歌集「春雪花」
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凍てつきし
真昼の寒き
雪空の
見上げては想ふ
君恋しけり
二月も半ばになるが、未だ寒さも厳しい冬真っ只中…。
春にはまだ遠く、見上げた真昼の空からは白雪が降り頻り、まるで吸い込まれそうな錯覚に陥る…。
そんな雪空を眺めると…心淋しくなり、彼のことばかりが頭を過ってしまう。
彼が恋しくてたまらず、会いたいと…切に願ってしまうのだ…。
晩冬の
粉雪落つる
侘しさに
わが身もふりし
夕の静けさ
立春も過ぎ、この冬もあと少しの辛抱…。
相変わらず雪は降り続けるが、然したる量でもない…。
そんな晩冬の粉雪は、地に落ちては溶けてしまい…何だか淋しく感じてしまう。
積もれば不便だと言うのに…端から溶けてしまうと淋しく感じるとは、全く…不可思議なものだ。
きっと…それは私自身、彼に会えず淋しいからなのだろう…。
夕方の薄明かり…雪は淡く静かに降り続く。
そんな景色を見ていると、あぁ…歳をとったのだなと沁々思ってしまうものだ…。
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