戦国異伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百四十三話 信長の読みその十一
「それでそれに乗っている数は」
「何千隻で四十万、いや五十万かい?」
風がその数を見て言った。
「凄い数だね」
「屋島の時とjは数が違います」
命もだ、警戒する顔になっている。
「これは本格的な戦になります」
「間違いない」
今度言ったのはヨハネスだった。
「これは大きな戦になるぞ」
「すぐに上様に言に行こう」
獣は仲間達に提案した。
「こちらに気付かれないうちに
「はい、数はわかりました」
鏡は獣のその言葉に頷いた。
「それなら」
「今ならまだ見付かってないから」
萌は仲間達に自分達のことを話した。
「もう下がろう」
「そ、そうしよう」
あやとりは萌のその言葉に一言で頷いた。
「今のうちに」
「ああ、相手が来た場所も数もわかった」
煉獄は飛騨者達をまとめる立場としてあえてこう言った。
「ならな」
「本陣に戻ろうね」
「今からな」
煉獄は大蛇にも応えた、そしてだった。
飛騨者達は魔界衆に見つからないうちに信長の本陣にまで戻った。そうして信長にそのことを述べると。
信長はすぐにだ、全軍に言った。
「よいか、これよりな」
「はい、戦ですな」
「それを仕掛けますな」
「敵は夜明けの直前に来る」
その時にというのだ。
「攻めて来るからな」
「だからですな」
「ここは迎え撃ちますか」
「後ろを振り向き」
「そのうえで」
「おそらく今はもう丘に上がりじゃ」
その大軍がというのだ。
「我等のところに向かってきておる」
「そして夜明け前には」
「我等のところに来てですな」
「攻めて来る」
「そうしてきますか」
「ならばじゃ」
それを読んでいるからこそというのだ。
「迎え撃つ用意をしておくのじゃ」
「畏まりました」
「ではこれよりです」
「迎え撃つ用意をしましょう」
「そして、ですな」
「前に進む、そして振り返る場所はじゃ」
敵が来てだ。
「福原の東じゃ」
「そこですか」
「既に町人達は逃がしていますし」
「だからですな」
「気兼ねなく戦えますな」
「これで」
「戦は戦う者がするものじゃ」
こうも言った信長だった。
「だからな」
「町人達が逃げてですな」
「安全な場所にいることは」
「それはよいことですな」
「村人達にしても」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「若し逃げていないと避難させておったが」
「やはり戦になると」
「民は逃れますな」
「そして戦をですな」
「離れた場所から見物しますな」
「ははは、観たいのなら観よ」
戦を観ることについて、信長は笑ってこう言った。
ページ上へ戻る