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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第四十話 明石大尉!元ネタは日露戦争のあの大佐さん!!その五

「骨を切りそれでいて身を崩さない」
「その様にして、ですね」
「そして切っていき」
「その後ですね」
「そこも問題ですね」
「鱧は難しい魚です」
 切り方だけでなく調理もというのだ。
「ですが的確に切り調理していくと」
「その時にはですね」
「抜群の味になる」
「それが鱧という魚なのですね」
「そうです」
 まさに、というのだ。そのまだ若いが渋く苦味走った日本のダンディズムすら感じさせる男が言う。この彼こそが明石大尉である。
「このことを忘れないで下さい」
「いや、大尉は釣りだけではないんですね」
「調理もされますか」
「そしてその調理もですね」
「抜群ですね」
 皆感嘆していた、関西でも選りすぐりの職人達が。そして。
 寿司職人の一人がだ、明石に尋ねたのだった。
「大尉は以前十二メートルのホオジロザメを釣られましたね」
「はい」
「それはどうしたら釣れるのでしょうか」
「動きを見極めることです」
 明石は職人の問いにこう答えた。
「鮫の」
「そうすればですか」
「そうです、そうすればどの様な魚でもです」
 十二メートルあるホオジロザメでもというのだ。
「釣れるのです」
「左様ですか」
「私は釣り針なしで」
 釣りの基本であるこれもというのだ。
「使わないで三十メートルのシロナガスクジラをです」
「釣ったことがあるのですか」
「そうです、糸だけで」
「その様なことが出来るのですか」
「見極めるのです」
 鋭い目になりだ、明石は職人に話した。
「相手の動き、そしてその力と流れに合わせ」
「相手の口の中にですか」
「糸を入れてです」
 釣り針がなくとも、というのだ。
「一気に引っ張れば」
「捕まるのですね」
「はい、三十メートルの鯨といえど」
 それでもというのだ。
「出来るのです」
「そうなのですか」
「気で捕まえるのです」
「気で、ですか」
「針の大きさは限られています」
 釣り針のそれはだ、確かに実に小さい。
「ですが」
「気の針はですね」
「大きさ、硬さは自由自在になります」
「そしてその針を使い」
「釣るのです」
「それでなのですか」
「釣りは針やルアーでするものではありません」
 当然餌でもだ、尚餌にゴカイを使うとゴカイに噛まれることもある。作者も噛まれたことがあった、さして痛くはなかったが。
「気、そして心でするものなのです」
「餌も使わないで」
「そして行うものなのです、尚且つ」
「尚且つ?」
「魚も生きています」
 このことも言うのだった、明石は。 
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