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海未に魅せられて

作者:直樹
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園3後悔が残らぬように

 
前書き
これが最終話です。
 

 
「こんな真っ暗な夜道を一人で帰ろうとしていたなんてあなたに着いてきてもらって正解ですね。」
「最近、日が落ちるのも早くなってきましたからね。」
「あなたは大丈夫ですか?私を送った後1人でまたこの道を戻って来ないといけないんですよね?やっぱり、、」
「大丈夫ですよ。これでも僕、男なんで。それに、先輩をこんな夜道を一人で帰らせるわけにはいきませんから」
「あなたは凄いですね。やはり私は少し怖いです。」
「大丈夫ですよ。僕が先輩の隣で先輩の事見てますから先輩になにかあったらすぐ助けられます。」
「ありがとうございます。頼りにしていますよ。」
隣で先輩のとこ見てるなんてまたキモいこと言ったかも?好感度を折れ線グラフにしたらスカイツリーでもできるんじゃないか?あれ?でも頼りにしてるって言われたよな。あんなこと言われたら何があっても守るしかないな。
「すみません。忘れ物をしてしまったみたいです。少しここで待っててください。」
「一人で大丈夫ですか?」
「はい。まだそんなに離れていませんから。」
スカートを揺らしながら走る。
もう少しでスカートの中が見えそう。
いや、絶対に見たら駄目だ。でも目を放せない。やばいどうしよもう少しで見えてしまう。分かっていても目が放れない。自分の欲と戦っている間に先輩は、見えなくなった。


「えーとっ確かここに、あっありました。」
ガラララ。ドアの開く音が真っ暗な教室に鳴り響く
「おーおー園田じゃねーか。こんな時間になにしてんだよ。」
「忘れ物をしたので、取りに来ただけです。」
「こんな時間に一人でか?丁度いいやちょっと俺の相手してくれよ。」
「嫌です。私は人を待たせてるんです。あなたみたいな人の相手をしている暇なんてありません。」
「あ?生意気な口聞いてくれるじゃねーか。いいから黙って俺の相手しろや!」
怒鳴り声を上げ襲い掛かる。
「やっやめてください。」
瞳からは涙がこぼれ頬をつたる。
「先輩!先輩から離れろ!」
「あ?うるせーなーあ?。てめーから相手してやるよ。」
こんなゴリラみたいなやつに勝てるのか?でも先輩のためだ。絶対に先輩は守る!
「うおーーーーー!」
どかっばこっぼこっゴリラ男に殴られ続け倒れてしまった。
「なんだこいつめちゃくちゃ弱いじゃねーか。」
「う、うるさい。先輩には近づくな。」
かすれた声で言いながら僕は思う。このままじゃ先輩が先輩は絶対に守らないと
「てめーは黙ってそこで寝てればいいんだよ!」
ドッ。蹴られた瞬間、咄嗟に足を掴んだ。
「離しやがれ!」
「絶対に離さない!」
先輩を守るために。そしてゴリラ足を思いっきり引いた。ゴリラはバランスを崩して倒れ気を失ったみたいだ。
「先輩。大丈夫ですか?すいません。僕がもっとしっかりしていれば。」
「怖かったんですよ?あなたが来てくれていなかったら、私は、、、」
「さっき約束しましたから、先輩になにかあったら助けるって。」
先輩はへたっと力が抜けたように座り込む。頬を濡らし弱々しい先輩の震えた声。こんな先輩を見るのは、初めてだった。僕が着いていって上げてればこんなことにはならなかったかもしれない。
「先輩立てますか?」
先輩は横に首を降った。僕は先輩に手を差し伸べる。それに答えるように先輩は僕の手を強く握りしめた。
そして数分がたち
「お恥ずかしい姿をみせてしまいすいませんでした。」
「もう、大丈夫ですか?」
「はい」
「それじゃあ、帰りましょうか。」
先輩は微笑んだ。でもそれは僕には少しぎこちなく見えた。


「ありがとうごさいます。本当に家まで送っていただいて。」
「お礼を言われることはなにもしてませんよ。僕は自分のやりたいことをやっただけですから。それじゃあ僕はこれで。」
「本当に一人で大丈夫ですか?ずいぶん夜も遅くなってしまいましたし。」
「大丈夫ですよ!」
「そうですか。それでは、気を付けてくださいね。」
「はい!」
そして先輩は僕に背を向ける。僕は少し寂しい気持ちになり思う。もうこんなチャンスは二度とないかもしれない先輩ともう喋る機会もなくなるかもしれない。僕も男だ。覚悟を決めろ。後悔しないために。振られてもいい。どんな答えが返ってこようと僕は後悔しない!自分の気持ちを伝えるだけで充分だ!
「あの先輩!」
「どうしたのですか?」
先輩は僕の方を振り返る。
「最後に一ついいですか?」
「はい。」
「僕と付き合ってください。」
「、、、はい!」
先輩は少し恥ずかしそうに頬を赤く染め優しく微笑んでそう答えた。

──fin── 
 

 
後書き
一話から読んで下さった方や途中からの方も読んで下さり有り難うございました。
感想や評価もらえれば幸いです。
では、またお会いできることを祈って。 
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