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新オズの腹ペコタイガー

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第六幕その七

「これから」
「ええ、行きましょう」
 笑顔で応えたジュリアでした、そしてです。
 ロンドを加えて五人になった皆はです、ロンドのお父さんであるそのお百姓さんのところに再び向かいました、その途中でテーブル掛けで御飯を食べてです。
 その時にです、ロンドはサンド一を食べて言いました。
「何かね」
「美味しいかしら」
「はい、一人で食べる時が多いですが」
「こうしたスパイスを探す旅の時は」
「どうしても、ですが」
「皆で食べると、よけ」
「余計に美味しいです」
 ジュリアににこりと笑ってお話します。
「本当に」
「それは何よりよ。じゃあ貴方のお家に行くまではね」
「はい、こうしてですね」
「皆で食べながらね」
「御飯の時は」
「そうして行きましょう」
「わかりました。僕いつも一人旅でしたけれど」
 そのスパイスを手に入れる旅の時はです。
「誰かが一緒だと全然違いますね」
「そう、一人だと危ない時も大変だけれど」
「引き返したり逃げたり」
「そうする時も大変だよね」
「死なないし怪我もしないけれどね」
 オズの国だからです、誰もそうはなりません。
「けれどやっぱり大変だよ」
「そう、だからね」
「誰かも一緒だと」
「いいよ」
 その分だけだというのです。
「君はお父さん以外に家族の人いるかな」
「お母さんと妹、それに犬や鶏達がいるよ」
「じゃあ妹さんかね」
「犬や鶏達とだね」
「一緒に行ったらどうかな」
「一人で旅をするよりもだね」
「うん、誰かと一緒に行った方がいいからね」
「だからだね」
「そうしたらいいよ」
 これが臆病ライオンのアドバイスでした。
「君の為にもね」
「それにスパイスも簡単に見付かるし」
「今回みたいにね」
「そうだよね、旅もね」
「一人よりもだよ」
「じゃあそうするね」
 こうしたこともお話しながらです、五人は夜はすぐに晩御飯を食べて水浴びをして身体を奇麗にしてからです。
 すぐ寝て朝日が昇ると起きてまた歩いてでした、数日の間進んで。
 グリンダのお城まで着きました、ですが今はお城には入らずにです。
 その裏手にある山の中に入りました、そこに入ってです。
 暫く進むと山と山の間にでした、村がありました。ジョージはその村を見てジュリアに尋ねました。
「この村にですね」
「ええ、私達がお会いするね」
「そのお百姓さんがおられるんですね」
「そうよ」
 ジョージににこりと笑って答えます。
「ここにね」
「わかりました、それじゃあ」
「今からーー行きーーましょう」
 チクタクも言います。
「これから」
「うん、じゃあね」
 臆病ライオンも頷いてでした。
 皆でロンドのお家に向かいます。ジュリア達はもうその場所を知っていました。それでそのお家の前まですぐに来られました。
 ジュリアが玄関の扉をノックするとでした。
 赤い服と帽子に濃い顎鬚を生やして太った男の人が出て来てです、ジュリアを見て言いました。 
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