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『小さな街の、大きな闇。』

作者:零那
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『怒り、殺意、計画』



オンナのくせに男みたいな汚い真似しくさって。
そんな腐ったババァが、こんな田舎にも存在しとるとか考えたくもなかった。
信じたくもない。
最っっっっっ低っっっっっ!!!
組の奴等も腐ったババァも同じくらい許せん。

どこに怒りをぶつけたらいいか解らん。
抑えきれん。
自分自身が手に負えん。
その場で、いつも胸に隠し持ってるナイフで自分の手首切った。
イタミなんか全然感じん。
切ったトコより心の奥の方が、ごっつげにイタイ...。

海斗が飛び付いて来た。

『バッカ...っ!!零那...』

パックリ開いた傷口を、閉じるように塞ぐように優しく抑える海斗。
零那は、幼児の如く涙ぼたぼた流しまくってるくせに、海斗を抱き締めた。

『ババァぶっ殺したるけんの!!組の奴等も皆ぶっ殺したるけん。海斗に...あんな屈辱...!!』

『もぉええって!!零那...ごめんっ!!オマエは誰より俺のイタミが解るよな...ホンマごめんっ!!ツライ事思い出さす形になってしもて。
でも、俺、これでホンマに零那のイタミを解ってやれた。仲間やな♪』

無理しておどける海斗を見て、更に悔しくてたまらんかった。

『海斗、ババァとは何処で逢ってたん?決まった場所とかあった?携帯とか家とか名前、個人情報は知っとん?』

『直接は何も知らんのよ。いつも場所や時間も指示されてたし...』

『ほなまず組の奴等から攻めなあかんな』

怜が言う。
『そっちは俺が探る』

永斗は無言で海斗の肩を抱く。
で、零那の頭もポンポンした。

とりあえず、怪しまれんように、またボトル入れて今後の展開を話し合った。

双子は、一般的に区別がつかんくらい似てる。
違いなんか解らんくらい。
友達やから、性格や雰囲気で解るだけ。
もし、2人がお互いを意識して演じたなら、入れ替わってもバレん確証はあった。

次、ババァとこ行く時は永斗が行く。
巧い事言うて携帯とか個人情報聞き出す為。

『海斗が受けた傷なら俺も受ける。でもババァ調子乗らすワケにはいかんけんな』

怜は、店と組の事、内部からも外部からも色々調べるって。
とにかく情報収集。

渚は、そのまま帰ったらしい。
泣いてた理由は不明。
唯もワケ解らんまま慰め続けたらしい。

海斗のことは怜からキチッと唯に説明されてた。


 
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