転生とらぶる
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マブラヴ
1204話
エルフがストライクダガーで操縦訓練をしているという驚きの事実を聞いた後、テュカやヤオを始めとした他の者達とも1時間程話をし、エルフの森から離れる。
話をして分かったのは、この1年エルフが想像以上に頑張っていた事だ。
何しろ、翻訳機を使っていないのはテュカだけではない。エルフ族全員が俺達の言葉を理解していたのだ。
勿論それを可能にしたのは、エルフという種族が頭が良かったりするという理由もあるし、ホワイトスターにいるエルフはダークエルフやハイエルフも含めて全員が好奇心旺盛で、新しい事に挑戦するのを苦にしないというのもある。
だからこそ、ストライクダガーの訓練とかやってるんだろうが。
ただ、さすがにストライクダガーを使った訓練には苦戦しているらしい。
まぁ、魔法が主だった世界で科学の極みとも呼べるMSだからな。それも当然だろう。
能力的にも、まだまだシャドウミラーの主力である量産型Wには及ばない。
いや、量産型W自体が数々のバージョンアップを繰り返しており、現在の量産型Wはギアス世界に派遣されているグラストンナイツと同レベルの操縦技術を持っている。
つまり、その辺のエースですら勝てない実力を持っているのが量産型Wだ。
……考えてみれば、グラストンナイツレベルの実力者が操る、ゲシュペンスト・タイプRV並の性能を持っている機体が無数に……それこそ数千、あるいは数万機単位で襲ってくるんだから、相手にとっては恐怖以外のなにものでもないよな。
そこに無人機のメギロートやイルメヤもいるとなれば……
ともあれ、エルフをパイロットとして実働班に採用する為には最低限量産型W以上の能力は必須だ。
少なくてもシャドウミラーの面子は……それこそ新人組のスティング、アウル、レイといった者達ですら量産型W以上の能力は持っている。
とにかくそういう理由で、ちょっと気になったので実働班の訓練場まで行ったんだが……
「アクセル、戻ってきたのか。……いや、違うな。この場合はアクセル代表と呼ぶべきか?」
実働班の訓練場へとやってきた俺達を出迎えたのは、黒髪のショートカットの凛とした人物。
その人物が誰なのかというのは、当然俺も知っていた。
というか、一時期一緒にアークエンジェルに乗っていたのだから当然だ。
アラスカでアークエンジェルを降り、その後は紆余曲折を経てアークエンジェル級2番艦ドミニオンの艦長として俺達の敵となってアズラエルに殺されそうになっているところでムウの頼みによって助け出し、最終的にはオーブに亡命し、オーブ軍の最精鋭部隊でもあるアークエンジェルの艦長になったという、色々な意味で波瀾万丈だった人物。
更にその波瀾万丈さはオーブ軍の艦長になっても変わらず、ムウと結婚して国籍をオーブからシャドウミラーに移したらしい。
いや、元々1年前の時点で既に目の前の人物がシャドウミラーに来るというのは決まっていた。
ただ、オーブの最精鋭部隊の旗艦でもあるアークエンジェルの艦長という役職だった為に、引き継ぎやら手続きやらでシャドウミラーに来るのが色々と遅れていた。
だが俺が消えていた時間は約1年であり、それだけの時間があればオーブからシャドウミラーにやってくるのは難しい話ではなかったという事だろう。
軍人一家の出身らしく、慣れたように敬礼をしてくるその人物に向かって俺は口を開く。
「気にするな、ナタル。シャドウミラーは戦闘時は上からの命令には従って貰うが、普段は人前でなければその辺は適当でいい」
そういう意味だと、シャドウミラーって実はSEED世界のザフト的な性格の軍隊でもあったりするのか?
「……そうか、ではそうさせて貰おう。これからよろしく頼む」
「ああ。……にしても、ナタルが来たって事は艦長職だよな?」
「ナタルには現在シロガネの艦長をやって貰っている。マリューの方はニヴルヘイムに移って貰った」
ナタルに向かって尋ねると、横からそんな声が聞こえてきた。
誰の声かと言われれば、すぐに誰の声なのか分かる。
俺の恋人の声なのだから。
「済まないな。本来ならシロガネの艦長を交代させるというのはアクセルにきちんと話を通しておくべきだったのだが」
「気にするな、コーネリア。そもそも俺がいなかったんだからしょうがないだろ。それに、マリューはともかくエザリアは他にやれる奴がいないからやってただけで、適性を考えるとマリューの方が向いているし、シロガネもナタルの方が向いてるだろ」
忘れる事も多いが、マリューは別に実働班って訳じゃない。確かにアークエンジェルの艦長をやっていた経歴はあるが、今のマリューは技術班の所属だ。
……まぁ、魔法とかを使いこなして生身の戦闘力も原作のDESTINYのように生身でコーディネーターの特殊部隊に対抗出来るってレベルじゃないけど。
もっとも、それを言うならエザリアだって政治班の人間……しかもトップなんだが。
コーネリアの言葉に納得し、口を開こうとしたところで……俺の方へと向かって走ってくる人物に気が付く。
「アクセルゥゥゥッ!」
イザークだ。
いやまぁ、向こうにしてみれば俺に勝つのが目的だとかよく言ってるし、それなのに俺がいきなりいなくなったってのは、色々と思うところがあったんだろう。
「久しぶりだな、イザーク」
「よくもおめおめと俺の前に顔を出せたなぁっ!」
「そう言われてもな。そもそも、俺が行方不明になっていたのはリュケイオスとか全く関係ない、完全に運によるものだからな」
「ええいっ、黙れ! お前がいなくなったせいでこちらの予定はかなり狂ったんだぞ!? 一応聞いておくが、身体に怪我はないんだろうな!」
これは、何だかんだ言いつつも俺を心配していたらしい。
……イザークがデレた。
いや、男のツンデレなんて見ていて面白いものじゃないんだが。
凛とかのツンデレは見ていて楽しいんだが。
周囲には、スレイ、オウカ、ムウ、ギルフォード、ムラタ、スティング、アウル、レイといった他の実働班の面子も集まってきている。
一応実働班扱いの円と美砂の姿がないのは、あの2人が生身での戦い向きであり、戦闘ではオペレーターをやっている為だろう。
……シロガネの艦長をやっているナタルがこうしてここにいるのに、あの2人がいないのはどうかと思うが。
「アクセルさん、無事に戻ってきたんですね。心配していたんですよ?」
「あー、そうそう。オウカって随分アクセルの事を心配してたからな。それこそ、最初のうちは飯も喉を食べられないって感じで」
「アウル! い、い、いきなり何を言ってるの!」
「こいつらは、全く……そもそも、アクセルがどうこうなる訳ないって俺は思ってたぜ」
オウカ、アウル、スティングのやり取り。
この3人、実はそれなりに仲が良かったりする。
マブラヴ世界でバーナード星系の調査に行った時に一緒だったからな。
「よ。お前さんがいない間にナタルをこっちに呼ばせて貰ったぜ」
「姫様に心配を掛けるのはあまり感心しないぞ、アクセル」
次の口を開いたのは、俺の友人でもあるムウとギルフォードの2人だ。
「ご無事で何よりです。俺もアクセルさんがどうこうなるとは心配していませんでしたが、それでもこうしてその顔を見ると安心しますね」
レイが静かに笑みを浮かべつつ告げ……
「ふむ、アクセルは以前よりも強くなったように感じるな。どうやら良い経験をしてきたらしい」
ムラタが俺の方を見て感心半分、羨望半分といった具合に話す。
ムラタにしてみれば、生身での戦いが行われ、しかもその戦う相手が歴史上の英霊だという聖杯戦争ってのは羨ましがるという気持ちしかないだろう。
ただ、今のムラタであっても聖杯戦争に参加すれば……どうだろうな。
そもそも、純粋に近接戦闘のみで戦う相手は佐々木小次郎くらいしか思いつかないが、あいつを相手にすれば、ムラタの勝ち目は相当薄いと思う。
「ああ、そうだ。ムラタには土産があったな」
「ほう? 俺に土産だと?」
「ああ。ここにいる中だと、生身での戦闘をもっとも重視しているのはお前だからな。多分お前が一番喜ぶものだと思う」
そう告げ、空間倉庫の中から1本の日本刀を取り出す。
鞘も何もない、刀身だけの代物。
刃の長さは80cm程であり、その刀身は濡れたように周囲の光を反射している。
見ているだけで思わず目を奪われるその刀身。それを見た者は次の瞬間に皆感嘆の声を上げる。
イザークですら見惚れていたと言えば、それがどれ程の物なのかは明らかだろう。
明らかにその辺で適当に入手出来るような代物ではない。
……まぁ、刀身が剥き出しなのは、金ぴかがこのまま王の財宝から射出してきたのを触れて奪った代物だからだ。
本来であれば、これ程の日本刀は当然相応の鞘が用意されてしかるべき代物だろう。
「この日本刀は……アクセル、これは一体」
手渡された日本刀を手に、ムラタが普段からは想像も出来ない程に慌てて尋ねてくる。
まぁ、確かにこの日本刀はそれだけ周囲の視線を集めるだけのものを持っているからな。
ムラタや他の者の様子にも満足し、俺はその日本刀の名前を……空間倉庫のリストに表示されていた名前を口にする。
「童子切安綱。いわゆる、天下五剣と呼ばれているうちの一振りだな」
「童子切安綱!?」
俺の言葉に再び驚くムラタ。
うん、その気持ちは十分に分かる。
俺自身は日本刀とかはそんなに詳しくないのに、そんな俺でも知ってる程の名刀だからな。
「い、いいのか?」
「ああ。お前向きだろ。ただ、分かってると思うが、それは別に本物の童子切安綱って訳じゃない。……いや、ある意味本物ではあるかもしれないが、お前が思ってるような童子切安綱じゃない」
俺の言葉の意味が分からなかったのだろう。訝しげなムラタの視線が俺に向けられる。
「どういう事だ?」
「俺が行方不明の時に行っていた世界。そこで戦った金ぴか……ギルガメッシュが使ってた武器だ。正確には童子切安綱ではなく、童子切安綱の原型だと思ってくれ。まぁ、魔力を纏っている武器だけあって、寧ろ本物より強力だろうが」
普通の宝具と違うのは真名解放が出来ない事だが、もしかしたらムラタが修行を重ねればその域に達する事があるかもしれない。
何しろ、魔法球とかホワイトスターにいれば寿命の心配はしなくてもいいからな。
ああ、ホワイトスターの方は今はまだ寿命の心配があるが。
「なぁ、アクセル。俺にはそういう土産ないのかよ?」
ムラタの方を見ていたムウが尋ねてくるが、首を横に振る。
「確かに宝具……いや、武器の類は色々とあるけど、それを使いこなせない奴にやってもしょうがないだろ。大体、ムラタは日本刀を主武器として使っているけど、ムウの場合は使うとしても銃とかだろ?」
「……否定はしない」
「で、残念ながら俺が入手した武器は近接戦闘用の物が殆どなんだよ。剣、槍、ハルバード、バトルアックス、その他諸々。まぁ、弓とかがあれば話は別だったかもしれないが、そっちは無理だったしな」
金ぴかの攻撃手段が宝具の投擲である以上、弓や矢を放つような事はなかった。
勿論王の財宝の中にはそれらも入ってたんだろうが、戦闘スタイル的に合わなかったんだろうな。……アーチャーなのに。
で、本来なら大量のそういう武器が入っている王の財宝は、鍵剣を俺が使いこなせないから全くの無意味。
……真名解放云々とかじゃなくてもいいから、誰かあの鍵剣を使えるようになってくれればいいんだけど。
尚、当然の事ながら現在俺の空間倉庫にあの鍵剣は入っていない。
現在魔法球の中で、目下技術班やらエヴァやらが調べているところだ。
天の鎖やエアを含めて最優先でと言ってあるけど……難しいだろうな。
まぁ、天の鎖は真名解放をしなくても対神宝具としての力を発揮出来るから、最優先として頼んでる中でも重要度は低い。
「いや、そもそも弓とか貰ってもな。銃とかないのかよ?」
「ないって。基本的に英雄とかとの戦いだぞ? 遙か昔に銃とかあると思うか?」
そう言いつつも、王の財宝の中になら入っていてもおかしくないんだよな。
ZEROの方では空飛ぶ船とか使ってたし。
「……アクセル。いい物を貰った。代わりと言ってはなんだが、俺もこの1年の成果を見せよう」
ムラタが俺の方を見ながらそう告げてくる。
成果?
それに首を傾げつつ、取りあえずはという事で頷きを返す。
ムラタは俺の側から離れ、周囲に誰もいない場所へと向かう。
そのまま手に持った童子切安綱を構え……
「神鳴流奥義、雷鳴剣!」
その言葉と共に、振るわれた童子切安綱の剣先に雷を纏いながら空中を一閃する。
「神鳴流奥義って……」
いや、何が驚いたかと言えば、正直このFate世界から戻ってきてから一番驚いた。
「どうだ?」
「どうだと言われても……驚いたとしか言えないな。確かに桜咲から習っているという話は聞いたが……よくもまぁ」
「まだまだ修行中だがな」
「……まぁ、確かに1年程度でどうにか出来るとは思っていないが。それでも凄いと思うぞ」
「そうか。……そうか」
しみじみと頷くムラタを眺め、剣の才能においてはさすがとしか言えないと考える。
また、桜咲が実は教えるのが上手いのだとすれば、将来的に近衛共々シャドウミラーに入る予定なのだから、もしかしたら神鳴流の剣士が量産される事になるのかも? とも。
量産型Wが魔法や神鳴流を使いながら戦う光景を想像しながら、ふとそう思うのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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