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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第34話 ハイウェイ跡地

 
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次のミッション 

 
何やかんやあったが、シエル達は先に司令室に戻り、疲れた様子のルインは同じく疲れた様子のエックスといくつかの会話をして別れた。

エックスはサイバー空間に、ルインは司令室にだ。

「あ、あら?ルイン…エックスとはもういいの?」

「うん、君達のおかげでね」

凄まじい怒気を纏いながら言うルインにシエルは慌てて視線を逸らし、オペレーターの二人に声をかける。

「オペレーターさん。残りのミッションをお願い!!」

「は、はあ…現在選択出来るミッションを表示します。」

シエル達の間に何があったのか知らないルージュは疑問符を浮かべながら端末を操作すると、残り二つのミッションが映し出された。

「海上を走る。大陸間ハイウェイ跡地にて、ダークエルフらしき反応と…。それを追跡するネオ・アルカディアを…確認しました。彼らがこの反応を捕捉するまで、まだ時間がかかりそうですが…出来れば、早めにこの反応を確認し…ダークエルフであった場合、保護して頂きたいのですが…。もう一つのミッションですが、ここは、かつて人間が住んでいた居住区の跡地です。調査に行った仲間達から…ダークエルフらしき物を見たという報告が届いています。このエリアに対しては何故かスキャンが使用出来ません。ゼロさんかルインさんに直接調査に行って頂きたいのですが…。」

「お願い出来ますか…?」

「分かった。ハイウェイ跡地には私が行く。水中ならLXアーマーで暴れられるからね。ゼロは旧居住区をお願い」

「いいだろう。」

水中なら水中戦に特化したLXアーマーが真価を発揮でき、ゼロもそれが分かっているからこそ了承した。

「あ、そうだわルイン。エックスが送ってくれたデータによると、ハイウェイ跡地には水位を下げるスイッチがあるらしいの。それを押せばいくらか楽になるはずよ」

「エックスが?分かったよ。それじゃあ、オペレーターさん。転送お願いね」

二人が司令室の真ん中にあるトランスサーバーに乗り込んだ。

「ミッション発令…各員、転送準備にかかれ」

「転送準備完了…」

「「転送!!」」

ゼロとルインが転送の光に包まれ、それぞれがハイウェイ跡地、旧居住区に転送された。

「二人共…気をつけて……」

シエルが二人の無事を祈りながら帰りを待つ。

そしてハイウェイ跡地に転送されたルインはいきなりダークエルフを発見した。

『ルイン!今の反応は…!!』

「うん、いきなりダークエルフを見つけたよ。今から追い掛けて捕まえてやる!!」

道路をダッシュで移動し、陥没した箇所に気をつけながら先に進むと、一体のレプリロイドがいた。

「あれ?もしかして、チルドレ・イナラビッタ?」

モニターに映っていたレプリロイドにソックリだったので、HXアーマーに換装して、イナラビッタを解析する。

「(えっと…チルドレ・イナラビッタ。兎型高機動レプリロイドで、機体の加熱を押さえるための冷却機構を戦闘に応用している。高速戦闘を得意とし、冷気を吹き出して周囲を氷漬けにする能力を持つ。…ということは氷属性だね。戦う前から情報ゲットなんてラッキー)」

恐らくはイナラビッタもダークエルフが狙いなのだろうが、ダークエルフをネオ・アルカディアに渡すわけにはいかない。

イナラビッタもルインの気配を察知して振り返る。

「何だ、お前は?はは~ん…さては、お前もさっきのダークエルフを狙ってるんだな?そうはさせるか!!」

大きくジャンプして、イナラビッタが潜水艦に乗り込んだ。

『ルイン…!聞こえる?さっき話した通り、水位を下げるスイッチがあるから、それを押して、そのメカの進行を遅らせて!LXアーマーのサーチ能力で見つけられるはずよ。途中のメカニロイドに気をつけて!!』

「了解!任せて!!」

LXアーマーに換装して、サーチ能力を駆使してスイッチを探す。
この辺りにあるスイッチはどうやら二つのようだ。

「お先~」

「ああ!?」

ウォータージェットを噴かして、スイッチの元に向かう。

途中でメカニロイドが妨害してくるが、ハルバードで斬り捨てながら突き進んでスイッチを押すと、少しだけ水位が下がったようだ。

「こ、この野郎!!」

「悪いね、お先~」

ウォータージェットを噴かして即座に離脱、もう一つのスイッチの元に向かってそれを押すと更に水位が下がった。

そこから離脱して先に進むが、パンテオンが妨害してくる。

「たあっ!!」

パンテオンをハルバードで両断して奥にあるシャッターを潜ると、そこにはパンテオン二体とダークエルフがいた。

「ダークエルフ…!!」

パンテオンがダークエルフに銛を突き出して捕獲しようとする。

「……ヤメ……テ……!!」

ダークエルフは銛をかわすとパンテオンに力を注ぎ込み、そして力を注ぎ終えるとこの場を去った。

「え……!?」

ダークエルフの力でパンテオンの姿が書き換えられていき、まるで暴走したエルピスに酷似した姿となった。

「…どうやらダークエルフを追うにはこいつを倒すしかないようだね。」

LXアーマーからPXアーマーに換装すると、PXアーマーのシャドウダッシュで攻撃をかわしながら攻撃を加えていけばいずれ倒せるはずだ。

「ヒカリヨ!!」

パンテオンがこちらにレーザーを放ってきた。

シャドウダッシュで回避し、水中の浮力を活かして全力でジャンプし、チャージを終えた腕を振るった。

「十字手裏剣!!」

勢いよく投擲された十字手裏剣はパンテオンの身体を削り取っていく。

「ハハハハハッ!!」

攻撃に構わず、パンテオンはこちらにアームを伸ばしてくる。

「甘い甘い!!」

クナイを連射してパンテオンに何十発も叩き込むと、僅かだがパンテオンの動きが鈍くなった気がする。

「クイアラタメヨ!!」

両手を壁に伸ばした後、部屋を大きく揺らした。

凄まじい振動で、落石が降り注ぐ。

「やばい!ダブルプラズマサイクロン!!」

即座にHXアーマーに換装し、降ってくる落石を回避しながらチャージを終えたダブルセイバーを振るって、二発の電磁竜巻を繰り出した。

電磁竜巻は落石を巻き込み、パンテオンをも飲み込んだ。

使い手であるルインは電磁竜巻の影響は受けず、電磁竜巻が消えると全身から火花を散らし、痙攣を起こしているパンテオンの姿があった。

「後、一撃!!」

通常のZXアーマーに換装すると、チャージを終えたZXバスターを向けた。

「これでとどめだーっ!!」

とどめのチャージショットが炸裂し、パンテオンが爆散した。

「少し遅くなった!急ごう!!」

LXアーマーに再換装し、ウォータージェットを噴かして部屋を飛び出た。

「残りのスイッチ…」

残りのスイッチがある場所をサーチ能力で索敵しながら突き進む。

メカニロイドやパンテオンを返り討ちしながらスイッチの元に行き、それを押していくと、ハイウェイ跡地の水位が更に下がる。

水位が下がったことで、イナラビッタの乗っている潜水艦は障害物にぶつかり、遅くなっている。

ルインは今の内に急ぎ、最後のスイッチを発見した。

「これで最後だ!!」

スイッチを押すと水位が限界まで低くなり、潜水艦はそのまま壁にぶつかっていく。

ルインはすぐさまシャッターを潜り抜け、そこには破棄された潜水艦と怒り心頭となっているイナラビッタの姿があった。

「鬱陶しい奴だなー!!ちょっとビビらせてやれば逃げ帰ると思ったのにーっ!!もう手加減すんの止ーめたっ!!オイラはバイル・ナンバーズ、チルドレ・イナラビッタ!!その気の強そうなツラ、恐怖で凍り付かせてやるよっ!!ガイデッドミサイル!!」

いきなりルインに向けて誘導ミサイルを放ってきた。

相手は氷属性のために炎属性のFXアーマーが有利なので、FXアーマーに換装する。

水位を下げたことにより殆ど地上と大差ない。

「喰らえ!!」

ナックルバスターのショットで誘導ミサイルを迎撃し、ショットをイナラビッタに向けて三発放つ。

「ノロマ~!!」

壁を駆け上がりルインに向けて急降下してくる。

「メガトンクラッシュ!!」

しかしルインは急降下してくるイナラビッタにナックルバスターによるパンチを叩き込んだ。

パンチと同時に繰り出された火炎弾がイナラビッタの全身を焼く。

「ぎゃああああ!?」

イナラビッタは転がり、部屋の海水で炎を消す。

「どうしたの?その程度じゃ…私には勝てないよ?ノロマ君?」

「こ、この…スーパーイヤーショット!!」

「当たらないよ!オーバードライブ!さあ、これを君にかわせるかな?」

壁を蹴り登り、氷塊を回避すると、壁に張り付いた状態でショットを連射した。

イナラビッタはそれを回避しようとするが、ショットは途中で軌道を変えてイナラビッタに炸裂した。

「うわっ…!!」

再び全身が燃え上がるイナラビッタだが、ルインは構わずショットを連射した。

イナラビッタの動きが緩慢になったのを見計らい、ダッシュで距離を詰める。

「っ!!」

「グラウンドブレイク!!!」

零距離からのグラウンドブレイクをイナラビッタに叩き込むと、イナラビッタは火柱に飲み込まれ、衝撃によって吹き飛ばされた。

「ふざ…けんな…オイラが…何でこんな目に…ち…畜生ーーーっ!!」

断末魔の叫びを上げながらイナラビッタは爆散した。

「…ミッション終了。転送して」

『了解。転送します』

転送の光に包まれ、ルインはレジスタンスベースへと転送された。

「転送完了まで…2…1…転送!!」

「お疲れ様でした」

そしてレジスタンスベースの司令室のトランスサーバーにルインが出現すると、シエルがルインに歩み寄る。

「ルイン…ごめんなさい……せっかくルインが命懸けでダークエルフを追い掛けてくれたのに……ダークエルフのスピードが速過ぎて、見失ってしまったの……もう一度、さっきのエリアをスキャンし直したんだけど……やっぱり…もう…あの辺りには反応はないみたい……謝って済むことじゃないけど……本当にごめんなさい…ルイン。」

「大丈夫だよ、シエル…。また次があるよ。大体私がパンテオンやイナラビッタに時間かけ過ぎちゃったのもあるんだから」

「ルイン…」

「私達、友達なんだから。そんなことで落ち込まなくていいよ」

自分を友達と言ってくれるルインにシエルも微笑む。

「友達…そうね…。友達よね…私達。ルインは疲れてるでしょう?メンテナンスルームに行って、メンテナンスを受けてきて」

「うん、ゼロも無事に帰ってくるといいんだけど」

それだけを言うと、ルインはメンテナンスルームに向かい、メンテナンスを受けにいく。

シエルはトランスサーバーの近くで、ゼロの帰還を待つのだった。 
 

 
後書き
イナラビッタステージの中ボスパンテオンアクアのセリフって、コピーエックスと同じらしい 
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