転生とらぶる
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Fate/stay night
1195話
前書き
今年も1年、転生とらぶるを読んでくれてありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
大聖杯のある空洞の中に突入した俺達は、天馬を操ってその空洞の中を飛んでいるライダーの姿を見た。
天馬は黒い獣に対して突っ込んでは、殺して……正確には轢き殺している。
まさに轢き逃げアタックというのが正しいだろう。
だが、それでも尚この空洞の中は大聖杯が次から次に生み出してくる黒い獣で溢れていた。
それでも尚この空洞の中が一杯にならないのは、黒い獣が死ぬと黒い霧へと変わって消えていっている為だろう。
洞窟の外で殺した黒い獣や、ここに来る途中で倒した黒い獣は霧になったりしていなかったのを考えると、恐らく大聖杯のすぐ近くだからこそ起きている現象と考えるべきか。
更に黒い霧はそのまま大聖杯に吸収されているのを見ると、黒い獣を倒しても殆ど意味がないのだろう。
そんな風に考えていると、黒い獣が……正確には恐らく大聖杯の中にいる言峰が俺達に気が付いたのか、こちらへと向かってくる。
「ちっ、取りあえず全員攻撃開始だ。戦闘に自信がない奴は後ろに下がれ! ただ、途中の洞窟にいる敵も全部倒してきた訳じゃないから、そっちは任せるぞ」
黒い獣自体の能力は、それ程高くない。
それこそ、衛宮でも普通に倒せる程度の強さしかない。
だとすれば、後ろはそっちに任せてもいいだろう。
セラの方もホムンクルスである以上、ある程度の戦闘能力はあるだろうし。
桜の方は……衛宮の応援でもしてて貰うか、
何だかんだで相性のいい2人だ。桜の応援は衛宮を頑張らせるだろう。……多分。いや、間違いなく。
「はぁっ!」
凛の投擲した宝石が爆発を巻き起こし、数十匹の黒い獣を消滅させる。
「たあああぁっ!」
綾子の振るう物干し竿が黒い獣を斬り裂き、霧へと戻す。
「はあああぁぁぁあっ!」
セイバーがエクスカリバーを縦横無尽に振るい、黒い獣を次々に斬り裂いていく。
「ふふふ。死んじゃえ!」
イリヤの髪の毛から生み出された使い魔が、巨大な剣へと姿を変えて突っ込み、次々に黒い獣を消滅させる。
「イリヤの敵、やっつける」
リズの振るうハルバードが、黒い獣数匹を纏めて消滅させる。
上空では依然ライダーの操る天馬が体当たりをして黒い獣を吹き飛ばしていた。
傍から見れば、まさに鎧袖一触と表現出来る程に圧倒的な戦い。
勿論俺の振るうゲイ・ボルクや炎や影の魔法といったものも大量に敵を倒していく。
「がああああああああああああああぁっ!」
貫通力が高く、この黒い獣に対しては致命的な一撃を放つ永久石化光線も活躍をしている。
戦況は圧倒的にこっちが有利な状況でありながらも、次から次に大聖杯から生み出される黒い獣が戦線をこれ以上上げられない原因となっていた。
BETAじゃあるまいし、どれだけ数で攻撃を仕掛けてくるんだよ、こいつら。
いや、BETAはあくまでも物質で出来ている以上、何らかの物質がなければ増えない。
それに比べると、こいつらは倒しても霧に戻って大聖杯に回収され、再び黒い獣として生み出されるという、半ば永久機関のような感じだ。
勿論完全に全てを霧として吸収出来るとは限らない以上、こうして戦い続けていればいずれは魔力切れで大聖杯も消滅する可能性はある。
だが、この大聖杯が消滅するまで戦い続ける事が出来るかと言われれば、否だろう。
それ以前に、どれだけ掛かるか……下手をしたら、数年の間休まずに戦い続ける必要が出てくる可能性すらある。
だとすれば柳洞寺に配慮するのを止めて、この山諸共に大聖杯を消滅させてしまった方がいい。
いや、そもそも明日になったら恐らく柳洞寺に人が戻ってくる。タイムリミットがある以上、悠長な真似は出来ないだろう。
ゲイ・ボルクが黒い獣を数匹纏めて貫いて霧散させ、同時に竜尾を振るって後ろからこちらに回り込もうとしていた黒い獣を弾き飛ばす。
そのまま俺の影から伸びた数十本の影槍は、真っ直ぐに黒い獣へと向かって突き刺さり、霧へと戻す。
「がああああああああああああっ!」
永久石化光線を放ち、炎獣を産みだして黒い獣共を蹂躙する。
鬼眼を使い、多種多様な状態異常を多くの黒い獣へと与える。
この状況で戦線が維持出来ているのは、俺の広範囲に影響する能力の数々のおかげだと言ってもいいだろう。
それでいながら、戦線を進める事が出来ない現状に敵の物量の多さ……より正確には、黒い獣を生み出す速度がどれだけのものなのかを現していた。
スライムで吸収するか? それをやれば一番いいのは確かだし、手っ取り早くもある。
だがこの黒い獣の正体は結局大聖杯が貯め込んだ、アンリマユの魔力だ。
だとすれば、それを吸収するという事は以前に俺が心配したように何らかの悪影響が出る可能性が非常に高い。
それを考えると、こちらとしてもスライムで吸収するという真似はちょっとな。
「鬱陶しい!」
ゲイ・ボルクを横薙ぎに大きく振るい、数匹の黒い獣を吹き飛ばす。
サーヴァントをスライムで吸収した場合、魂が小聖杯の方に行かなかったことを考えると、スライムで吸収した場合も霧に戻らないというのは多分正解なんだろうが……
ちっ、まさか、最後の最後でこんなに手こずる事になるとは思わなかった。
本来なら言峰を瞬殺して、その後は大聖杯をどうにかしてハッピーENDって感じだったんだけど。
こっちに向かって突っ込んで来る黒い獣にゲイ・ボルクを突き出し、背後から襲ってきた黒い獣に穂先の別の黒い獣を突き刺したまま石突きを突き出す。
石突きに貫かれ、ゲイ・ボルクの両方に黒い獣が突き刺された状態になるが、すぐに2匹共が黒い霧へと変化し、姿を消す。
「うおおおおおっ!」
背後の方から聞こえてきた雄叫びに、炎獣を生み出しながら視線を向ける。
そこでは、衛宮が背後から襲ってきた黒い獣へと向かって日本刀を振り下ろしていた。
そう、衛宮が現在持っている武器は日本刀。
どこからそれを入手したのかといえば、俺の空間倉庫の中からだ。
最初は道場にあった木刀を持っていこうとした衛宮だったが、それはどう考えても武器の威力が足りないだろうと判断し、空間倉庫の中にあった日本刀を貸した。
勿論あの日本刀は金ぴかから奪った宝具……ではない。
俺としても、さすがに衛宮に宝具を貸すのはいざという時の事を考えると勿体ないと思ったので、例に寄って例の如く、以前スパロボOGsの世界で放浪していた時に反社会的な組織を襲撃して入手した時の物だ。
それでも日本刀としてはかなりの品質であり、出す所に出せばそれなりの値段がつくらしい。
ポスターを丸めた物を強化してゲイ・ボルクを受け止める事が出来る――勿論手加減はされてたんだろうが――衛宮がそれだけの日本刀を用いているのだから、当然その威力は推して知るべしって奴だ。
サーヴァントや言峰、葛木のような本物を相手にすれば容易くボロを出してしまうだろうが、己の意思すら存在していないだろう呪われた聖杯の魔力により生み出された黒い獣を相手にするには、十分過ぎる程だった。
呪われた聖杯って、聖なる呪われた邪神像とか、そういう感じがするけど、気のせいか?
ともあれ、付け焼き刃ではあってもセイバーとの訓練を重ねてきたのだから、黒い獣の動きに追いつけなくなるなんて事も有り得なかった。
振るわれる日本刀の刃は、次々に黒い獣を斬り裂き、霧へと変えていく。
……へぇ。こうして見る限りだと、衛宮も十分な戦力になっているな。
少なくても、後ろを守って貰うのには文句がない。
何だかんだとこの聖杯戦争では俺が活躍していたが、いよいよ原作主人公の本領発揮ってところか。
原作とは大きく展開が変わってしまったが、桜ルートっぽい感じだ。
大聖杯とか、言峰がラスボスとか、臓硯とか、ライダーが仲間にいたりとか、その辺を考えると。
ともあれ、このままだとジリ貧以外の何者でもない。
どうにか事態を打開する必要があるんだが……ちっ、ここが空洞の中だというのが一々厄介だな。
現状をどうにか出来る手段はある。例えば、ゲイ・ボルクの真名発動でもある突き穿つ死翔の槍とかは、現状ではこれ以上ない程の効果を発揮するし、炎の魔法の広域殲滅魔法でもある『燃える天空』なんかもそうだろう。
だが、この狭い空間――天馬が自由に飛び回れるだけの余裕はあるが――でそんな方法を取れば、恐らく……いや、ほぼ間違いなくこの空洞は崩落する。
そして崩落してしまえば、こっちのメンバーにも被害が出る危険が非常に高い。
しまったな。やっぱりある程度以下の戦闘力しかない面子は洞窟の外に置いてくれば良かったか?
一瞬そう考えるも、そもそも洞窟の中に連れて来た理由が向こうに衛宮達や桜といった面子を残しておけば、言峰に囚われる可能性が高かったからだ。
今更そんな事を考えても、全く意味はない。
だとすれば、今は過ぎた事を悔やむよりも現状で何とかする必要があるという事になる。
現状で何とか、か。
方法は幾つかあるし、最初から大聖杯を消滅させる手段として考えていた方法もある。
だが、それを使うにしても最大の問題点が……俺が戦っていて、ようやく戦線を維持出来ているという事だろう。
「邪魔だぁっ! スライムッ!」
俺の怒声と共に、銀色の触手が現れた瞬間こちらに向かってきた黒い獣達が一瞬にして細切れになる。
確かにこの黒い獣を吸収すれば危険なのは事実だろうが、それは吸収すればだ。
スライムの鞭状の攻撃でなら吸収せずに斬り裂く事が出来るので問題はなかった。
銀の煌めきが空中を幾度となく走り、その度に黒い獣は斬り裂かれ、黒い霧へと姿を変えて大聖杯に吸収されていく。
スライムから放たれる触手の数は、数秒と経たずに百を超えるまでになっていた。
そもそも、スライムは今まで吸収した分だけ質量を増している。
その質量がどれ程あるのかと言われれば……さて、本当にどのくらいだろうな。
PTのような代物とかも普通に吸収してきたのを考えれば、恐らく数百t、数万t、もしくはそれ以上の質量になっていてもおかしくはない。
スライムという形の存在である以上、質量がそのまま触手の数に繋がっているのだ。
勿論その全てをこの空洞の中で出せる訳ではないが、それでも黒い獣を圧倒するだけの力は備えている。
事実、スライムを出してから徐々にこっちが有利になってきているのは事実だ。
……寧ろ、スライムを出しても徐々にしかこっちが有利にならないってのが、色々な意味で大聖杯の能力を現しているんだが。
まぁ、どちらかと言えば言峰が操ってるんだろうから、その辺を考えると大聖杯の火事場の馬鹿力的な何かなんだろう。
ともあれ、これで他の連中にもある程度の余裕が出来た。
なら、次にするべき事は……
「聞け! この黒い獣に対しての攻撃が一段落したら、一旦俺はスライムでの攻撃を止めて、切り札を出す。その間、お前達だけであの黒い獣の攻撃を防いで貰う必要があるが、大丈夫か?」
その声が空洞の中に響く。
人外の身体能力を持っているからこそ、いたる場所で激しい戦闘が起きているこの空洞の中でもその声は響き渡り、全員の耳に届いたのだろう。
真っ先に声を返してきたのは、天馬に乗って黒い獣を蹂躙しているライダーだった。
「任せて下さい。貴方がいない間くらいは十分に持ち堪えて見せます。これでも私はライダーなのですから、私もこの子も侮って貰っては困ります」
障壁を展開したまま黒い獣の群れを蹂躙している天馬を撫でながら叫ぶライダー。
天馬は基本的に戦いを嫌うとかなんとかあったみたいなんだが、今のこの状況ではそうも言っていられないらしく、天馬も戦いを嫌がってはいない。
「ライダーの言う通りです。私もセイバーとして、この程度の相手に負ける訳にはいきません!」
セイバーがエクスカリバーを振るい、黒い獣を次々に霧へと戻していく。
他の者達も同様の返事をし……
「アクセル、私に対して言うべき言葉はそうじゃないでしょ? 私とあんたはもう遠慮なんか必要ない関係なんだから」
ガンドを撃ち、その隙を縫って宝石を投擲している凛の声。
……そうだな、確かにそうだ。
「あたし達はアクセルと深い関係にあるんだ。その辺を承知の上で言って欲しいね!」
振るわれる物干し竿が数匹の黒い獣を一瞬にして霧へと戻しながら、綾子が叫ぶ。
「ああ、分かった。……じゃあ、こう言わせて貰う。俺が切り札を出すから、暫く頼んだ」
その声に強気な笑みを浮かべる凛と綾子。
そんな2人に笑みを返し、次の瞬間にはスライムを消去して後方へと跳ぶ。
俺がいた場所にすぐに乗り込んできたのは、当然凛と綾子。
その2人の攻撃が黒い獣へと放たれ……だが、やはり攻撃の速度は黒い獣が生み出される速度の方が高い。
勿論他の者達も黒い獣に対して攻撃をしているが、それでもやはり押され気味だ。
凛と綾子の戦いを見ながら、口を開く。
「来い、ニーズヘッグ」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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