攻撃手 狙撃手 エンジニアのトリップ集団!!
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トリップ一年目
第三章 玉狛第一の狙撃手
第三話 きっきーの弱点
~きっきーside~
私、怖いの。
人をスコープで覗いている時・・・手が震えるの。
撃ちたくない。撃てない。見たくない。
怖くて、辛くて、気持ち悪い。
あぁ・・・私、守れるかな。
大事なものを。
「ちょっと待てゴラ~!!
あんた私にいい度胸してんな!!」
はぁ!?なんでさ、なんでさ。
私、みかん怒らせてないし。なんで八つ当たりされるのさ。
いや、みかんに八つ当たりされるのはいつもの事かな。
いつもの事・・・
泣きたくなるぐらい悲しいけどね!!
「もー、玉狛スナイパー!!
私から逃げるな!!」
「いきなり怒鳴られたら逃げるよね、普通。
で、なんなのよ?」
「訓練付き合いなさい。
狙撃対策よ。狙撃されたとき、シールドを張るだけの反応が欲しいの」
あー、なるほど。
隠れてる狙撃手に撃たれたいわけだ。
マゾかな。マゾだな。
いや~ん、みかんエローい。
ん、待てよ。私が撃つのか!?
「え。あ。私がやるの?」
「それ以外誰がやるの?
自分で撃つなんて無理よ。やって。」
私の返事なしかよ。
ひどすぎる。ひどすぎる!!
「いやだ。」
「・・・・・・理由は?」
「撃てないから」
人が、とは言わなかった。
周りに人がいるから。言うわけにいかないし。
そしたら、みかんから予告なしのパンチがきた。
なんで~~~~~!!!
「人が撃てるようになるまで来るな。」
「え?」
そして、そのまま消えてしまった。
今のあれはどういうこと・・・
人が撃てるまで・・・
~すみれside~
きっきーが帰宅したと思えば引きこもりかよ!!
不愉快だ、不愉快だ!!
私に挨拶はどうした。本部で不愉快なことでもやらかしたか。
↑あくまでやらかした前提。
あれが理由なしに閉じこもるわけないし。
みかんなら知ってるかな。
人が撃てないのがバレたとか・・・
あ、有り得そうだな・・・
「きっきー、生きてるー?」
「・・・」
「無視かよ。一点ものトリガー寄越さん!!」
「生きてる」
「ふう・・・ならトリガー起動してそこにいなさい」
仕方がない。私、超優しいから。
二人のあいだをよくしてやるよ。
まずみかんに電話しよう。
あ、みかんは携帯を持ってないから、本部に電話か。
みかんの呼び出しにえらく時間かかる。
仕方がない。本部は広いから。
「はい、桐条みかんです」
「こちらすみれ。みかん、あんたさ、きっきーに何した?
あれ、引きこもりなんだけど」
みかんは嫌々ながら一部始終を話してくれた。
やっぱり人が撃てない事にキレたか。
みかんらしいよ。
「人が撃てないとみかんの中ではダメ?」
「ユズルみたいなこと言わないで。
別に、そうじゃない。撃てなくて当たり前よ。
遊びじゃないんだから」
「ならそんな言い方しなくていいじゃない!!
きっきーの身になんなさいよ!!
彼女は彼女なりに頑張ってんのよ」
みかんは人の気持ち考えてるのかわかんない。
だから嫌い。あ、少し嫌いなの。
「はぁ!?あんたこそきっきーのために考えてる!?
今、人型が来たとして、撃てませんは困るのよ!!
私はあいつのために撃てと言った!!」
・・・・・・?
あのさ、色々言いたいが。
きっきーに言い放ったあの台詞だけで、そこまでわかるか!?
単に撃てないなら邪魔扱いかと・・・
みかんは言葉が足りないから嫌いだ!!
「それ、本人に直接いいなよ」
「ふん。いずれね」
違った。みかんはツンデレなんだな。
きっきーに愛が・・・どんな愛だろう。
はぁ、みかんには負けるよ。色々。
「きっきーによろしく」
「はいはい。」
みかんは恥ずかしがりやだからな~
後ろを振り返るときっきーがいた。
ちょっと、出てくるの早くないか?
「わざわざ私がトリガーを使い、無線で今の会話を流して差し上げたのよ?
礼は?」
「ありがとう。あのさ、そのトリガーは・・・」
当然。
私の試作品がつまったトリガーですが?
私、エンジニアですから。
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