『殺し、失い、得たもの。』
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『零と桜』
相変わらず呼び出しは食らう。
うんざりする。
無駄な頭数だけ揃えてくる奴等。
コッチは無駄な馴れ合いやか好かんし2人。
喧嘩が好きなワケちゃうし。
わざわざ痛いのとか勘弁やし。
そんなん虐待だけで充分過ぎるやろ。
殴る方も痛いし。
自ら望んでする喧嘩は滅多にない。
喧嘩で強くなりたいワケでもない。
でも、勝手な言いがかりつけて喧嘩ふっかけられたら腹立つやん。
無駄な喧嘩に勝っても意味やか無い。
嬉しくもない。
でも、何でも負けたら負けたで悔しいし腹立つやん。
負けず嫌いやし。
桜とは喧嘩したくない。
絶対お互い譲らん。
2人共が負けず嫌いの度合い半端無いから。
考えただけでゾーッ!!とする。
『蓮の異変』
舞と蓮は暫くズット一緒だった。
最近たまに蓮がおらんなる。
其の度に舞が暗い顔してる。
口喧嘩すら聞いたこと無いけど、なんかあんのかな?
『舞、蓮は?』
『えっとー...帰った!』
何か隠してる。
こんなん今迄なかった。
余計なお世話かも知れん。
けど...踏み込んだ。
『舞、何隠してる?言いたぁない?それとも言えんよぉな何か?』
『言いたい...けど!』
『言うん怖い?零が信用ならんけん?』
『ちがっ!違うっ!!蓮が!怖い!薬が...蓮が...!!』
はちきれたように泣き崩れた。
『...蓮、薬しよん?』
舞は頷く。
『何てやつか解る?』
舞は首を横に振る。
舞は、零達と違って普通の子。
悪さには無関係で無知。
一緒に居るだけ。
ただただ純粋な子。
すれてない子。
『わかった。蓮には零が言っとく。正直言って薬は初めてちゃうんや。やってるのは知ってる。ハマッてないし問題無かったから何も言わんかった。
それに、蓮は零と似てて、誰に何言われても従うことはせんやろ?止めても意味ないんよ...』
『でもっ!人間やめますか?ってやつやろ?蓮、死ぬん?嫌やそんなん!お願いやけんヤメさしてやぁっ!!』
舞は号泣した。
何とかなだめた。
でも、蓮はヤメん。
零が言ってもヤメん。
誰が言っても同じ。
零と違って、蓮は素直で可愛い。
でも、零と同じで、自分の意志で選択したことは他人の意志で変えることは有り得ん。
『従うこと』は有り得ん。
何よりキライ。
同じやから解る...。
仮に其処に愛が在っても。
共に歪んでる。
価値観も歪んでる。
思考回路も歪んでる。
で、2人共、根は真面目。
蓮の居場所を突き止めた。
見たこと無い人達とおった。
『蓮!ちょお来て!』
『おぉっ!何で此処に?』
いつもの口調。
でも、違和感...。
『今はあの人から買いよん?』
『うん!あ、欲しいん?』
『要らんわ。アンタなぁ、舞のこと守るんやないん?そんなんやっとったら守れんなるで?
舞が怖がってる...蓮が壊れるんやないかって。人間やめますか?ってやつになるんちゃうかって...それでええん?』
『アイツやらしてくれんもん。ほな紛らわすしかないやん?』
え...
そんな理由?
で、薬?
『アンタ冷静なりぃや!舞は男嫌いで近付いて来ただけで泣いてたんやで。でもアンタに惚れた。
ユックリでええやん、焦らんでもええやん。なぁ?』
『待っとるやん。薬で身ぃ削ってまで待っとるっ!!』
引いた。
なんか、冷めた。
最低。
ショックやった。
蓮は...
こんなんちゃうかった。
『アンタのこと買い被り過ぎてたかも。ガキ過ぎてビックリ。
舞から手ぇ引いて。別れて。
其れが嫌なら薬ヤメて。どっちか選びぃや』
翌日、舞に話した。
『蓮と別れるん嫌?好き?』
『嫌!!ちゃんと好き!!』
『そっか、蓮には昨日話した。舞と別れたぁ無かったら薬やめぇ。選びぃやって言うた。』
『蓮、なんて?』
『なんも』
暫く沈黙。
舞は涙を堪えながら言う。
『舞は蓮を信じる。舞が自分で蓮を好きになったんやけん』
『うん。信じたげて。零は舞みたいに強く信じるのは無理』
『でも2人は舞に解らんとこで強い絆在るやん!そんなこと言わんといてやっ!』
『ごめんな...やからこそってのも在るんよ...蓮を紹介した零が悪い。でも、蓮がチャント舞んとこに戻ってきたら信じれる』
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