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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1251話

 全長300m近い長さを持つその艦のフォルムは、どことなくアークエンジェル級に似ているように見えた。
 効率的な艦の形を考えれば、似たようなものになってもおかしくないんだろうけど。
 大体、エステバリスだったか? テンカワが乗っているその機体だってどことなくKMFと似た印象を受けるし。

『あら? えっと……ねぇ、アキト。木星蜥蜴は? グラビティブラストでばーんって纏めて倒すつもりだったのに』
『え? その、あの人が殆ど倒してしまったみたいだ。ほら、覚えてないかユリカ。お前が俺に……』
「テンカワがお前のパンツを後生大事に握り締めて凝視していた時に一緒にいたアクセル・アルマーだ。まぁ、戦闘前のオープンチャンネルで名前は知ってるだろうけど」
『ちょぉおおおおっ! 何言ってるんだよ!』
「何だ? その女のパンツを凝視していたのは事実だろ?」
『いや、だからそんなんじゃなくて! 何だってそんな事を言うんだよ!』
『サイテー』
『ま、あのくらいの年代の男なら、その辺に興味津々なのは分かるけどね』
『……バカばっか』
『そんな、アキト……言ってくれれば私、そのくらい……』
『待て待て待て待て! 早まるなユリカ! 通信でお前は何を言おうとしている!?』

 多少煽ったのはあるが、それでも俺の一言でここまで大騒ぎになるとは思わなかった。
 随分と賑やかな声がテンカワの機体を通して伝わってくる。 
 そのやり取りを聞きながらも、俺は先程のユリカとかいう女の言葉を思い出す。
 グラビティブラスト。あの女は間違いなくそう言った。
 つまり、あの戦艦にはシャドウミラーが得意としている重力関係の技術が使われている訳だ。
 勿論シャドウミラーの技術よりも上なんて事はないと思うが、それでも技術班の参考になるだろう技術が使われている可能性も高い。
 だとすれば、俺が身を寄せるべきは木星蜥蜴に一方的にやられまくっていた連合軍ではなく、あのナデシコだな。
 いやまぁ、あのナデシコが実は連合軍の秘密部隊だったりしたら、結局は連合軍に所属する事になるんだが……あのユリカとかいう女とか、テンカワのようなパイロットの性格、それにパンツの一言で一気に騒ぎ始めるのを見る限りだと、とてもではないが軍人には見えないが。
 そんな風に思っていると、やがて数隻の戦艦がサセボ基地から姿を現す。
 ……随分と遅い出撃だな。戦闘が終わってからとか……
 いやまぁ、戦艦を動かすのに時間が掛かるってのは分かるが。

『こちらは地球連合空軍極東第2艦隊所属ヤマツバキ。そこの所属不明機に告げる、投降せよ。繰り返す、投降せよ』

 オープンチャンネルで伝わってきた最初の言葉は、それだった。
 映像モニタに映し出されたのは、日本人だろう中年の男。年齢的には四十代か?
 通信を辿れば、丁度こっちに戦艦の主砲を向けている艦からのものらしい。
 オープンチャンネルの通信を開けたのを見計らって通信してきたんだろうが……正直、本気なのかと言いたい。
 木星蜥蜴を相手に何も出来ず一方的にやられていた軍の……地球連合空軍だったか? そこに所属する戦艦の艦長が、木星蜥蜴をミロンガ改だけで全滅させた俺に対して投降を求める?
 普通に考えれば、自殺行為をしているようにしか見えない。
 さて、どうしたものか。
 こっちとしては、重力系の技術を少しでも得る為にナデシコと近づきたい。
 それを考えれば、ここで投降するというのは論外だろう。
 かといって、ナデシコがここにいる以上は連合軍と何の関係もないということはない筈だ。
 つまり、ここで連合軍を相手に戦えば自然とナデシコとも敵対する可能性が高く、連合軍に投降すればナデシコと行動は共に出来ない。
 となると、ASRSを使って一旦ここから退避し、後で改めてナデシコと合流するか?
 そうだな、それが最善の行動だろう。 
 そう判断し、ASRSを展開しようとした、その瞬間……

『いやいやいやいや、大変申し訳ございません。どうやら情報ミスがあったようですが、あの機体は私共ネルガルが極秘裏に開発していた代物なのですよ』

 唐突にそんな声がオープンチャンネルに響き渡る。
 映像モニタに映し出されているのは、チョビ髭と眼鏡が印象的な男。年齢は40代ってところか? 一言で言えば、怪しい男。

『何? ネルガルだと? そのような情報は全くこちらに入って来ていないが?』
『ええ、ええ。ですから恐らく情報の齟齬があったのではないかと。……どうでしょう? この件に関しては後日きちんと説明の場を持たせて貰いますので』
『ぬっ、だが……ネルガルが開発していたのはエステバリスではないのか? あのような巨大な兵器が開発されていたとは聞いていないぞ?』
『ですから、その辺が情報の齟齬があったのだと……それに、そちらの方でも木星蜥蜴に破壊された基地の修復を急がなければならないのでは? ここで私達と揉めていれば、その間に人の命が失われてしまうかもしれません。どうぞ、その辺をよくお考えになって下さい』
『……本当に、後日この件に関しての説明を貰えるのだな?』
『ええ、それはもう間違いなく』
『……了解した』

 その言葉と共に、連合軍の方の通信が切れる。
 通信が切れると、プロスペクターとか名乗った人物は当然のように俺の方へと視線を向けてくる。

『では、アクセルさ……』
『ちょっと! あんな機体を開発していたなんて話、私は聞いてないわよ!』

 プロスペクターが何かを言おうとすると、その背後から聞こえてくる声。
 言葉使いだけを聞けば女のそれだが、聞こえてくる声は男の声で間違いない。
 つまり……そっち系か。
 そんな想像をしたが、プロスペクターを押し退けるようにして映像モニタに現れたのは、俺の想像を超える人物だった。
 キノコ……と言えば、今はシャドウミラーの政治班で働いているレオンを思い出すが、こいつもまた……

「キノコだ」
『きーっ! 何ですって、この私の素晴らしい髪型を馬鹿にしてるのかしら!?』
「ああ、悪い。つい本音が言葉に」
『あ、あ、あ、あんたねぇ。ちっとも反省するつもりないでしょ! ちょっと、プロスペター! あのアクセルとかいう男が乗ってる機体、本当にネルガルが開発してたんでしょうね? つまり、あの男もネルガル社員って事!?』
『その、ですな。この件につきましては、先程も言いましたが後日報告させて貰いますので』
『後日後日って、今言えばいいじゃない! それとも、何? もしかして人に言えない事でもあるの? まぁ、ネルガルは色々と後ろ暗い噂もあるし、それでもおかしくはないでしょうけどね』
『あー、……すいませんが、取りあえずその件に関しましても後日ということで、申し訳ありませんが、これ以上はネルガルの機密に関しますから。お願いします』
『うむ、任せろ』

 画面の外に話し掛けたプロスペクターの声が聞こえたかと思うと、太い何かが画面に現れ、そのままキノコの首へと巻き付いて画面の外へと連れ出していく。
 それでもキーキー騒ぐ声が聞こえていたが、ともあれキノコの姿は消えて大人しくなった。

『さて、取りあえず色々と相談をする必要があると思うので、ナデシコに来て貰いたいのですが……構いませんか?』

 何事もなかったかのように話を続けるプロスペクター。
 この辺は経験の賜物って奴なんだろうな。
 だが、ナデシコへ向かうのは俺としても望むところだ。
 プロスペクターとやらが何を思ってこんな手段に出たのかは、大体理解している。
 ネルガル所属って事らしいし、当然ミロンガ改に興味津々なんだろう。
 ……今更だけど、本当に機体をミロンガにしておいて良かったよな。
 ニーズヘッグは問題外として、サラマンダーの方は時流エンジンとかISC、エナジーウィング、ミラージュコロイド、グラビトンガンポッドといった風にこの世界では恐らくオーバーテクノロジーとなる代物がある。
 まぁ、それを言えばミロンガ改だってブラックホールエンジン、エナジーウィング、テスラ・ドライブ、関節駆動部に使用されているPS装甲といった風に色々あるけど。
 ともあれ、向こうが何か仕掛けてきた場合は、こっちも相応の態度を取る必要がある。
 最悪、ナデシコそのものを破壊する事になったとしてもだ。

「ああ、構わない。こっちもそれが目的だったからな」
『ほう? それは興味深いですね。……では、テンカワさん、アクセルさんをナデシコまで連れて来て下さいな』
『え? あ、はい。分かりました』
『それと、エステバリスのパイロットとしても登録したいのですが、それは構いませんか?』
『え? 俺はコックなんすけど』
『それはそれ、これはこれです。……まぁ、この件に関しても後でお話しましょう。では、お願いします』
『俺のゲキガンガー返せよなぁっ!』

 何だか最後に妙な声が聞こえてきたが、取りあえず話は纏まったって事でいいんだろう。

「じゃあ、テンカワだったな。案内を頼む」
『うん、任せてくれよ。……って言っても、見て分かると思うけど、あの戦艦に行くだけなんだけど』

 エステバリスがナデシコの方を指さす。
 ……随分と芸の細かい機体だな。

「なら、行くか」
『ああ』

 エステバリスは多少気になるが、ここで何かをしていても意味がないと判断、ナデシコの方へと向かう。
 戦闘中という訳でもないので、速度はそれ程出さずに移動していると、地上を進んでいるテンカワが不意に呟く。

『なぁ、えっと、アクセルって言ったよな? あんた、あんなに大量の木星蜥蜴と戦って怖くなかったのか?』
「は? 怖い?」

 テンカワからの通信に、自分でも分かる程に不思議な気分になり……だが、次の瞬間には先程テンカワがコックだとか言ってたのを思い出す。
 恐らく……いや、間違いなくテンカワはパイロットが本職って訳じゃないんだろう。
 こういう奴がBETAと戦えば、多分死の8分を超えられずに死んでいくんだと思われる。

「そうだな、もう慣れたってのが正しいな」

 俺が初めての戦場に出てから、どれだけの年月が経ったのか。
 その間に潜り抜けてきた戦場の数は、それこそその辺のパイロットとは比べものにならない。
 システムXNを使えば色々なアニメや漫画、ゲームといった世界に転移するが、それらの原作主人公であっても、俺より多くの戦場を潜り抜けた事のある者は少ないんじゃないだろうか。
 そう言える程の戦場を俺は経験してきている。
 もっとも、別にこれは自慢出来る事じゃないが。
 それに俺がこうして安心して戦場に出られるってのは、混沌精霊である俺が物理攻撃で死ぬ事はないというのがある。
 この世界に魔法の類は存在せず、科学の発展している世界であるという時点で俺の生存は保証されたようなものなのだから。

『慣れたって……ずっと木星蜥蜴と戦ってきたのか?』

 一瞬テンカワの言葉に意表を突かれるが、すぐに納得する。
 そりゃそうだよな。この世界の中で戦いと言えば木星蜥蜴だけなんだから。
 いや、正確にはもっと他にも色々とあるんだろうが、それでも木星蜥蜴との戦いの割合が最も多いのは事実だ。

「そうだな。ま、そういう事にしておくよ」
『そういう事って……あからさまに嘘って言ってるようなもんなんだけど』
「知らないのか? 男ってのはミステリアスな方がもてるんだぞ? 多分」
『多分とか言ってる時点で説得力ないんだけど』
「数々の恋愛をしてきた俺が言うんだから、嘘はない。……多分」
『いや、だから何で多分とか、最後に付け加えるんだよ』
「何しろ、恋愛ってのはしようと思ってするんじゃないからな。気が付けばいつの間にかしているものだ。少なくても俺の場合はそうだった」
『へ、へぇ……』
「さっきの通信を聞く限りだと、お前にスーツケースをぶつけた女とはそういう関係なんだろ? この数時間でくっつくってのも凄いが。それこそ、気が付いたら恋をしていたって奴じゃないのか?」
『なぁっ!? ち、ち、ち、違う! 俺とユリカはそんなんじゃ! 俺は、その、ちょっとユリカに聞きたい事があってだな』

 そんな風に言葉を交わしつつ、ミロンガ改とエステバリスはナデシコへと辿り着いたのだが……

『えっと……どうする?』

 呆然とした声で呟くのはテンカワ。
 俺はそんなテンカワに、どうしたものかと溜息を吐きながら口を開く。

「あー……そうだな。これは予想外だった。いや、よく考えてみればおかしくもなんともない話なんだろうけど」

 俺の視線の先にあるのは、ナデシコ。
 それはいいんだが、エステバリスってのはこのナデシコの為に開発された兵器なのだろう。
 で、当然そうなればナデシコの格納庫の中に入るにはエステバリスのサイズで十分であり……勿論多少の余裕はあるが、それでもエステバリスの3倍以上の大きさを持つミロンガ改をナデシコの中に入れるというのは、到底無理な話だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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