『茉莉花-マリカ-』
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『存在理由』
何回か帰り際にフェリー代をくれた。
高松に出ておいでって。
皆が毎日単車で来るのは大金かかるけど、零が1人で高松行くのは何百円かで済む。
高松で遊ぶようになった。
いつものメンバー以外の人達とも逢った。
紹介してくれた。
中1の零から見たら皆は大人。
色んな人達に出逢った。
まず、茉莉花先輩をジャスミンと呼ぶ彼氏、サムライ。
レディース仲間以外に、茉莉花先輩を慕う友達や後輩、悪友、ライバル。
自分の保身の為に茉莉花先輩を利用してる人も居た。
茉莉花先輩は、そぉゆうのも解ってた。
解った上で関わり続けてた。
『どんな理由でも良い。此処が必要なら、私が必要なら。出来ることなら何でもするし、なんぼでも助ける。其の子の為に成るなら...。
人間やし汚いとこは在る。100%の信用は有り得ん。要らん。無理やもん。私も、私を100%信用してって言えん。
其れでも100%に近付けるくらい守りたいって想ってる。其れが私の存在理由やけんっ!』
愛花サンが来た。
聞いてたらしい。
喋り出す。
『零、あたしは茉莉花に救われたんやぁ。あたし死のうとしょってな、ほな、知らんヤンキー来るやんコッチに。で、「死ぬんやったら、私殺してからにしぃや!」って言うやん。不気味に笑うし、怖くて逃げたんよ』
茉莉花先輩が遮る。
『あん時の顔バリおもろかったわぁ!』
愛花サンが続ける。
『怖いって普通あんなん言われたら!で、逃げるあたしの手掴んで放してくれなんだんよ!で、単車の後ろに乗らされた。
夜中じゅうズット走った。バリ気持ち良かった。朝日とか一緒に見て、まさに青春ってカンジ』
茉莉花先輩が言う。
『あの朝日は私も忘れん』
愛花サンが張り合うように言う。
『あたしは一生忘れん!』
茉莉花先輩と愛花サンの会話が目の前で続く。
『でも、愛花も零と同じ。私が後ろ乗りぃ言うても疑いの目やった。信用無かったなぁ私』
『いきなりやもん。茉莉花だって逆にされたらビックリするって』
『まぁそぉかもなぁ』
『今は感謝しかないけどね』
『ほんまかぁー?』
『当たり前やん!命の恩人やし!生きてて良かった思ってる』
『ほな良かった。私の存在理由無くなったら此処無くなるし』
『んな事言わんといてや茉莉花らしぃ無いっ!』
『私は自分の為じゃ無くて誰かの為じゃ無いと生きられん』
『それ逆にスゴイし!あかんのん?あたしはそんなん無理やし!正義感無いし誰かを救えるだけの器やか無い。茉莉花スゴイよ』
『アハハ!愛花はソコが可愛いんよ?ええ子や』
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