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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1189話

 買い物も済ませて衛宮の家に戻ってくると、既に午後4時を回っていた。
 俺が冗談で言ったように言峰辺りがいればちょっと面白い事になったんだろうが、結局そんなこともなく……こうして、現在は居間に全員が集合していた。
 今回は珍しく、イリヤの姿も居間にある。
 色々と思うところはあれども、すき焼きに興味を引かれたんだろう。……多分。
 現在居間にはこの家にいる者達全員の姿があるが、台所では凛、桜、衛宮の3人がすき焼きの下準備をしている。 
 調理自体はテーブルの上で行うので、やっているのは材料を切ったりするくらいだ。
 夕食には少し早いような気もするが、柳洞寺に向かうのは夜中……大体日付が変わる頃という事で話はついている。
 そうなると、普通夕食だと思い浮かぶ7時前後にすき焼きを食べるとまだ腹が一杯で動けないかもしれないという事で、この時間の食事となった。
 俺としては、すき焼きを早く食える分には全く問題ないからいいんだけど。
 このすき焼きを食べる理由となったセイバーにしても、腹ペコセイバーの異名を持つだけに食べ過ぎで動けないという事はないだろう。
 視線をそのセイバーの方へと向けると、チラチラと何度も台所のほうへと視線を向けているのが分かる。
 そこまで気になるなら、手伝ってくればいいのにな。
 いや、あの台所に3人いるだけでも結構狭いのに、セイバーも……ってのは難しいか。
 なら、食器を出すとか。
 料理は無理でも、食器を並べるのとかは普通に出来る筈だ。
 箸、生卵を入れる器、卵の殻を入れる皿等々。
 すき焼き用の鍋は既に用意されているから、そのくらいしか出来ないだろうが。
 そんなこんなで、やがて時間が過ぎていき……

「じゃあ、いただきます」
『いただきます』

 家主である衛宮の声と共に、夕食が始まる。
 鍋は普通の大きさだが、人数が人数なので結構食べるのは大変だ。
 今日の夜に向けての鋭気を養うという意味で、牛肉はかなり上質の代物だ。
 100gで2500円相当の肉を、5万円分。
 ……しかも、その牛肉分の費用は全部凛持ちだというのだから、最初聞いた時は何が起こったと思った。
 実際には俺が福引きで当てた商品券5万円分を使用したのだが。
 勿論それだけでは足りない可能性が高いので、他にも肉は買ってある。
 それでも凛にとっては色々と葛藤があった筈だ。
 そう思って、煮えた牛肉を生卵に絡めて口へと運びながら凛の方へと視線を向けると、何故か戻ってきたのは笑みだった。

「どうしたの、アークエネミー」
「いや、てっきりもっと苦悩しているかと思ったんだけど」
「あのね。確かに勿体ないとは思うけど、お金ってのは使うべき時に使わなきゃ意味がないのよ? それなら、今日この時に使わないでいつ使うのよ。ほら、アークエネミーもしっかりと食べなさい。今日の主役はあんたなんだから」

 そう告げつつ、凛の箸は俺の生卵の入っている器に次々とすき焼きの具を入れていく。
 椎茸は非常に肉厚で、エリンギはその食感が、エノキはコリコリとした歯応えが。
 白菜は煮え過ぎておらずシャキシャキとしており、長ネギは一口噛み締めれば口の中に熱々の長ネギのエキスを放つ。
 豆腐は普通の豆腐ではなく焼き豆腐で、煮込まれても型崩れしない。
 しらたきは生卵に絡めて啜ると、一気に生卵を消費してしまう。
 ……うん、美味いな。

「ほら、アーク。追加の卵だ」
「悪い」

 綾子から渡された卵を、再び器に割り入れる。
 そうしてかき混ぜながら周囲の様子を眺めると、セイバーはひたすら鍋へと箸を伸ばして生卵を絡め、口へと運んではコクコクと頷き、衛宮や桜は次々になくなっていく鍋に具を投入し続けていた。
 イリヤとリズはセラに世話をされながら食べ、目を輝かせている。
 いや、リズはメイドじゃないのか? と思ったけど、リズの性格なら仕方ないか。
 凛は俺の世話を焼きながらも、しっかりとすき焼きを食べており、綾子は食う方をメインとして時々俺の世話を焼いていた。
 ライダーは桜の器に具を取っては、自分もしっかりと食べている。
 うん、まさに鍋戦争とでも呼ぶべき仁義なき戦い……というのはちょっと言い過ぎだが、それでも賑やかな食卓なのは間違いない。
 ただ、この食事風景も今日で最後か。
 大聖杯が壊れて、どんな結果になるのかは分からない。
 だがそれでも、このメンバーがこうして集まって食事をするというのは、多分この先もう殆どないだろう。
 特にイリヤ、セラ、リズの3人はホムンクルスである以上は このままって訳にはいかない可能性が高い。
 その辺は、凛の伝手を使って何とか……いや、確か桜ルートだと人形がどうのこうとってあったのを思えば、どうにかなるか?

「ほら、アークエネミー。この焼き豆腐も煮えてて美味しいわよ?」

 凛が器に盛ってくれる焼き豆腐を、口の中へと運ぶ。
 普通の人間なら、熱々の焼き豆腐で口の中を火傷するかもしれない。
 だが、俺の場合はそんなのは関係ないとばかりに豆腐を噛み砕き、煮込まれた焼き豆腐を味わう。

「アークだったら、豆腐よりも肉だろう」

 綾子が入れてくれた牛肉は、さすがに高級な牛肉だけあって美味い。
 口の中に入れると肉汁がジワリと溢れ出て、それでいながら柔らかく、すき焼きの出し汁の味と絡められた生卵が幸せな味を感じさせる。
 すき焼きだけでも十分に美味いが、これに炊きたてのご飯が組み合わさると、もう最高としか言えない。
 うん、やっぱりすき焼きは日本の宝だよな。
 ただ、ネギま世界辺りでしかすき焼きは食べられないという……いや、オーブにも寿司屋があったんだし、すき焼きを出す店があってもおかしくないけど。

「お嬢様、この白菜は丁度いい頃合いでございます」
「本当? あ、美味しいわね。ただ、生卵で食べるというのはちょっと驚いたわ。リズもそうでしょ?」
「生卵、美味しい」
「何でも聞いた話によると、この国の人間は生卵をご飯に掛けて食べるTKGという料理があるという話です」
「TKG!? 何それ、格好いい名前ね!」
「……あの、イリヤ、それは……いや、誤解じゃないんだけど、正解でも……」

 イリヤ一行に対して、言葉を濁す衛宮。
 TKGとか、どこのプロレスの必殺技だって感じだよな。
 ただ、ドイツ……というかヨーロッパでも生卵を使ったタルタルステーキとかがあった筈だけど。違ったか?

「桜、鍋の世話ばかりしてないで、貴方も食べたらどうです? このお肉はとても美味しいですよ?」
「あ、うん。ありがとうライダー。そろそろ皆も落ち着いてきたし、私も食べさせて貰おうかな。……けど、藤村先生が今日の事を知ったら残念がるでしょうね」
「藤村ですか。確かにあの人なら、何故私も呼ばなかったと言うのは間違いないでしょう」

 うん? ライダーも藤村を知ってるのか?
 いや、桜やワカメのサーヴァントとして活動してきたのを思えば、藤村と会っていてもおかしくないか。
 俺と違って、色々な場所で藤村とのつき合いがあっただろうし。
 弓道部とか。

「あははは、確かにね。藤村先生なら、羨ましがって暴れそうだ。衛宮辺りも気をつけた方がいいんじゃないか?」
「ちょっ、おい美綴!? お前、まさか藤ねえに言うつもりか!?」
「さて、どうだろうね。ただ、場合によってはあたしの口が軽くなることはあるかもしれないかも」
「……何が狙いだ……」

 ライダーや桜、衛宮、綾子のやり取りを聞きつつ、長ネギを口へと運ぶ。
 うん、美味い。

「アークエネミー、すき焼きはどう?」
「うん、美味いな。今日、この場で食べる料理としては最高の料理だ」

 凛の問い掛けにそう言葉を返す。

「でしょうね。このお肉は随分奮発したんだから、これで不味いとか言ったら色々と面白い事になってたわよ?」
「一応あの福引きで商品券を当てたのは、俺の筈なんだが」
「何言ってるのよ。アークエネミーの物は私の物に決まってるでしょ」

 お前は、どこのガキ大将だ。

「まぁ、もっとも私自身はアークエネミーのものなんだけどね」

 薄らと頬を赤く染めながら告げる凛は、微妙に艶っぽい。

「あの、ここでそういう雰囲気を出されるのはちょっと困るんですけど」

 桜の言葉に、凛が我に返って取り繕う笑みを浮かべる。

「あら、何の事かしら。私はただ彼と話していただけよ?」
「……まぁ、そう言うのならそれでいいんですけど」
「桜、こういう人達には関わらない方がいいです。下手に関わると……何と言いましたか。そうそう、ブラックコーヒーを飲みたくなりますので」
「ライダー、あんた一体どこでそんな言葉を覚えてきたのよ」
「TVでやってました」

 凛の言葉にあっさりと返してくる辺り、ライダーは女として一枚上手なんだろう。

「ははっ、遠坂の負けだな、これは」
「ちょっと綾子」

 不満そうに呟く凛だったが、確かに傍から見ればライダーの勝利だろう、これは。

「そう言えば、すき焼きにお麩を入れるとTVではやってましたが、それはないのですか?」

 そんな俺達とは裏腹に、ひたすらにすき焼きを食べていたセイバーがふと気が付いたかのように告げる。

「うん、うちだと入れないな。何となくだけど」
「そうですか。少し残念です」

 衛宮とセイバーのやり取りに、鍋を見ると確かに麩は入っていない。
 いや、俺も入れる方じゃないから、特に残念だとは思わないんだが、妙なところで衛宮と気が合ったな。
 そんな感じで、恐らく聖杯戦争最後になるだろう食事は過ぎていく。
 幸いだったのは、こういう場ではよくあるような酒がなかった事だろう。
 まぁ、ライダーと……セラ、リズくらいか? 酒を飲んでいてもおかしくないのは。
 ここでもし俺が酒を飲んだりすれば、今までの経験的に、多分今夜の大聖杯破壊はスルーして、気が付けば明日の朝なんだろうな。
 それも、文字通りの意味で酒池肉林的な感じで。

「どうしたのよ?」

 そんな風に思っている俺を不思議に思ったのか、隣の凛が視線を向けてくる。

「いや、何でもない」

 自分でもアルコールに弱いというのは分かっているんだから、別にここで言う必要もないだろ。
 そんな風に話を誤魔化した俺の方へ、何故か疑わしげな視線を向けてくる凛。

「ちょっと、妙な事を考えてないでしょうね?」
「妙な事?」
「そ、そうよ。その……柳洞寺に行く前に、無駄に体力を消耗する的な……」

 何となく凛が何を言いたいのかが分かり、思わず溜息を吐く。

「……さすがに夜の模擬戦をこんな時にやろうなんて思ってないさ。いや、個人的には大歓迎だが、いざという時に体力がなかったらどうしようもないだろ?」
「そ、そうよね。……まぁ、私も最初からそう思っていたわよ? あくまでも念の為に言った事だし」
「遠坂、言えば言う程にボロを出してるぞ」

 綾子の鋭い突っ込みに、しまったといった表情を浮かべる凛。

「全く、ふしだらな人は嫌ね」
「イリヤスフィール!? いきなり何を……」
「あら、何かおかしな事を言ったかしら? こういう食事の場で、いきなりそういう事を口にする人はふしだらって言うんでしょ?」
「はい、間違いありません」

 イリヤの言葉に何も問題はないと頷くセラ。
 リズの方も、ふしだら? と首を傾げてはいるものの、すぐにすき焼きの方に集中する。
 うん、かなり気に入ったんだな。

「イリヤスフィールの年齢だと分からないかもしれないわね。こういうのは大人になれば分かるんだけど……お子様だし」
「む。何よ、リン。私のどこかお子様なの? 私はシロウのお姉ちゃんなんだから」
「ふふん。それこそ、自称姉でしょう? どう見ても衛宮君とイリヤスフィールだと、衛宮君の方が年上じゃない」
「むむ。そんな事ないわ。私の方がお姉ちゃんなんだから。そうよね、シロウ」
「あー……うん。まぁ、それでいいと思うぞ」
「ほらね」
「……そうね。まぁ、それでいいんなら構わないと思うけど」

 衛宮の方も認めている以上は何を言ってもしょうがないと判断したのだろう。凛は小さく溜息を吐いてから、鍋にあった牛肉へと箸を伸ばす。
 何だかんだと面白おかしい、賑やかな食事は、こうして1時間以上続くのだった。





「ちょっと食べ過ぎたわね。さすがに締めのうどんはお腹一杯になってしまったわ」

 凛の言葉に、居間にいる者達が何人か同意の声を出す。
 普通、鍋物の締めと言えば雑炊が多い。
 けど、すき焼きでの雑炊というのは、出し汁が甘すぎて合わないんだよな。
 いや、そういうのが好きな人もいるだろうけど、少なくても俺やここにいるすき焼きを知っている者達の意見は同意だった。
 すき焼きの締めと言えば、やっぱりうどんだろうという事で、結局はうどんに。
 まぁ。美味かったからいいんだけど。

「……さて、後は日付が変わる頃に柳洞寺に向かう事になるけど、今は少し休みましょうか」
「さんせいー」

 凛の言葉に、綾子が力なく手を振って同意する。
 他の者達も同意見なのか、その言葉に異論は上がらない。
 俺は全く問題なくすぐにでも動けるし、それはセイバーも同様らしい。
 ライダーは……どうなんだろうな。
 同じサーヴァントでも、半サーヴァントの綾子は食い過ぎ状態らしいけど……これは受肉している状態だからか?
 そんな風に考えながら皆でゆっくりと過ごし……そして、いよいよその時を迎える。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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