| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ごめん・・・

それからしばらくして俺はなんとか森から抜け出ることが出来た。もう俺に魔法を教えてくれた男の人の顔すら覚えてないくらいの期間が経っていたけど、それでも俺は自力でどこかの街へとたどり着いていた。

「やっと着いたぁ・・・」

何ヵ月ぶり・・・下手したら年単位の期間が経っていたかもしれない。久々に見た街の景色に思わず嬉しくなって笑みをこぼす。

「さてと・・・それじゃあ・・・」

何かまともな物でも食べようかと思い店に入ろうとした。しかし、そこでまたしても気付く。お金がないことに。
しかし、旅を始めた時と今の俺はわけが違う。あの時は魔導士を諦め、魔法から離れて生活していく予定だった。だけど今はあの人に教えてもらったこの魔法がある。結局魔導士への道に戻ってきてしまったのはなんか決まりが悪いけど、元々あの校長とグラン・ドマにさえ出会わなければこうして魔法から長い期間離れることもなかった。つまり俺は魔導士を辞めたかったわけではなくあいつらと一緒にいたくなかっただけなんだと俺は確信を持った。
街の人に話を聞いたら近くにフリーの魔導士に仕事を与えてくれる受付所があるらしい。その日はすでに暗くなりかけていたし、場所も遠そうだったことを踏まえてその日は森の中で体を休めることにした。そこから歯車が再び噛み合うとも知らずに。











その日の夜、俺は果実がなっている木を見つけたのでその近くで休むことにした。ここなら食事に困らないし、街から多少離れてはしまったが行き方は簡単に覚えることが出来たので問題はないだろう。
そう思い俺は木から果実をもぎ取り食していると、どこからか女性の悲鳴が聞こえてくる。

『きゃああああああ!!』
「なんだ?」

俺は何かと思い声が聞こえてきた方向へと様子を見に行く。すると1人の女性が数人の男に囲まれている姿を目撃してしまう。

「うわっ・・・」

叢の陰に隠れて見てはいけないものを見た気がしてタメ息を漏らす。正直見なかったことにして休もうと決めた場所に帰りたい。だけど今ここで彼女を助けなければきっと後から罪悪感が襲ってくるに違いない。さてどうするか・・・
どういう経緯でこのような展開になっているのか探ろうと思いもう少し様子を伺うことにした。でも聞こえてきた話の内容からしてただのカツアゲであることがわかった。そうなるとますます見てみぬフリはできない。

「仕方ないか」

俺は意を決して彼女を助けることにした。
ただし、相手は見た感じ10人以上はいるから真っ正面から戦うつもりはない。今女の人を掴んでいる男の人・・・たぶんリーダー格の人間だと思う。そいつにワンパンして相手が呆気に取られているところで女の人の手を引いて街まで逃げる。これでいこう。
俺はまず連中の背後に回りバレないように接近していく。奴等は周りを全く警戒していないようですんなりリーダーの男に張り付くことができた。

「おい」
「あぁ?」

声をかけると男はこちらを振り向く。その振り向く力も利用して覚えたての魔力を拳に込めて頬にパンチをお見舞いする。ここまではよかった。だが問題はその後だ。俺はかなり軽く殴ったつもりだったのに男の体は宙を舞い、木々を数本倒しながら飛んでいく。

「ぐはっ・・・」

数メートル飛んでいった男は白目を向いていて気絶する。それを見た男たちは殴り飛ばした男・・・つまり俺を見て顔中に血管を浮かべていた。

「テメェ!!何しやがる!!」
「俺たちに手ぇ出してどうなるかわかってんのか!?」

女の人を助けて逃げる作戦だったのにまさかの失敗。今から逃げようにも周りは完全に囲まれてしまった。

「やべぇ」

いくら魔法を使えるようになったとはいえ所詮は付け焼き刃の魔法。しかも相手は十数人。勝ち目なんてあるわけがない。俺はボコボコにされるのを覚悟した。しかし・・・

「ごはっ・・・」
「いてぇ・・・」
「こいつ・・・」
「マジかよ・・・」

数分後、立っていたのは俺の方だった。しかも全くの無傷で。
予想外のことに俺も驚き立ち尽くしていると、捕まっていた女の人が俺のもとにやって来る。

「あの・・・」
「え?」
「助けていただいてありがとうございます!!」

深々と頭を下げる女性。俺は恥ずかしかったからその人に頭を上げてもらうと女性は俺にこう言った。

「もしかして依頼を受けて来てくれた魔導士の方ですか?」

それを聞いて思わず崩れ落ちそうになった。これ依頼出てたのかよ・・・お金が全くない俺にとってそれは大変勿体ないと思わせる一言だった。
助けたという点では最高だろう、しかしこれは全くお金にならない仕事。不謹慎だとはわかってる。だけど落ち込まずにはいられない。

「いえ・・・ただの通りすがりの者です・・・」

落胆しながらそう言うと女性は驚いた後思いもよらない提案をしてくれた。

「もしよければ、私たちの街でお礼をさせては頂けませんか?もちろんお金も差し上げます」

たぶん俺はかなり笑顔になっていたに違いない。それぐらい嬉しい提案だった。お礼っていえば食事とかが出るだろうしおまけにお金までもらえる。もちろん俺はその誘いを受けて一緒に村までついていった。美味しい食べ物と今後の生活費。ルンルンと軽い足取りで俺は先程倒した山賊たちに悩まされていた村へと向かった。


















リオンside

レオンが家を出てから2年と数ヵ月。グレイが消息不明になってから5年ほど経った頃だったろうか。俺たち蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の元へある依頼が届いた。それは村の周辺に度々現れる山賊の討伐。どの程度の山賊なのかは記載がなかったが、近くにハルジオンの街があるとのことで早急に解決すべき依頼と言われ俺とジュラさん、そしてシェリーの3人でこの依頼をこなすことになった。
ハルジオンは大きな港があり仮に山賊がそこを占拠したら大変なことになるというのが早期解決の大きな理由だった。
俺はレオンとグレイを失ったショックで仕事が手につかない時期があった。シェリーたちが支えてくれたおかげでなんとか持ち直したが、やはり奴等を失った心理的影響は大きかった。
山賊程度なら俺1人でも出来ると思ったが万一心理的影響で力が出せなかった時のためにジュラさんたちも一緒についてきてくれることになったのだ。
俺たちはまず依頼を出した村へと向かうことにした。
街を出てすぐにハルジオン港には着いた。そこから森の中へと入っていき小さな村へと向かう。次第に目的地の村が近づいてきた。すると、ある異変に気付く。村がやけに騒がしいのだ。
現在の正確な時刻はよくわからないがすでに日は落ち暗くなっている。普通の街なら夜に宴会をすることはよくあることだか今この村は山賊という驚異に脅かされているはず。なのにこの盛り上がりようは一体なんなのだ?

「すまん、ちょっといいか?」

俺は一番近くにいた男に声をかける。俺たちが山賊退治の依頼を受けてきたことを伝えるとその男と近くにいた村人たちは深々と頭を下げる。

「すみません!!連絡するのを忘れていました!!」

連絡?何のことがわからずにいると彼らは説明をしてくれる。何でもとんでもない魔導士が山賊たちを瞬く間に倒してしまったらしい。その山賊たちは村の倉庫の中でグルグルに縛られて監禁されており、明日評議院が引き取りにくることになっているとのことだった。
よって今はその英雄に感謝を込めて宴を執り行っているらしい。

「ほう。それは解決して何よりだった」
「本当ですわね」

2人の言う通り早期解決が出来てよかった。しかし、俺は捉えられている山賊たちを見てあることに気付く。
かなりの人数が捕まっているのである。聞いた感じだとその魔導士は1人らしいのだが、この人数相手に瞬殺するとは・・・

「どんな魔法を使う魔導士だったのだ?」
「氷の魔法を使う方でしたよ」

それを聞いて俺の頭の中にある人物が浮かんだ。黒い髪をした俺の弟弟子・・・あいつの魔法は俺と同じ、つまり“氷”属性なのだ。
なぜこんなところにいるのかとなってしまうがもしかしたらうまく波に流されてここにたどり着いたのではないかと俺は思った。
その魔導士に会わせてくれないかと頼むと村人たちは快くOKしてくれた。
案内されてその人物の前までやっていく。もしかしたらと思ってその人物を見る。しかしそいつは俺の頭に浮かんだ奴とは違った。だが、その人間の顔はどこかで見たことがある気がする。髪は無造作に伸びておりボサボサだが、その整った顔立ちはそのむさ苦しさを一瞬でかき消してしまうほどに整っている。しばらくその表情を眺めていると俺の視線に気づいたそいつはこちらを見ると、思わず固まっていた。
その様子を見て俺もようやくその人物が誰なのか気づいた。2年ぶりだった上に見た目が大分変わっていたために気付くのが遅くなった。

「レオン・・・」

俺の大切ないとこ、レオン・バスティアだった。


















レオンside

村でたくさんの食べ物をもらっていたら不意に誰かの視線を感じそちらに視線を移した。そこにいたのは忘れもしない人がいた。

「リオンくん・・・」

俺のいとこのリオンくん。それにジュラさんとシェリーさんの姿も見えた。3人を見つけた時俺は直感的にヤバイ気がしてその場から逃げ去ろうとした。

「あれ!?レオンくん!?」
「どこいくんですか!?」
「急用です!!」

村人たちはいきなり走り出した俺を見て驚いていたがそんなの構っていられない。しかし、

ガシッ

俺の首根っこは追いかけてきたリオンくんに捕まってしまった。

「レオン、久しぶりだな」
「う・・・うん。久しぶりだね」

いつも通りの表情で俺を持ち上げながらそう言うリオンくん。きっと俺は表情がかなりひきつっているに違いない。絶対会いたくなかった・・・むしろ会わないようにしてきたのに、こんなところで会ってしまうとは・・・

「今までどこにいたんだ」
「森の中をうろうろと・・・」
「そうか・・・」

しばしの沈黙。突然のことに村人たちはビックリしていたがジュラさんとシェリーさんが事情を説明しているようだった。

「帰るぞ、レオン」
「え?」

俺を下ろしたリオンくんは手を引き歩き出そうとする。俺はそれに反発するように体重をかけて進まないようにする。

「やだ!!俺は絶対帰らない!!」

別にリオンくんたちと一緒にいたくないわけじゃない。ただ俺は嫌な思い出が多いあの街には戻りたくないし評議院の配下になっているギルドにも入りたいとは思わない。そう伝えるとリオンくんは俺に目線を合わせながら頭を撫でてくる。

「シェリアはどうするんだ」
「え?」
「シェリアはお前のことをずっと待っているんだぞ!!」

シェリアは俺が魔法学校を辞めて消息を絶ってからもずっとギルドに入ることなく独学での勉強を続けていたらしい。全ては俺が帰ってきた時に一緒に蛇姫の鱗(ラミアスケイル)に入るために。
俺は愕然とした。同時に何をやっていたんだろうと自分を責めた。シェリアの邪魔をしないために彼女の前からいなくなったのに彼女は俺のことをずっと忘れずに待ち続けていてくれたのだ。
涙が止まらなくなった。シェリアの優しさと自分の情けなさに。

「目が覚めたか?」
「うん・・・」

すぐにリオンくんたちにつれられて俺の生まれ故郷マーガレットに帰っていった。
街は多少変わってはいたが、おおまかなところは変わらずに残っていた。やっと帰っていた懐かしい景色に感無量で目に焼き付けていると目の前に赤紫色の髪をビックテールにした少女が現れる。

「レオン!!」

シェリアは俺を見つけると飛び付くように抱きついてくる。俺は自分を強く抱き締める少女を同じように抱き返す。

「ごめん・・・シェリア」
「おかえり・・・レオン」

俺たちはしばらく感動の再会に浸り涙を流していた。彼女の優しさと温もりを感じ帰路へと着いたのだった。














帰ってきてからしばらくは色々と大変だった。失踪した俺のことは魔法学校でも問題になっており帰ってきたと同時に謝罪に向かった。校長はムカついたからぶん殴ったけど。
評議院にも無事に見つかったことを報告にいきついでにグラン・ドマの足を打ち抜いてまた問題になったのはちょっと笑えた。

一通りの挨拶を終えると学校には戻らず蛇姫の鱗(ラミアスケイル)に加入した。もちろんシェリアと一緒に。
ギルドに入ってからは最初はリオンくんのいとこということで色物のように見られていたがすぐにそれは払拭された。
リオンくんたちに仕事を任されシェリアと2人でいったら2日ほどで達成して帰ってきたからだ。
てっきり簡単な仕事を授けたのだと思ったら実はそれはS級の魔導士しかいくことができない超高難度な依頼だったらしくギルドの皆驚きを隠せなかった。

それからしばらくはシェリアは俺のせいで空いてしまったブランクを取り戻すために修行や難度の低い依頼をやっていた。
俺はその間も難しい依頼・・・といっても全て討伐系のものだが、それをこなしていた。
丁度その頃リオンくんとシェリーさんの発案で俺とシェリアは一緒に暮らしていたからお金がたくさんもらえるクエストは助かった。一緒に暮らした理由は俺の脱走防止とシェリーさんが婚約者のレンさんと会いやすくするのが狙いだったらしい。

そんな生活を続けていたある日、大魔闘演舞が1ヶ月後に控えた頃だったかな?俺とシェリアはある依頼を一緒にこなすことになっていた。
その依頼は以上繁殖で街を襲っているワイバーンの討伐。討伐系は俺の得意分野になっていたこととシェリアとペアでやらせようと最近なっていたらしく2人で依頼に向かったのだ。
ワイバーンは普段は森に住んでいるとのことだったのでそこを襲撃して退治する作戦になったので俺たちはその森へと向かった。

ワイバーンは予想通りかなりの数が住んでおり一瞬ビビったけど、シェリアが久々の討伐系の仕事だったことでワクワクしたおりそんな感情はすぐに消えた。
細かい作戦はなく純粋に力で倒そうとなった。
ワイバーンが1ヶ所に集まった時を狙っての任務開始。シェリアは相変わらずセンスを感じさせる軽やかな動きとパワーも兼ね備えた『天空の滅神魔法』を使いこなしワイバーンたちと戦っていた。
俺は細かいことはできないので力で押しまくっていた。

「レオン!!そっちいったよ!!」
「OK」

最後の一匹のワイバーンがこちらに向かって飛んでくる。俺はそいつに向かってブレスを放とうと頬を膨らませた。

「氷神の・・・」

順調だった。完璧にこなしていたはずの仕事だったのに、たった1つの出来事でそれは変えられない苦痛の日々への引き金へと変わってしまう。魔法を放とうとしたその瞬間・・・

ピョン

目の前に羽の生えたオレンジ色の猫が現れたのだ。

(ヤバイ!!)

直感でそう感じた。普通の魔導士ならここから魔法を止めることもできるのかもしれない。しかし、俺にそんな技量などあるはずもなく・・・

「怒号!!」

ブレスは無情にも放たれてしまった。













リオンside

ガチャ

ギルドの扉が開き、2人の小さな人影が見える。それは言わずと知れたうちの最年少コンビだった。

「おお、早かったな」

レオンは討伐系の依頼はかなり得意だ。純粋にパワーがあるから多少効率が悪くても他を圧倒する力を持っている。
加えてシェリアも一緒となれば早いのは当たり前か。そんなことを考えていると2人の顔が暗いことに気づく。

「どうし・・・」

2人の元に駆け寄るとそれぞれの手に猫が抱えられていた。ナツやシリル、ウェンディと同じような猫が。
そのうちの1匹は寝息を立てて眠っている。少し涙の後があるがそれはなぜなのか考えていると、レオンの手に抱えられている猫を見てその理由がわかった。

「やっちゃった」

虚ろな目をしたレオン。血まみれになった猫を抱えた彼の目からは生気が一切感じられなかった。














レオンside

俺の前に飛び出してきた猫・・・その猫を庇おうとして後ろから出てきた母親はそのまま死んでしまった。お墓はギルドの裏に大きめの石を置いて作った。
それから俺はせめてもの罪滅ぼしに殺してしまった猫の子供と思われる猫を飼い始めた。ラウルという名をつけて。
ラウルはとにかく明るい奴だった。親を殺した仇である俺にすぐになついてきた。本人的には飛び出してきた自分が悪いから俺に気を使っていたみたいだけど。
しかし最初の頃はとにかくきつかった。ラウルを見るたびにあの記憶が甦ってきてしまい彼を見ることがまともにできなかった。
おまけにそれが原因で俺は滅神魔法を使おうとすると体が強ばり、金縛りに合うようになってしまったのだ。
そんな俺を見てなのか、ラウルはある行動に出た。

「レオ~ン!!」
「どわっ」

後ろにずっしりとくる重み。声はラウルのものだったのに重さは全くの別物。意味がわからず後ろを向くとそこには人間の姿になっているラウルを見つけた。

「ラウル・・・なの?」
「うん!!どう?これならレオンもラウと一緒にいても大丈夫でしょ?」

こんなに気を使わせていたのか・・・俺はそう思うとカッコ悪い気がして、頑張ってラウルに慣れようと心がけた。
ラウルの努力のおかげで次第に猫型のラウルを見ても問題なく過ごせるようになった。だけど、それでも滅神魔法を使えるようにはなれなかった。

「どうしよう・・・」

以前と同じ“期待外れ”の人間に逆戻り。そんな俺を支えてくれたのはギルドのみんなだった。

「滅神魔法がダメなら違う魔法を使えばいい。安心しろ、俺が教えてやる」

リオンくんは俺に造形魔法の基礎から教えてくれた。さすがに街中で裸になるのはどうかと思ったけど、それがやり方なら仕方ないと思い懸命についていった。
ジュラさんやシェリア、ラウルやユウカさんたちは練習相手になってくれた。実践形式で使えるようにした方が俺には合うと思ったかららしい。

そして数ヵ月後に俺は造形魔法を修得した。リオンくんの速度やバランスには遠く及ばないが滅神魔法の名残のある黒い氷と本来の造形時の氷である赤い氷、双方を使いこなしてより感覚を研ぎ澄ましていった。
全ては支えてくれたみんなに恩返しするために・・・

















シリルside

「レオン・・・」

レオンにはそんな辛い過去があったのか・・・正直何事にも興味を持っていないようなあの表情や態度を見て誤解していた。きっとそんな過去があったから彼は今みたいな感じになった・・・いや、演じているのかもしれない。

「才能がなかった・・・か」

グラシアンさんはそう呟くとニヤリと笑う。

「最初のところ以外はおおよそお嬢から聞いた通りだった。お前にはそのでき損ないの造形魔法しかない。つまり・・・俺には勝てない」
「かもな」

否定することなくレオンはそう返す。

「でも俺は戦うよ・・・例え滅神魔法が使えなくても、みんなが手伝ってくれたおかげで手にいれた造形魔法があるから」

レオンはそういい両手を合わせる。

「アイスメイク・・・・・スノーライオン!!」

普段のよりも大きなライオンがグラシアンさんに飛び込む。たが彼は変化するとそれに薄緑の氷の虎をぶつけ相殺する。

「レオン・・・所詮そんなレベルでは越えられない壁があることを教えてやる」
『ああっとグラシアン!!今度はリオンに変化したぁ!!』

予想だにしなかった場面での親族対決。果たして勝つのはどっちなのか!?








 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
この1話にまとめるために多少端所ったのでおかしい部分もあるかもしれません。
次はようやくバトルに返ってきます。
主人公のシリルの活躍はないよ(笑)
次回もよろしくお願いします。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧