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ブーナッド

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第六章

「私は普通の下着だけれど姉さんはね」
「ブルジットさんは?」
「どうだっていうの?」
「ああして外は奇麗なブーナッドだけれど」
 その姉も見つつ話す。
「下は今日は黒のブラとショーツでね」
「黒!?」
「下着黒なの」
「それでガーターなのよ」
 今日もそれだというのだ。
「黒のね」
「うわ、過激ね」
「ブルジットさん大胆」
「黒の下着にガーターって」
「そんな下着なの」
「姉さんにブーナッドの暖かい着方教えてもらったけれど」
 それでもというのだ。
「私それは無理だから」
「黒の下着にガーターね」
「色気が違うわね」
「そういうのはね」
「そうしたことは言わなくていいから」
 そこはとだ、そのブルジットがソニアに横から言って来た。背の高さは十センチは違うので頭にそのまま声が来る感じだ。
「止めなさい」
「わかったわ」
「着方だけ言えばいいのよ」
 少しきつい口調だが微笑んで言う姉だった、そして。
 あらためてだ、こう妹に言った。
「じゃあそのブーナッドでね」
「お祭りをなのね」
「楽しみなさい、見ればお友達も皆ブーナッドじゃない」
 色や柄は違うがだ、彼女達もそうだった。
「その晴れ着で楽しんできなさい」
「それじゃあね、それで姉さんは」
「私は彼と一緒よ」
 自分はそうだというのだった。
「そういうことだから」
「それじゃあ」
「ええ、お互いにそれぞれ楽しみましょう」
 妹を笑顔で送り出してだった、ブルジットはその彼氏との待ち合わせ場所に行った。そしてそのソニアもだった。
 自分と同じくブーナッドを着ている友人達にだ、笑顔で言った。
「じゃあ今からね」
「皆でね」
「お祭り楽しもう」
「そうしよう」
 こう応えてだった、ブーナッドのひらりとしたスカートをたなびかせて祭りの中に入った。そして軽やかに楽しむのだった。そのブーナっど姿で。


ブーナッド   完


                       2016・1・27 
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