| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

189




 思い出の

  幽かなりしは

   冬空の

 儚き光に

    心しおれし



 なぜだろう…様々な思い出…彼といた時間さえ虚しく思えてしまう…。

 きっと…日の光をいつも雪雲が遮ってしまうから、心が萎れたためにそう思うのだろう…。

 春も近い晩冬の空…見上げども憂いは晴れぬままに…。



 恋しくも

  年の分かたむ

    この世をば

 いつ離れむかと

    思ふものかな



 年月とは、皆平等に過ぎ去るもの…。
 彼との歳の差もまた、変えようもなく…縮むはずもない…。

 この虚しい世界に生きて、私はただ一人侘しく過ごさねばならないのならば…いつ私は死ぬのかをつい考えてしまうのだ…。

 私が消えて無くなれば…私はもう何に思い煩うこともなく、彼を私のために傷付ける心配もないのだから…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧