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『殺し、失い、得たもの。』

作者:零那
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『日常』



人を殺した後も何事も無かったかのように...
こぉやって日常に戻るんかぁ...
こんなんで良かったんやろか...

でも今更出頭できひん。
それこそ皆を巻き込んでしまう。
こぉなったら遺体が見付かった時に捕まる他無い。
でも、絶対みつからんって...
ミンチにでもなったんやろか?

ホンマはこぉゆうの今迄したことある人なんやろか?
人殺しも何回かしとんやろか?
そぉゆうのがあってもおかしくない世界やし。

大阪居った頃、母さんが観よったヤクザもんのテレビには、殺したり沈めたりもあった。
そんな昔ほど無いにしても、少なからずそぉゆう事実はあったわけやろぉし...
まぁ仮にそぉやったとしても今の関係は変わらんけど。
で、今の生活も。

零が表立って問題起こさん限り、何も変わらん。
こんなことしても、ただ、なくなっただけ...失っただけ。
それでも、此で良かったと、後悔はないと...

昔、冗談混じりに蓮と交わした約束。

『俺が死にたぁなったら零に頼む!そん時はヤってなっ!!』

『えーっ!じゃあ零も!何回も未遂で死に損ないやし、蓮が確実に殺してやぁっ!!』

『早いもん勝ちか!』

そんな会話。
今頃頭をよぎる。
世間的には許されん。
でも2人には許される。
これで良い。
これで良かった。

蓮の名前を出す奴は1人もおらなんだ。

何気ない日常に戻る。
心の一部を置き去りにしたまま。
日常に戻る。
戻す...
日常に...


-END-

 
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