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戦国異伝

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第二百四十一話 二度目の戦その四

「本朝の者達ではな」
「やはりまつろわぬ者」
「闇の中にいる者達だからこそ」
「そうしたことをしてもですか」
「平気ですか」
「そういうことじゃ」
 まさにというのだ。
「この国の者ではないからじゃ」
「そうしたことも平気であり」
「躊躇しませぬか」
「そしてこの国を滅ぼす」
「そうしますか」
「だからこそじゃ」
 それ故にとも言う信長だった。
「わしもあの者達を滅ぼす」
「滅ぼされるその前に」
「滅ぼす」
「そうされますか」
「そういうことじゃ、よいな」
「はい、では」
「我等も」
 家臣達も応えてだった。
「そして他の国からの介入もですな」
「防ぎますな」
「この国への手出しも」
「それも」
「この国はこの国の者のものじゃ」
 信長ははっきりと言った。
「他の誰の者でもない」
「その通りです」
「まさにこの国はこの国の者のもの」
「本朝のもの」
「まさに」
「そうじゃ、だからじゃ」
 それで、というのだ。
「魔界衆についている他国の者もな」
「成敗しますか」
「そうされて、ですな」
「そちらも憂いも絶つ」
「そうしますか」
「その通りじゃ」
 こうも話した信長だった。こうした話もしながらだった。
 彼jは次の戦の用意を進めていた、そして。
 遂にだ、大坂からだった。
 安土まで早馬が来てだ、こう言って来た。
「上様、瀬戸内の海にです」
「出て来たか」
「はい、突如としてです」
 その魔界衆の者達がというのだ。
「出て来ました」
「して瀬戸内の何処じゃ」
「はい、屋島の海です」
「屋島のか」
「そこに急に無数の船が出て来ました」
「どうやら何処かに隠れておって」
 信長は彼等が何故屋島に急に出て来たのかをだ、推察して話した。
「そして兵が集まったのでな」
「姿を現したのですか」
「そうであろう、何処に隠れておったかはわからぬが」
「それでも兵が集まり」
「出て来たのじゃ、そしてじゃ」
 信長は自分から早馬で来た旗本に問うた。
「兵はどういったものじゃ」
「無数の船、日の本の船もありますが」
「他にもじゃな」
「明や南蛮の船も多くあります」
「そして朝鮮のじゃな」
「船は様々です、見たこともない船もあります」
「呂宋やシャム等の船もじゃな」
 そう聞いてだ、信長はこのことも察して言った。
「来ておるか」
「そしてどの船にも兵が多く載っています」
「そのうえで屋島の海まで来たか」
「左様です」
「わかった、ではじゃ」
 ここまで聞いてだ、信長は。
 居並ぶ家臣達にだった、強い声で告げた。 
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