がっこうぐらし!The world in confusion
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chapter23
side胡桃
「お疲れさま恵飛須沢さん」
何時ものように見回りを終えて帰ってきたら部室で作業をしていためぐねえが声をかける。
「めぐねえこそ、疲れてないの?かなり無理してるはずなのに」
「もう、めぐねえじゃなくて佐倉先生でしょ?私になんて若狭さんと朝倉さんに比べたら」
そんな話をしていると音姉と由紀が入ってきた。
だが音姉の顔色は悪くまだ引きずってる様子が見られる。
「音姉、本当に大丈夫?」
「ううん、心配しないでわたしは大丈夫だから」
あの由紀でさえ、今の音姉を心配してるのだ…大丈夫といっているが絶対大丈夫ではない。
あれから…あの放送から既に4日が過ぎていた。
あの後すぐりーさんと音姉が倒れた、そのあと一夜明けたけど目を覚ましたのはいいけど二人とも脱け殻のようになっており、精神的に危険な状態に陥っていた。
音姉はようやく完全というわけではないが立ち直った。
「あの…若狭さんは…」
音姉がりーさんが今何処にいるか聞いてきて私たちは顔をうつむく。
「若狭さんは…今日もあそこに…」
「そう…なの…」
事前に知っていたから理解をした音姉も顔を俯く。
「私ちょっと見てくるよ」
「気を付けてね恵飛須沢さん、門を閉めたけど奴等は入ってきてるかもしれないし」
「わかってるよ」
シャベルを背負い部室から出て『階段で一階におり本校舎から出て体育館の二階のとある部屋へと向かった。
なんでここまで移動できるかというとこの4日間で奴等と管理局を両方同時に相手をするのは完全に危険だと踏んで奴等が少ない夜を狙って校門を封鎖し奴等を敷地内に入れなくさせた。
これにより、たまに入ってはくるが前回より奴等との遭遇するのは減った。
勿論、学校内などで奴等がいるがそれでも少数であるから油断さえしなければ私ても簡単に倒せる。
来る途中でも奴等はいただが、全員倒されている…共通して頭に何かが突き刺さって死んでいる…これをやったのは誰かは既に想像できるが。
そして目的地である弓道所にたどり着いた。
中は敷かれている畳は血で汚れて壁や装飾品も荒れているなかそこに一人たっている人がいた。
その人は手に持つ弓の弦を引き、つがえた矢を放ち20はある離れた的を射抜く。
「そろそろ帰ってきたらどうだ?りーさん」
弓をもち、顔をもかなり隈など出来て酷くなっているがこれが今のりーさん…若狭悠里である。
「何しにきたの…胡桃」
第一声は予想はしていたけど少し前のりーさんならあり得ないと思うくらいの冷たい言葉だ。
「みんな心配してりーさんの様子を見にきたんだよ…まあ顔からしてあんま寝れてないみたいだな…」
「別に私の勝手でしょ?」
これまた前のりーさんでは言わない言葉だ…
この4日間で一番変わったのはりーさんだ。
あの日から丸一日塞ぎ混んでいたのだが、次の日には居なくなっていた。
あの時点で門だけは閉めることに成功していたので急いで学校中を探し回って見つけたのもここだった。
あのとき勝手に居なくなったりーさんを怒鳴った…けどそこで帰ってきた言葉は
「それで?」
あまりにもりーさんが言いそうにない言葉で立ち尽くした私にりーさんは話を続けた。
「私ね、決めたの…ゆうくんを殺したあいつらを…管理局を許さない…だから管理局を潰す…組織の人間全員殺す、一人も残さずに殺してやるって…」
その時のりーさんの瞳は完全にゆうくんを殺した復讐の目になっていた。
それからりーさんは食事などの時間以外はここにいる。
「なあ、りーさん、頼むから復讐なんて止めてくれ…りーさんが憎んでる気持ちはわかる…私だって許した訳じゃないし…けど!雄也自身、りーさんにそんな復讐なんて望んでないはずだ!」
第一死んでいないかもしれない…実質死んだところをこの目で見たわけではないのだから。
「胡桃に何がわかるの!?この苦しみが!私にとって…ゆうくんは大切な…大好きな人だった!…本当に失ってから気づいた…ゆうくんが好きだって…」
りーさんの気持ちはかなりわかる、私も先輩のことが好きだったし、あの放送を見て怒りを覚えて殺したいと思ったこともある…けど
「お前は…俺みたいに殺戮者になるなよ」
雄也のあのとき言った言葉で殺したら駄目だと自分に言い聞かせてやってきた。
「雄也は私に殺戮者になるなっていった…あのときはどういう意味なのかも知らなかったけど4日前にようやくわかった…だから、私はりーさんを殺戮者なんかにさせない…」
そしてあいつが帰ってくるここを守るこれが私の決意だ。
「……少し一人させて」
「わかった、昼には戻ってきてくれよ」
そういってりーさんを残して部室に戻ることにした。
帰り道の途中何故か奴等の数が多かった。
何故と思ったがその思考は次瞬間悲鳴が聞こえてきた。
「この声…由紀!?」
何かあったのだと思って邪魔な奴等を最低限で一掃し二階に差し掛かるとバリケードが崩れていることをみて奴等ではなく管理局だとわかり悲鳴が聞こえた場所へと辿り着くと左腕なら血が流れているめぐねえと後ろには由紀と音姉、めぐねえの前にはあのとき雄也によって退いた管理局の人間がいた。
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