いつまでも、平行線
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エピローグ
前書き
プロローグではなく、エピローグからの始まりとなります。
ご了承ください。
ゆったりと椅子に座り、紅茶を飲む一人の少女。長いロングヘーゼルの髪を耳の下でゆるく一つに束ねた彼女は、室内に視線をさまよわせる。
屋根裏で息を潜め、襲撃の時を狙う一人の青年。短く切り上げられたシルバーの髪は、室内から漏れた光に反射し、鈍く輝いて見える。
少女はゆっくりと立ち上がり、部屋の隅の一点を見つめた。
青年は素早く屋根裏を移動し、少女の見つめる部屋の隅で襲撃の構えを取った。
その瞬間下を向いて何かを呟く少女は、悲しそうな、何かを諦めたような表情でそばにあった剣を手に取り、
青年は、悔しそうな、辛辣な面持ちで腰元に差してあった短刀を手にした。
お互いの、視線が、ぶつかり合ったとき、
それは、
少女と青年の歴史が終わり、
『月』と『闇』の歴史が始まることを意味していた。
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