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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1236話

「ちょっと、ねぇ、アクセル。これって何? 雪を集めて何をするのよ?」

 シェリルが不満そうに告げる。
 それでも大人しくこっちの言う事に従って雪を集めているのは、スキー勝負で俺に負けたからだ。
 確かにシェリルもスキーは上手かったが、それでも身体を動かす事で俺に勝つというのは無理だった。
 そうして最初に一番下まで到着した俺が勝利の特権としてシェリルに手伝って貰って作っているのが、雪の山。
 だが、これはただの山ではない。

「いいか、これを半円状にして固めていくんだ。ここでしっかり固めないと、後悔する事になるかな」
「……アクセルが何を言ってるのか分からないわ」
「いいから、いいから。進めて行けばそのうち分かるようになる」

 そう告げ、シェリルと共に高さ2m程、幅3m程の雪山を作り上げていく。
 雪を持ってくるのも結構大変だったが、人手を確保する為に近くにいる人物へと声を掛ける。

「崇継、恭子。暇ならちょっと手伝ってくれ」
「うん? 何をしてるのかな? 雪の山なんか作って……」
「あ、これってもしかして……アクセルさん、珍しいものを知ってますね」

 崇継はよく分からなかったようだが、恭子の方は俺が何を作ろうとしているのかを理解したらしい。

「あら、面白そうですね。私も手伝ってもよろしいですか?」
「悠陽様!? 悠陽様がそのような肉体労働をする必要は……」
「良いのです、月詠。折角こうして忙しい中をスキー旅行にやって来たのですから、楽しまなければ損ですよ? ほら、真壁殿も楽しんでいるではないですか」

 崇継の手伝いをしている真壁を見て告げる悠陽に、月詠はやがて諦めたように溜息を吐いてからこっちの手伝いをしていく。

「ねぇ、アクセル。そろそろ何を作っているのか、教えてくれてもいいんじゃい?」
「出来てからのお楽しみだ。これだけ人数がいれば、そんなに時間が掛からない内に出来るだろ。ほら、もっと力を入れろ」
「全く……私をこき使うなんて真似、アクセルじゃなきゃ許さないんだからね。感謝しなさい?」

 そう言いつつも、シェリルはきちんとこっちの指示通りに動いてくれる。
 何だかんだと、この状況を楽しんでいるのだろう。
 高くなってきたせいか、上の部分を固めるのが難しくなってきたので、空に浮かび上がって雪山の上の方を固めていく。
 そんな風に皆で雪山を固めているうちに、やがて予想していたよりも大きな雪の山が完成した。
 外側はきちんと固められており、見る限りでは間違いなく半球状になっている。
 ここまでくれば、日本出身の崇継にも俺が何を作ろうとしているのかが理解出来たのだろう。

「ほう、なるほど。よくこの存在を知っていたね」
「言っておくけど、これは別に日本だけの文化じゃないぞ? ……いや、こういうのも文化って言うのかどうかは分からないが。確かカナダとかその辺でも同じようなのがあった筈だし」
「カナダ……ですか」

 崇継と俺の会話を聞いていた恭子が、悲しそうな表情で呟く。
 一瞬何でそんな表情を浮かべているのか分からなかったが、すぐに思い出す。
 マブラヴ世界では、カナダに着陸ユニットがやって来たのをアメリカが核攻撃で破壊したんだったか。
 そのおかげでアメリカはG元素を入手出来たんだけど、代償としてカナダの半分が人の住めない汚染地域になったんだよな。
 しかもそのG元素も、最終的には俺達シャドウミラーに全部譲渡しているし。
 その辺を考えれば、アメリカがやったのは色々と無駄だった事になる。
 いや、最終的にカナダにハイヴを作られるのを阻止はしたんだから、完全に無駄って訳じゃないか。
 それに、G元素やら着陸ユニットの残骸やらを調べて、BETAについての情報を少なからず入手したのは事実だし。

「ちょっと、アクセル。それでこれからどうするの?」

 俺と崇継、恭子が話していて放っておかれたのが面白くなかったのか、シェリルが不満そうに告げてくる。
 そうだったな。今更終わった事を考えてもしょうがない。
 なら、今やるべきなのはこのカマクラを完成させる事だろう。

「別に難しい話じゃない。後はこの山の中央を掘っていくだけだ。そうすれば、日本の東北地方では有名な、カマクラが出来上がる」
「……カマクラ? それって何?」
「そうだな。簡単に言えば、雪で出来た家ってのが一番分かりやすいか」
「家?」
「ま、出来上がってのお楽しみだよ。善は急げ。早速掘るぞ。見ての通り一応外は固めてるけど、少し失敗すれば外側まで崩れてしまうからな」
「……ふふん。その程度、このシェリル・ノームに出来ない訳がないでしょ」

 そう告げ、早速カマクラ掘りに挑戦するシェリル。
 勿論この大きさのカマクラ掘りをシェリルだけにやらせる訳にはいかないので、他の面々も手伝う。
 俺のようにシェリルと一緒に掘ったり、掘った雪を周囲に捨てに行ったり。
 ちなみに、掘った雪をカマクラの外側に積んで補強するという手段もあるが、それには高度な技術が必要になるので、素人はやらない方がいい。
 少なくても俺はちょっと手が出せない。
 カマクラの外側に張り付けようとすると、下手をすれば穴が開いて、最悪崩れてしまうんだよな。

「うんしょ、うんしょ」
「ねぇ、霞。このくらいでいいのではないですか?」

 ふとそんな声が聞こえてきたので、声の方へと視線を向けると、そこではいつの間にか霞と麗華がそれぞれ掘った雪をソリに積んでいるところだった。
 そのまま少し離れた場所へと持っていき、捨ててはまた戻ってくる。
 何だかんだで、カマクラに興味津々だったのが丸分かりだった。

「霞、麗華、雪を運んでばかりだとつまらないだろ。ちょっと掘ってみるか?」
「……いいんですか?」

 俺の言葉にウサギの耳がピョコピョコと動く霞。
 いつも思うけど、この耳って本当にどうなってるんだろうな?
 もしかして、本気でG元素辺りを使って作っているんじゃないか?
 まぁ、霞が嬉しそうにしているから、別にいいけど。

「ああ。いいぞ。結構広くなってきたし」

 既にカマクラは大分中の方まで掘り進められており、俺とシェリル以外にも数人くらいなら掘る作業を出来そうだった。
 こうして全員で掘り始めたのだが……

「ふふっ、これは面白いですね。雪の中なのに、こんなに暖かいなんて」
「良かったですね、悠陽様。あ、雪は私が運ぶのでこちらにどうぞ」

 いつの間にか煌武院やら、月詠やらが入っていたりするんだけど……まぁ、それは別にいい。
 煌武院家の方では色々と忙しい毎日を送っているらしいし、このスキー旅行で気分転換が出来るならそれもいいだろう。
 シャドウミラーと煌武院家の関係は殆どないが、だからといって敵対している訳でもないし。
 いや、城内省に対抗するというのを考えると、寧ろ友好関係にした方がいいだろう。
 そんな風に考えている間にもカマクラは掘り進み続け……

「完成、だな」

 内部の空間が無理をすれば10人近く入れる程の広さになったのを見て、呟く。

「これが……カマクラ。風がないだけで、こんなに暖かく感じるのね」
「まあな。寒さを凌ぐには丁度いい。で、カマクラといえば……」
「これだろう?」

 少し離れていた崇継が、火の点いた七輪を持ってやってくる。
 七輪の上には、餅があるのはお約束だろう。

「分かってるな」
「勿論。日本人としては必須だろうしね」
「……東北ならまだしも、雪の降らない地域では必須じゃないんじゃないかと思うんですが」

 恭子の言葉に、崇継は特に気にした様子もなく肩を竦める。

「その辺は人によって変わるだろうね」
「いや、雪が降らない地域の人にカマクラに必須な物は何かって言っても、多分七輪とかは出てこないと思うぞ」
「そうかい? まぁ、それはいいとして。早速だからカマクラを楽しもうか。ほら、皆入って」

 崇継に促されるように、皆がカマクラの中に入っていく。
 俺、シェリル、霞、麗華、崇継、恭子、煌武院、月詠。
 まだもう少し入る余裕はあったんだが、取りあえず最初という事でこの人数となった。
 まぁ、普通ならこの面子の中に混ざりたいと思う奴は少ないよな。

「暖かい……です」
「そうだね、うん。外とはまるで違う!」

 相変わらずの霞と麗華のコンビが、歓声を上げながらカマクラの内部に見回している。
 そうして当然最後に視線が向けられたのは、カマクラの中央に置かれている七輪。
 炭の暖かさと、炭によって焼かれる餅が膨らむ光景は、色々な意味で興味を引いたらしい。

「アクセルさん、少しよろしいですか?」

 霞や麗華の様子を見ていると、不意に声を掛けられる。
 その声のした方にいたのは、煌武院。
 俺に声を掛けてくるのは珍しいな。
 いや、そもそもシャドウミラーとの関係を考えてこのスキー旅行に参加した以上、シャドウミラーを率いている俺に声を掛けてくるのは当然か。

「構わない、何だ?」
「いえ、特に何か理由があって話し掛けた訳ではないのですが……少しお話をしたいと思いまして。駄目でしょうか?」

 俺の言葉に残念そうな表情を浮かべる煌武院。

「いや。別に問題ないぞ。そもそも、俺もお前とは話してみたいと思っていたしな」
「アクセル、悠陽様に向かってお前とは……」
「お前……お前……お前……」

 俺の言葉遣いに月詠が鋭い視線を向け、何故か煌武院は上の空となる。
 いや、これは何がどうなってるんだ?
 話をしようと思っていたら、いつの間にか終わっていた的な。

「そうですか、結婚のお祝い。……分かりません」
「うーん、霞でも分かりませんか。どうすればいいのか迷いますね」

 煌武院の方へと視線を向けていると、不意にそんな声が聞こえてくる。
 そちらへと視線を向けると、そこにいるのは霞と麗華。
 何だか気になる事を話していたが……

「誰か結婚するのか?」
「あ、はい。実はオデュッセウスさんと香凛が近い内に結婚する事になったんですよ。それで、お祝いの品を何か用意したいと思ったんですが……」
「……は?」

 正直、今俺が何を聞いたのか。それが全く分からなかった。
 いや、理解は出来る。だが、それを受け入れるのを拒否したと表現するのが正しい。
 だがいつまでもそんな真似をしている訳にはいかず、改めて麗華へと向かって問い掛ける。

「オデュッセウスと香凛が結婚? それは本当か?」
「ええ。まだ公にしてはいませんが、近い内に大々的に発表される予定です」

 ……何がどうしてこうなった?
 香凛って星刻の事が好きだったと思うんだが、違うのか?
 そもそも、二人共陽光という国の上層部ではあるが、オデュッセウスと香凛が結婚するというのは全く想像出来ない。
 いや、個別に考えれば理解出来ない訳じゃないか?
 オデュッセウスは政治の能力や軍事の能力は低いし、決断力にも欠けている。
 だが人望はそれなりにあり、ブリタニア皇族とは思えない程に優しい面があった。
 その辺を考えれば、香凛とくっついてもおかしくは……けど、それでもやはり違和感がある。
 香凛が好きだった筈の星刻とオデュッセウスでは、それこそ性格も能力も正反対と言ってもいい。
 どこをどうやったらあの2人がくっつくのやら。
 唯一張り合えそうなのが人望だけど……
 ただまぁ、恋愛ってのは人それぞれだしな。
 蓼食う虫も好き好きって良く言うし。
 大体恋愛関係で言うのであれば、恋人9人と同棲している俺が人の事を言えた義理ではない。

「それは驚いたな」
「ですよね! 私もオデュッセウスさんから聞かされた時は凄く驚きました」

 驚いたと言いながらも、麗華は笑みを浮かべている。
 この辺、麗華のオデュッセウスへの態度は原作とは全く違う。
 原作だと、麗華は結婚相手にされそうになったオデュッセウスに対して恐怖すら覚えていた。
 だが、この歴史では麗華はオデュッセウスに対して好意を抱いている。
 ……まぁ、好意は好意でも、男女の好意ではなく大好きな親戚のおじさんへと向ける好意だが。
 にしても、オデュッセウスは名目上ではあるが陽光の代表だ。
 つまり、香凛はいわゆるファーストレディになるのか?
 香凛も美人なんだし、そう考えてもおかしくはない。おかしくはないんだが……やっぱり違和感がある。
 それでも愚直や硬いと表現するのが相応しい香凛だ。オデュッセウスに対して何らかの陰謀という事はまずないだろう。

「アクセルさんは、どんなお祝いがいいと思いますか?」
「……そうだな、どんなと言われても……」

 一瞬サクラダイトを使った首飾りとか思い浮かんだが、そんな自爆装置みたいな物は貰った方も困るだけだろう。
 いや、いざという時の武器として考えれば結構嬉しいか?
 鉱石のサクラダイトではなく、流体サクラダイトを使った首飾り……うん、止めておこう。確実に怒られる。
 それも香凛じゃなくてマリューとかから。

「無難なところだとワインとかだろうけど……オデュッセウスの立場を考えると、いいワインとか飲み慣れてるだろうし」
「ワイン……分かりました。星刻と相談してみます」

 笑みを浮かべて頷く麗華を見ながら、未だにオデュッセウスと香凛の結婚という出来事に違和感を覚えるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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