」……え?」
「すげぇよ!小さいのに後方支援なんて、誰にでも出来るもんじゃない」
俺は、目の前の少女、リリルカ・アーデを絶賛するのだった。
こと男は何をいっているのだろうか、と。リリルカは思っていた。
「だってお前、あれだろ?仲間が危なかったら援護して、傷ついたら治療して、多忙な役回りしてるって事なんだろ?」
世間知らず。そんな言葉がリリルカの頭に通りすぎる。
キラキラと目を輝かせながら、意味不明なことをのたうち回るこの男は何なのだろうか。
冒険者かと思えばそうではなく、ファミリアどころか神の恩恵さえ持ち合わせていない。
挙げ句、最低の職であるサポーターを凄いと言い張る。
こんな男がまだこのオラリオにいたのだと言うことを実感し、それでいて危なく感じる。
だから―――
「ならさ、ならさ!明日とか俺と一緒にダンジョンに行こうぜ?!」
この男は、絶好の鴨かも知れない―――。
「しかしですね、えっと、タケル様。
ダンジョンに潜るには、原則ファミリアへの加入が絶対となっております。
幾ら魔法が使えようとも、怪物と遭遇する以上、戦えなくては話になりません」
リリルカの言っていることは既に知っている。
あのエルフの眼鏡さんに言い負かされた記憶が甦るが、それとこれとは話が別。
既に俺はダンジョンに潜っているし、戦果もしっかりあげれている。
確かに慢心していたことは否めないが、結果的に真剣になったことは嘘じゃない。
「俺だって戦えるさ。
この前なんて…えーっと、何階だ?取り合えず10階より下には行ってるんだからな」
「タケル様はリリを馬鹿にしているのですか?
冒険者でもない、神の恩恵も持っていない一般人が、そんなところまで潜れるはずがありません。
何を言い出すかと思えば、分かりやすい嘘は御自身の格を下げますよ?」
どうやら信じてもらえないようだ。
「いやいや、ホントだぞ?
証人だっているし、人助けだってしたんだからな」
「人助け、ですか…」
「おう。リュー・リオンさんって言ってな?
エルフでクールビューティーな女の子なんだよ!
確か、アストレア・ファミリアの人だって言ってたな」
今度会ったら名前言わなきゃな。
「その人なら知っている人は知っています。
レベル4の冒険者。【疾風】の二つ名をもつエルフの冒険者です。
その方がアストレア・ファミリアに所属していることも知られていますし、何より―――え?」
違う、そうじゃない、とリリは思考する。
「(アストレア・ファミリアと言えば先日カヌゥ達が怪物進呈をした団体だ。
聞いた話では突如現れた一人の男に救われたとか…そう言えば先程もカヌゥ達がそんな話を…。
まさかそんな…目の前の冒険者でもない男は、神の恩恵をもたずダンジョンに潜り、その上アストレア・ファミリアを救ったのだとすれば…!)」
「まぁ信じられないのも無理ねぇし、明日一緒に行ってくれるなら見せてやるぞ?
一応2回目だけど、大体の地理は把握してるし、迷う心配もない。
それに、危なくなっても大丈夫だからな」
「…良いでしょう。
見せてもらいます。貴方の実力を」
そして、その実力が本物なら―――
後書き
次回、遂にファミリア入籍します。
さて、何処に入るのでしょう?
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